七澄シロ【小説】

頭の中を文章にして生きていきたいなぁと歩んでいます。twitterでは140字小説。贈り物に散文詩サービスもどうぞ→http://coconala.com/smartphone/users/297208

小さな手

「夕やけ小やけで日がくれてー」 歌に合わせ揺れる手を離さないように握り直す。 まだまだ小さな手が燃ゆる空を指さした。 「ねえおばあちゃん、すごいまっか!」 「本当...

もうすぐ沈む

ときめきなんて三年目には見当たらなくなったし倦怠期なんて呼べた時期は過ぎて、気付けば同じ家にいるだけの他人になっていた。 今に名前を付けるなら何が似合うだろう。 ...

かけがえのない夏を

「夏の思い出作りにどう?」 彼女が差し出したのはコンビニの花火セットだった。 「もう夏終わるけど」 「だからやるの。ほら」 蝋燭に灯した火が風に吹かれ、二人の影...

眠る山荘

夏休みに初カレと旅行、なんて響きに浮かれたのがいけなかった。 山荘に連れてきてくれた彼の事はSNSのIDしか知らない。 だから今、何故彼に包丁を向けられているのかもわ...

夏の終わりに始まる夏

「寒くね?」 「昨日は暑いって騒いでたくせに」 「今年の夏は異常気象ですー」 「んなの毎年言ってますー」 「確かに」 「納得すんのかよ」 共に過ごす夏は三度目、海に...

天才はバカと紙一重

「夏カゼはバカが引くんだよ。これは只の急性上気道炎」 「はいはい自称天才は黙ってて」 「まだ世に出てないだけだ」 心配して来てみればいつもの応酬、これだけ元気なら...