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小さな手

「夕やけ小やけで日がくれてー」

歌に合わせ揺れる手を離さないように握り直す。
まだまだ小さな手が燃ゆる空を指さした。

「ねえおばあちゃん、すごいまっか!」
「本当、怖いくらい」

すると繋いだ手を両手で包んで、

「大丈夫だよ、ぼくが守ってあげる」

いつの間に伸びたのか、と影を見ながら微笑んだ。

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言葉の行方様企画『黄昏時』ふたつめ。


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