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ビジネス脳の作り方

〜日本にハンバーガー旋風をおこした男〜

書評させて頂きます。

"はじめに"

作者について

 格安、美味のハンバーガーを販売している日本マクドナルドの創業者である藤田田(ふじたでん)さん。日本中にハンバーガー旋風を巻き起こした策略家です。大阪生まれで東京大学法学部を卒業しています。

本書について

 この本には、ビジネスを成功させるために必要なお金の見方が書かれています。そのため、お金を生み出す思考を得たい人は読むべき一冊です。これを読めば、日本にハンバーガー旋風を起こした男の思考が分かります。


"概要"

 ここで、本書に書かれていることをいくつか紹介します。

【数字を使えない奴は金儲けできない】

 藤田田さんは、常に数字に気を配っています。この数字とは、長さ、面積、カロリー、温度といった日常生活で使われる数字のことも言っています。例えば、藤田田さんが社長をしている日本マクドナルドの本社には、各部屋の壁にその部屋の面積を表示するプレートがかけられているそうです。また、藤田田さんは、小指の爪の幅は1センチ、親指の爪の幅は、1.5センチといったように、自分の体を物差しにして長さを測っているとのこと。このようにして、数字と向き合い、藤田田さんは商売を成功させてきました。数字のもつ客観性が裏付けとなり、人を説得させることにつながるそうです。


【「カラスは白い」という発想が奇跡を生む】

 資本主義社会を生きていくには「カラスは白い」ということを証明できるようにならなければならないとのこと。これができれば、女を手に入れることもいたって簡単であると豪語しています。その具体的方法も書かれていており、興味深い内容になっています。


 「 カラスは黒い」とか「1プラス1は2である」と、当たり前のことを当たり前にいっていたのでは、だれひとり説得は出来ない。
 「カラスは白い」ということを証明できる、さわやかな弁舌を身につけるべきである。
 そんな弁舌を武器にしなければならない時代なのだ。 その弁舌を武器にできれば、太陽は西から上がる、ということだっていえるようになる。
 「太陽は西から上がります。たまたま、今日は東から上がりました。しかし、明日は西から上がります。」
 こういって相手を説得することも可能である。 そういったことをいえるようでないと、金は儲からない。当たり前のことを当たり前にいっていたのでは儲からない。
 (「ビジネス脳のつくりかた」より)

この「当たり前のことを当たり前にいっていたのでは儲からない」という言葉は、物事の視点を変えて他人にそれを説明するというビジネスに必要な能力を表していると思いました。


【男なら社長の椅子を狙え】

 この章では、藤田田さんの考える社長に必要な能力をたくさん述べています。これからは、インターナショナル性が必要であり、2ヶ国後ぐらいは外国語を操れるようにすべきだそうです。また、発想も仏教的な発想だけでなくカソリック、イスラムといった世界的な倫理基準に基づいた発想を持たなければならないとのこと。現在、急速にグローバル化が進んでいる中で、このような考えを持つことは非常に重要であると言えます。

【空腹時の人間心理で勝敗が決まる】

 
 いま、アメリカはカード社会である。現金は小銭程度しかもち歩かず、必要な買い物、支払いはすべてカードですませてしまう。そのアメリカですら、マクドナルドは現金なのである。日本でもカードをやらないか、という話はあるが、1000円以下の商売だから、いまのところ、その必要を感じていない。100円玉の商売だから、カード導入すれば業務がかえって煩雑になりかねない。
 (「ビジネス脳のつくりかた」より)

と藤田田さんは述べている。本書で藤田田さんは物事をはっきりと断言をすることが多かったのですが、「日本でもカードをやらないか、という話はあるが、1000円以下の商売だから、いまのところ、その必要を感じていない。」とこのように、いまのところはと述べていることから、将来はカード決済になることを予想している言い方をしています。そして現在、日本マクドナルドはカード決済を導入しています。藤田田さんは、将来カード決済の時代が来ることを予測しながらも、時代を読み、カード決済を導入しない選択をして、多くの利益を生み出しました。この選択から藤田田さんの時代を読む力の凄さが分かります。

"現代で稼ぐために必要な力"

 私が印象に残った藤田田さんの言葉達を紹介します。

物の見方

 
 人間は本来動物である。
 その動物の生活がどうすれば便利になり、快適になるか。それを考えていけば金儲けにぶつかるのだ。
 着るものが和服から洋服になった。そうすると和服よりも洋服が儲かり、下駄屋よりも靴屋が儲かる。その発想でいけばいい。
 ただ、人よりちょっとだけ視点を変えてみることである。
 (「ビジネス脳のつくりかた」より)

 この考え方ができるか否かで、ビジネスが得意であるかどうかがわかると思います。そして、この視点を変えてみるということを習慣化するだけで、身の回りにビジネスのチャンスが転がっていることに気がつくことができるようになると思います。そのため、こういった考え方を常に意識していきたいと思いました。


行動

「社長はどんな場合も直ぐに答えを出すべきであるべきである」という考えです。

 
 社長たるものは、明日返事をするよりは、まちがってもいいから、今日答えるべきである。もしもまちがっていることに気づいたら、訂正すればいいのである。パーフェクトな人間は存在しない。だから、パーフェクトである必要はないのだ。ただ、リカバリーは出来なければならない。まちがいは、すぐに軌道修正をする。まちがったことが訂正できないようではダメである。そしていったん即断したら突進することである。
 (「ビジネス脳のつくりかた」)より

 この文から、戦略を深く考えてから行動することよりも、まず行動をすることが必要であり、行動しながら考えることが大切なことであると考えました。

 現代を生きる中で、やりたいことが見つかっても、なかなか行動できずにいる方もいるのではないでしょうか。うまく行かなかったらどうしようと頭の中で考えて、結局何もしないということがあるではないでしょうか。そんなときは、自分のことを完璧な人間ではないから間違えてもいいと考え、間違えても訂正すれば良いと思うことで、多くの行動につながると思います。


"おわりに"

 看板商品のハンバーガーを引っ込めて売上を50%アップさせた話などといった、藤田田さんの戦略や考え方を知る事ができる貴重な本であると感じました。


 藤田田さんの断言するような言葉の言い回しには、自身の考えに強い信念があるように感じられました。このような言い回しで物事を言えるのは、藤田田さんの誰にも負けない学び続ける努力からでるものだと考えました。この学び続ける努力は、副業が解禁する企業が増加する現代の日本にとって最も必要となる能力になると私は思います。


 ビジネスを考える人にとって、この本を読むことは、最大の利益を生み出す投資であると言えるでしょう。

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