見出し画像

【体験談】文系大学生が統計検定準1級に合格するまで ~期間・勉強方法・思ったこと~

ただの文系大学生が統計検定準1級に(ギリギリ)合格しました。

どんなペースでどんなことを勉強したか、なにを思ったか、備忘録として残しておこうと思います。

ちなみに、準1級に必要な数理統計や機械学習の学習はほとんど独学で行いました。

専門的に数理統計や機械学習を学んでいるor実務で使用している方々はもちろんのこと、これから本格的に統計を学ぼうとしている文系の学部生の方や、スキルアップとして取り組もうとしている数理的なバックグラウンドがない社会人の方など、ぜひこの記事を参考にしていただければ幸いです。

ちなみに61点というほぼ合格最低点で合格してるので、そんなに高度なことは書けません。実務経験も無いただのぺーぺー文系大学生が書いてる内容なので、とりまコスパ良く準1級受かりたいぜ!っていう方々に参考にしてもらえればと思います。

私のスペック

地方国立大の経済学部4年生です。

数学は好きですがあまり得意でないです。

一応、大学では計量経済学のゼミに所属していましたが、特に数理統計や機械学習といった分野の勉強はしていません。激ゆる先生のもと、毎週みんなで仲良く統計検定2級くらいのレベルの内容をゆるゆる学んでいました。

ちなみに大学2年生のころに1か月くらい勉強して統計検定の2級を受けたことがありますが、普通に50点くらいしか取れなくて落ちてます。

勉強期間と方法

もともと統計とかには興味があったので、ゆっくり勉強してみるか~という感じで始めました。

統計検定2級くらいの知識は持った状態で、初めて数理統計と機械学習に触れたのが大学3年生の9月でした。

3年生 9~12月

とりあえず数理統計学やってみてぇ~って思って、久保川先生の「現代数理統計学の基礎」を買って読み始めました。微分積分とかがあやふやで、全部調べながらやってたのでけっこうゆっくりでした。

11月くらいから機械学習(というか多変量解析)の勉強も始めました。別にこの時は準1級を受けようとは思ってなくて、ただただやってみよ~って感じでした。k-nnとかk-meansとかをRで実装してみてて、雰囲気はつかめてたとおもいます。

ここの期間で、大学でちょうど時系列分析の授業も取ってたのでそれも勉強してました。定常性とかホワイトノイズとかはなんとなくここで知りました。

3年生 1~3月

ちょっとベイズに興味があったので、「データ解析のための統計モデリング入門」という本をちょくちょく読んでました。

そこでベイズの基本的な考え方とかはなんとなく理解したと思います。ただちゃんと手計算でバチバチなベイズの問題解けるかと言われるとしっかりNoでした。

とある事情でこの3か月はあんまり勉強してなかったです。

4年生 4~6月

ふと、準1級の範囲が自分が勉強してたところと被ってることに気づき、受験するかぁ~と思い立ちました。それが4月上旬です。

ネットの記事でワークブックとりあえず読め!!って皆さん口を揃えておっしゃってたので、とりあえず自分もここからスタートしました。

最初の方の確率分布とか検定の方法とかは、9月くらいにやってた久保川先生の参考書で貯金があったので、まぁある程度ふんふん言いながら順調に進んでましたが、13章あたりから一気に知らないことばっかりになってお手上げ状態でした。

特に多変量解析の内容はもうわけわかんなくて、勉強するときは毎回教科書を眺めて眠たくなってるだけでした。

そうはいっても試験には受かりたいので、分からない部分は気合で理解するか、その分野に特化した参考書(後述)を色々と漁りながら、ぼちぼちやっていきました。

ワークブックも過去問もとりあえず3周くらいはして、最終的には6月中旬くらいで過去問が平均して70%くらいはとれるようになってました。

4年生 6月末

とりあえず受けてみよ~って感じで、初めて受験しました。

結果は58点。「うわ、ここド忘れした、、」「よく分からなくて飛ばしたところだ、、」みたいな問題が数問あって、これで58点ならもうちょっと詰めたら合格するな~という感触でした。

