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ヒグチアイ 神宮外苑花火大会2023(秩父宮ラグビー場) 出演 備忘録 2023.8.12(復刻)

2023年8月12日(土)
台風第6号に引き続き発生した台風第7号が、お盆に向けて日本列島を直撃する予報が飛び交い、夏の風物詩として予定されている各地の花火大会は戦々恐々とその動向を注視していた中、そんな花火大会のひとつであり、都市型花火の代表格として、今年で42回を迎える伝統の神宮外苑花火大会も御多分にもれず、台風発生時から、一抹の不安を抱えていた。
昨年、長引くコロナ禍の最中にもかかわらず、3年ぶりに復活した花火大会が、よもや台風の心配をすることになろうとは、少なくともほんの1週間前までどこまで予期していただろうか?ただただ、無事に開催してほしい、そんな人々の祈りが、天に通じたのか?はたまた、明治神宮の神様(?)に通じたのか?8月らしい晴天の絶好のコンディションで開催される見通しとなって、関係者はもちろん、参加者もほっと安堵したことだろう。

かくいう自分も、延期となれば、気軽に予定を変えられるほどの、時間と距離(距離が一番大きい)を持ち合わせていない。この日に限っても、なんとかスケジュールをつけて、多少、無理やリスクを承知の上での参加であった。

そもそも、何故、自分が花火大会に?花火は嫌いではないが、人混みは嫌いな自分が、敢えて飛び込むイベントではない。目的はただひとつ、それは言うまでもなく、『推し活』にほかならない。仕事や生活に夢や希望を見出すには賞味期限ぎりぎりの自分にとって、目下の生きていく原動力は、『推し活』しかないのではないか?文章にするほどに寂しさや気恥ずかしさが募るが、同時に誇りすら覚える・・・そんな前置きはさておいて(汗)

神宮外苑花火大会にヒグチアイが出演決定したことは驚きをもって(多分)世間にアナウンスされた。主催に〇ニーキャ〇オンが加わっていることも要因ではあると思うが・・・、それであれば、昨年もチャンスはあったと思うのに、何故、今年なのか??それは、やはり、昨年から現在にいたるまでのヒグチアイの快進撃があってこそではないだろうか?付け加えるならば、アイさんのスタイルでは決して多く無いスタジアム型アンセム『祈り』のリリースの手応えも関係しているのではないだろうか?

とにもかくにも、『ヒグチアイ神宮外苑花火大会出演決定!』は世に華々しくアナウンスされ、それを重く受け止めたいちファンは、“こりゃあ話題独占じゃないか!?ひょっとして、これがきっかけで夏フェスの女王になれるんではないか?”と期待を込めてチケットを購入したわけである。その後、追加出演者が次々と発表される中で、瑛人さんが出演決定になったり、miwaさんが参加することになったり、終いにはmiwaさんが、秩父宮ラグビー場の大トリ(神宮球場会場は、大黒摩季さんと金爆さんの出演でもちきりだったが・・・)になった時点で、『ヒグチアイ“夏フェス”の女王計画』の野望?は少しずつ削ぎ落とされていくのだった・・・(笑)

午後3時30分
青が海のように広大に空に広がる夏空と、35度に迫る、灼熱の強い日差しを受けて、秩父宮ラグビー場にて、神宮外苑花火大会2023のオープニングアクトがスタートする。

7m!n(セブンミニット)と いうアイドルグループ?らしく、初見だったが、とにかくハツラツとしていて、着物のような和風の衣装で、飛び跳ねてエビぞりもしちゃったり、とにかく元気で清々しい・・・(良い意味のため息)。

続く、タナカさんも初見だったが、オフザケのような名前でONE PIECEの『ウィーアー』を歌って現れたので最初はアニソン歌手かと思いきや、大塚愛さんの『さくらんぼ』を歌ったり、はたまた、韓国語の歌まで歌っているので、キワモノだと確信・・・それから、韓国の有名Youtuberであることを知ることになるが・・・とにかく、この最初の2組は、親衛隊とも言えるような、女性ファンの黄色い声援が凄かった。うちわや振付や、合いの手もばっちりで、それを目の当たりにした周囲の一般客からは笑い声も・・・。

“い、いや・・・自分も推し活だが、こういう目で見られるのかなぁ・・・”

というちょっとした気恥ずかしさのあと

“い、いや・・・何も恥ずかしいことはない!ファンがあってこそ、ニッポンの経済はまわっているんだ!”

という核心に迫る?使命感も芽生える。

続く、舞台チェンジで、何やらバンドセットが・・・

“も、もうヒグチアイ!?”

