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夜についてのメモ

朝6時に始業し、 
夜明けの綺麗な空を眺めて1日を始められた日

そんな日の締めくくりに
映画「夜明けのすべて」を観てきました。

レイトショーだったので小さめの、私の青春ポレポレいわきを思い出すようなスクリーン。
横一列誰もいないから人目も気にせず、ホットココアを片手にダル着で鑑賞できたのも、なんだかこの映画の世界観に合っていたような気がします。

感動が冷めないうちに
この夜に感じたことをメモ。

さて
以下はネタバレを含みますので
これから観る方はご注意を。


夜明けのすべての感想
一言で表すならば

余白の多い映画だったな、ということ。

余白と言っても最近話題になりがちな

考察が盛り上がったり、
人それぞれ解釈が違ったり、
伏線回収があったりする作品というわけではなく。

(ちなみに私はそういう作品も好きですし、そしてこのすごい明確に伝えたい意味とかあったらごめんなさいなんですけど)



もっと、よりリアルな日常の余白。

例えば、

一緒に過ごす人たちも結局は他人だったり
形が変わらないものなんてなかったり
大抵のことは私の知らないところで世界はまわってる、みたいな。そんな余白。


いつもの私なら
なんでドキュメンタリー撮ってるの?とか
お母さんなんで歩けなくなっちゃったの?とか
些細なところも気になったり意味をつけたがったりするけれど


そこに意味があると思わせないというか
まぁ普通にそういうこともあるよね、みたいな空気感をずっと纏っている。


あとは作品の中の音も日常を感じさせていた要因かも。


音が全く無くなかったシーンが恐らく一瞬しかなくて
それに気がついたのも静かになってからで
ここまでずっと、街とか雨とか生活の音が鳴っていたんだなと気がついたりとか。

主題歌がないのもこの映画には心地よかった。
エンドロールで世界が途切れず
このまま続いてくんだろうなって感じ。


ちなみにこのエンドロールも良いんですよ。


映画自体には終わりの感じがないまま日常の映像をバックにエンドロールが流れていくわけだけど、
ここで唯一伏線回収みたいな感じがあって。


最初は会社を辞めたがってたしお菓子を分け合ったりするのを拒んでいた山添くんが会社に残って働いてて、さらに「コンビニ行くけどなんかいりますか?」って聞いて出かけていくんですよね。

そのきっかけになったのって間違いなく藤沢さんだけど
でもその藤沢さんはもう会社にはいなくて自分の人生を選んで歩んでく。
それに対して山添くんは、多分なんとも思ってない
(何も感じてないわけじゃなくて、思ってない)



パニック障害とPMSを抱えた2人がお互い干渉し合いながらも、でもそれ以上の関係になることもなく、あくまでそれぞれの人生を過ごしている感じ。

特別な人たちを取り上げているようみえて
きっと私と誰かの人生もこんな感じなんだろう

って、そんな感じ。

すごくふわっとした感想だけで
これがいつか人生のフェーズで意味を持ちだすのか
このままふわっとしたままいくのかわからないけど

とにかく今私は心地よく映画を見終えている。

そんなあたたかくてやわらかい作品でした。


推しのおかげでいい作品に出会えますね。
後半にかけてどんどん背筋が伸びて朗らかな顔になっていく山添くんが印象的でした。

ほっくん、今回も最高でしたよっと。

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