4年生 7月上旬

1回目の受験の後から、4時間×2週間くらいのノリで、理解が甘かったところを詰め込みました。そして2回目の受験で61点を取り、合格でした。

合格最低点ギリギリなんでホントに誤差の上振れで受かったようなものですが、まぁ合格は合格なので、、笑

正直2回目の方がめちゃくちゃ難しく感じて「あ、また落ちたな、、」と思っていたので、受かって本当に良かったです。


役に立った参考書&サイト

統計学実践ワークブック

もう準1級を受ける方にとってはバイブルですよね。とりあえずこれに食らいついていけば自ずと色々と見えてくると思います。

統計検定準1級 公式問題集

実際の過去問なのでしっかりやりこみましょう。

記述問題もやっておくと内容の理解が進むと思いますが、やらなくても大丈夫かと思います。

私は選択問題のみひたすら演習して、最終的に4周くらいしました。大体それで正答率が安定して80%超えるくらいでした。

現代数理統計学の基礎

数理統計の理論はこれで学びました。確率分布の期待値・分散・積率母関数などはすべて導出も含めて暗記しておきました。

とりあえず演習問題もしっかり取り組んでおきました。

正直、数式での解説が多くて少ししんどかったですね、、なので以下の参考書「現代数理統計学」で分からないところを補いました。

現代数理統計学

上の「現代数理統計学の基礎」よりも言葉での説明が多く、数式を追うのに慣れていない or あまり得意でない方にはうってつけだと思います。

まぁ正直これ読んでも分からない部分はいっぱいありました。そういうところは潔く飛ばしました、、笑

多変量解析入門

主成分分析や因子分析など、ワークブックだけでは理解が追い付かなかったので使用しました。

平易な例を用いて、モチベーションから一般化まで丁寧に解説してくれていると感じました。やってよかったです。

標準ベイズ統計学

ベイズの部分がよくわからなかったので使用しました。

序盤の、ベイズのモチベーションから基本的な定義定理の解説までしか読んでいませんが、これのおかげで事後分布の導出までしっかりできるようになりました。

微分積分キャンパスゼミ

微分積分があやふやだったので、適宜参照しながらやってました。安定の分かりやすさです。

線形代数キャンパスゼミ

同じく、線形代数もあやふやだったので使いました。

でも正直そこまでしっかり線形代数の知識、特に計算方法について必要になることは少なかったので、そんなに使ってないかな。

あつまれ統計の森

主に過去問の解説を参照させていただきました。

2nd Door

こちらも過去問の解説でお世話になりました。

受かって思ったこと

  • ワークブックとか過去問とかで出てくる、典型的な計算問題は全部できるようになっておいた方が良いと思いました。各種検定とか、パラメータ推定とか、、、計算させるやつは結構似たやつが出てくる可能性が高いです。

  • 個人的には、パソコン版の方が問題の難易度が高いように感じました。過去問は「これ知ってる~?」「ちゃんと計算できる~?」みたいな感じの問題が多い気がしますが、本番のCBTは、「これ理解できてる~?」「こういう時どうなると思う~?」みたいな、オリジナルのシナリオに即した理論の整理みたいな、まぁ要するに本質的な理解や実践的な運用能力を問うてくる問題が多かった感覚がありました。

  • 正直、微分積分と線形代数はあんまりビビらなくてもいいと思います。数学が特に得意ではない自分でもある程度行けてしまったので(バイアスの極み)。微分積分って言っても三角関数の微分とかできる必要ないですし、積分も部分積分とかヤコビアンが分かれば耐えです。線形代数も概念がなんとなくわかってて、固有値と固有ベクトルさえ計算できれば何とかなります。

  • 準1級は範囲は広いですが、その分浅めの知識を問われることが多いです。なのでワークブック換算でトピックが30個ぐらいありますが、好き嫌いせずに全部目を通して、それぞれ最低5割くらいは理解しておいた方がいいと思います。どれもそんなに無理難解な内容ではないので、時間さえかければある程度理解できるはずです。得意な分野はしっかりやって、特定の分野は捨てる!みたいなスタンスで行くと、テストが運ゲーになりますし、知ってればとれる点も落としてしまう可能性があってもったいないです。

  • 8~9月に大学院の入試が控えているのですが、いい勉強になりました。特に確率分布と検定は結構自由に操れるようになったと思います。各種分析手法についても、結構解像度が上がった実感があります。統計系で院進する4年生のみんな、準1級おススメだぞ~~

最後に

以上が、文系大学生が統計検定準1級に合格した流れでした。

正直1個下の2級との差はえげつないと思います。でもその分頑張って勉強したことで、得たものはいっぱいありました。

数学があまり得意でない我々にとっては修羅の道ですが、しっかり時間をかけてあげれば合格は絶対に射程圏内に入ると思います。

ネット上にはわずか数週間で受かってしまってる天才様たちがゴロゴロいらっしゃいますが、我々は自分のペースで焦らず慌てずゆっくりやっていきましょう~~

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?