事前にバンド出演情報をどこかしらで入手していたので、急な展開にうろたえた。しかしながら、司会の鈴木アナ(Mステの司会もされている期待のテレ朝若手アナ)の口から紹介されたのは Czecho No Republic(チェコ・ノー・リパブリック)という女性ボーカルに男性(男性もツインボーカル?)のバンドマン3名を加えた4名編成のバンドだった。『初めての人も、帰りに口ずさめるような歌がたくさんあるので楽しんでください』そんなようなMCのとおり、キャッチーなメロディとサウンドで、女性のボーカルの歌の伸びも印象的なカッコいいバンドだった。売れているのだろうけど、これからも、もっともっと知名度は上がっていくのではないだろうか?

続く、鈴木愛奈さんも、やっぱり初見だったが、本当に才能豊かな歌唱力で、魅力的で、きっと、この日、ファンも増えたんではないだろうか?

午後5時
ついに待ちに待った瞬間が!!

バンドセットの準備を待たずして、ステージ脇にアイさんの姿が見える。自分は西スタンドの後席で、ステージの人は豆粒にしか見えないが、あの青い衣装と雰囲気は、見間違えようが無いほどにヒグチアイだった(深い意味は無い)。ストレッチをしながら、ステージ横のテントに入っていく、と、同じくらいに昼花火の爽快なド―――ン!という音が、まだまだ青が残る空に乾いた音をはじく。

まるで、ヒグチアイの“夏フェス女王”への門出をお祝いするかのような一発だった(単純に5時の定時花火という諸説あり)。

それから、ひぐちけいさんや、伊藤さん、御供さんも現れ、舞台準備を行う事10分ほどだったろうか?少し間を置き、午後5時15分頃に、鈴木アナから待望のあの一言が

『続いてはヒグチアイさんでーす!』

周囲からは拍手はあったが、歓声はあまり無かった。チラッと周囲から「進撃の巨人の人?」という声も耳に入ってきた。

当然である。ヒグチアイを目当てで来るイベントでは無いのだから。先日のラッキーフェスのような移動式であれば、多少“お目当て感”はあるが、純粋にアウェイに飛び込んできたという空気をヒリヒリと感じた。アイさんも、これまで、そのようなイベントはいくつもあったであろうが、今回ほど、キャパの大きなステージであったのだろうか?見渡す限りの大きな緑の芝のフィールドを取り囲んで、遠いステージで約2万人の収容人員の、 午後5時台では 40〜50%近く埋まった状況でのイベントにどれだけ爪痕が残せるのだろうか?

挑戦のゴングが鳴ったような気がした。

・・・いや、ラグビー場だけに、ホイッスルか――。

M1.縁

オーバーチュアのドラムのリズムだけで、曲が分かってしまう。ひそかに『夏のまぼろし』のような変化球 (直球?)を期待していた自分がいたが、ラッキーフェス然り、夏フェスはこの曲から行かないといけないという法律でも制定されたのではないかというほどの忠実ないさぎよさに、心地よく身を委ねることを即決した。
『席によってステージを横で見たり見え方が違うかもしれませんが、自分の楽しめる体勢で楽しんでください。』 曲の導入直前から、そんな心づかいができる優しいシンガーソングライター
『ヒグチアイです。よろしくお願いしまーす!』アイさんのカウントで、自由気ままで~♪のまさしく、“自由気まま”なカントリー調の爽やかポップスが始まる。ドラマの主題歌で認知度は多少あったのか、周囲からは手拍子もチラホラ。「知ってる〜」の声も。何より、天井の無い、青空のオープンフィールドの解放感で、この曲が聴けることについて、想像以上に感動的で、自然と心の底から笑顔になってしまった。

M2.猛暑です

この流れは、やはり、ラッキーフェスと同じ・・・やはり、2023夏フェスセットリストは既に完成されているのか?そこに例外は無いのか?という疑惑が確信に変わっていく。。。
それはさておき、【花火大会】【浴衣姿の女の子】【35度に迫る灼熱の野外】これらのキーワードが会場中に溢れていて、過去イチとも言っていいくらいの注文どおりの夏の冷やし中華のような『猛暑です』に、ただただ胸がいっぱいになってしまう。これは、本当に夏のまぼろしの陽炎を見るような幻想で不思議な時間でもあり、あっという間に終わってしまう夏という季節にも重なる儚さも感じられた(上手くまとめたな)。
曲の終わりに拍手に混じって『いいじゃん』という声が聞こえたので、沼に足を踏み入れたファンが少なくとも数百人はいたことをここに記しておこう。

