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2歳の君

僕が初めて君を見たのは2歳の君だった。確か僕が小学校3年生か4年生ぐらいだはずだ。君はすぐに僕になついて、僕もそんな君が可愛くて、会う機会があるたびに君と遊んであげた。僕は一人っ子だったから妹が出来たようで嬉しかったのと同時に恥ずかしい気持ちにもなった。

あれから19年目。君はもうすっかり大人になったね。子供の頃の面影を残したまま君は美しい女性になった。年に1度正月に田舎へ帰るとき、君の成長を見てそれからゆっくりその成長した君と話をする。それが僕の楽しみなんだ。

今回僕は婚約者の彼女を連れて帰った。君は嬉しそうに彼女と話をした。僕と君の幼かった頃の笑い話なんかを。ずっと・・・

あれ?なんだろう?僕はなぜか急に悲しくなった。理由は無いけどすごく悲しくなった。そして感情がコントロール出来なくなり外へ出た。涙が溢れた。君のそのけなげな話し方に僕の心はなぜか動揺している。そして何も考えられなくなった。今日これからの彼女とのスケジュールや、正月の初詣の予定などいろいろ決めなきゃいけないのに頭の中が無になったんだ。

僕の君、この気持ちを説明してくれないか?




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