no.26 30代が振り返る、大学生時代の失恋日記

25歳を過ぎた頃。
最後に、会ったあの日から、わたしたちはもう会うことはありませんでした。

わたしは、ゴールデンウィークに会いに行くよ、と連絡をしました。
返信はありませんでした。
電話も、何度もしました。
出ませんでした。


生傷。

わたしは、生傷のままでした。

相手は、もうかさぶただったのかなぁ。古傷だったんだね。

あなたは、あなたの意思で、わたしと会った。会ってくれた。

そして、会わない、もう会わない、とあなたは決断した。


共通の友人から、連絡が来た。
「こっちが連絡をしたら、期待持たせることになるから、連絡しないことに決めた」
そんな伝言を聞いた。

ずるいじゃん、そんなの。

しっかり、直接ころしてほしい。そんなことも、ああ、わたしは伝えていなかった。

だから、きっと、こうなった。


もう、夢でしか会うことはできない。

その頻度も少なくなり、わたしはわたしの記憶のなかの相手を、

100%大好きでした。


共通の友人からは、
「こっちに未練があると思ってもいなかった」
「ちょっと昔にひたってみたかった」
だなんて言葉も聞かされた。
そんなことを、思っていたんだ。それを、言ってくれなかったんだ。


いまも、思い出すんだよ。
大学を卒業したら一緒に住もうねって伝えたとき、
「おん、そしたら留年できないな」って。
一緒に住むことには何もいってくれなかったよね。
だけど、別に何も思わなかった。あなたがすべてだった。

ケンカをして、めずらしくあなたの方が涙を流した。
涙をながすほど、通じ合う気持ちがあることに、わたしも涙した。

一緒にいるべきとき、ことばをかけるべきとき、
わたしはすべてのタイミングでへたをうってきたのだろう。

それを悔いて悔いて、もう会えないあなたに、ずっと許しを請うている。


あなたの視点の夢を見たことがあるんだよ。
あなたが、わたしをどう思っているか、どうしていこうか。
そんなことを、あなたが、あなたの友人に相談しているところに遭遇した夢。

わたしは、あなたの視点を、考えていなかったよね。
そういうところが、愛想尽かすところだよね。

わたしは、だいすきだったんだよ。

もう、支離滅裂だよね。

今年がもうすぐ終わるね。

またひとつ、あなたとの思い出の色がうすくなっていくね。

そういうものだよね。

まだ思うよ。直接、わたしの気持ちをころしてほしいって。

そうしてくれないと、わたしは立ち尽くしたまま。

この恋を、呪いにしたまま。



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