M3.悪魔の子

『猛暑です』が終わって、無音の間が入る。何かをためるような。ドアを押す前に姿勢を正すような。そんな 若干の間を息抜きと思い、おしゃべりを再開する観客の横を、突如、まるでスッと通り過ぎていくように、イントロなしで『悪魔の子』のあのフレーズが歌われる。
ただただ、歌に心が奪われる時間というのだろうか?これまでのバンドアレンジ同様に、1番はカラオケで、2番からバンドが入るとさらにライブ感が増す。この瞬間がたまらなくカッコイイ。前曲の『猛暑です』が過去イチのシチュエーションだったとしたら、この『悪魔の子』は、スタジアムというスケールの面で、これ以上ないくらいのこの曲にふさわしい圧倒的なスケールだった。本当に会場の温度がマイナス10度くらい下がったような鳥肌を感じた。 空気が変わった。圧巻だった。歌の力は改めてスゴイと感じた。この時間だけでも価値はあったかもしれない。

ここで、いったんMCが入る。

『コロナでイベントの中止が相次ぐ中で、この神宮外苑花火大会は昨年やっていた。それがスゴイことだと思った。自分も、コロナの4年間で色んなことを考えた。みんなと一緒に歌える曲は、 もともとあまりないけど、一緒に歌えないのかなと思ったりする中で、コロナの期間中に口を開けずにみんなで歌える歌として「mmm(ハミング)」を作った。いつかみんなでこの歌を“ラララ”で歌えたらと思っていた。 一緒に歌ってもらえますか?』

M4.mmm

先述のMCは、音楽を愛するものならば、推しのミュージシャンがいるものならば、万国共通で、共感できる内容だったと思う。だからこそ、歌われたこの歌のフレーズのひとつひとつに真剣に耳を傾けていた人たちが多かったような印象がする。歌に壁は無い。どんなジャンルも越えていく力がある。そんな意味で、この歌は、コロナを越えた先にある“みんなの歌”になった。体験から生まれた共有と共感と説得力が、ヒグチアイを、また次のステップに引き上げた感覚がした。本当に得難い感覚というか。それは、アウェイの空間だったからこそ、より濃く浮き彫りにされた気がする。圧倒的な感動・・・最高だった!(マジ涙)

M5.祈り

『最後にもう1曲』

“えっもう最後なの!?”

『持ってるうちウチワやタオルがあったら上げてください』

そんな MC のあとに、やはり、このスタジアムアンセムはどうしても欠かせない。みんな掲げたあの一体感とシンガロングに幸せが溢れる。

やっぱり、ヒグチアイには夏が似合う。

ヒグチアイにはフェスが似合う。

ヒグチアイにはスタジアムが似合う。

これは絶対に定着させたい!

“夏フェスの女王”の道は案外、近いのではないか?そう確信させた30分弱の眩いステージだった。このステージアクトはぜひ、映像で皆さんにも共有してもらいたい。お願いします!テレ朝さま!(笑)

最後にメンバー紹介をし、『どうもありがとうございました〜!』 軽やかに“次期夏フェスの女王”は充実の夏のステージを去っていくのだった・・・。

その後は、『インスタフォロワーが減ってしまって淋しい。みんなフォローしてください』という MCに哀愁を感じる瑛人さんの、夕暮れ時に合う、味わい深いステージ。何よりも、もう結婚されていて、お子さんがいらっしゃることにビックリだった。

大トリは・・・ヒグチアイを期待していた自分にとっては、ある意味悔しかったが(笑)・・・miwa さんのステージの圧倒的な存在感を目の当たりにすると、

“あぁ・・・これはしゃあないかぁ・・・”

認めざるをえなかった。青い浴衣にお団子三つ編みで、はにかむキュートな存在感は、ミュージシャン随一ではないだろうか。天が二物も三物も与えてしまったズル過ぎるオーラは、スタジアムを飲み込むほどのパフォーマンスと歌唱力の賜物というか、あんなにも小さな身体のどこから、あんなエネルギーが出てくるのかと感動した。

・・・いやいや、アイさんももちろん負けてませんがねっ!(汗)

予定よりも早めにステージが終わってしまい午後7時30分の花火のカウントダウンに間が空いてしまう。 スクリーンの横でちらちら見える神宮球場・・・その大型スクリーンには、歌唱中の大黒摩季さん。

『早めにカウントダウン始めちゃいます??・・・あ、30 秒・・・あれ、違う?』

テンパってニコニコしながら天然ぶりをまざまざと見せつける miwaさん。会場中が大爆笑で和む。

人柄が滲み出る(笑)


『さん!にぃ!いち!』


ドカ――――――――ン!!!!

バンバンバン!!!!


メインの花火大会が始まる。
こちらは言うまでもなく圧巻だった。
みんなの目当てはあくまでもこれだったのだ。
それはそうだ・・・
そうなんだけれど・・・

キラキラしたこの日のステージに立つミュージシャンたちを自分は忘れないだろう。

でも、、、

きっと、来年は大トリにヒグチアイ・・・


きっと、カウントダウンで miwa以上の天然ぶりを発揮する・・・



そんな日を夢見たい・・・(笑)



つづく

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