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カップ焼きそばの作り方〜官能小説編〜

性的に捉えられる描写がありますので苦手な方はスルーしてください。

注意喚起

カップ焼きそばが食べたい。
ふいにそう思い立ち、男は電気ケトルでお湯を沸かし始めた。
そして戸棚を開ける。

パウチに入った酒のつまみ、いつ買ったのかも覚えていないような缶詰。
それらの中に紛れるようにしてカップ焼きそばはそこにいた。

むんずと掴み、無造作に調理台の上へと放る。

「キャッ」

カップ焼きそばが男を非難めいた目で見上げてきた。
そんな視線に構わず、乱暴に外装をビリビリと破く。

「やめて!乱暴にしないで…!」
「文句あんの?」
「む、無理に力を入れると、容器が変形する恐れがあります…。だから、優しく剥がし…あぁっ!」

カップ焼きそばの願いを無視して乱雑に破き終えると、蓋を一気に半分まで剥がした。
中に入っている小袋を取り出す。

「かやくとソースと…。おい、青海苔が入ってねえじゃねぇか」
「は、入ってます!…すみません、麺の下に…」
「お前ふざけんなよ」
「ごめんなさい!お願いします…。し、下から取ってください…」

小袋が揃ったところでお湯が沸いた。
かやくを入れ、カップ焼きそばに熱湯を注ぐ。

「あ、あの…。ちゃんと、ま、満水線まで入れてください…」
「聞こえねえよ」
「お願いします!満水線まで入れてくださいっ…!」

あとは蓋をして3分待つだけだ。
ところが2分経ったところで男がカップ焼きそばの湯切りシールを剥がし始めたのだ。

「待ってください!まだ…まだ2分しか経ってません!」
「俺は2分派なんだよ」

抵抗するカップ焼きそばを抑えつけながらシンクに立つと、無慈悲にお湯を捨て始める。

「そんな…!あぁっ、まだ、まだ麺が固いのにぃ…!ダメっ!お湯が全部出ちゃうぅ…っ」

すっかりお湯を切ると、ビリリと蓋を剥がした。
湯気を立てながらあられもない姿を晒す麺に男が言う。

「してほしいことがあるんだろ?」
「…を、けて…くださ…」
「聞こえねえって言ってんだろ。いいのか?早く言わないとどんどん冷めるぞ」
「ソースを、ソースをかけてください…!」

小袋の端を切り、白い麺を汚すように勢いよくソースを絞り出した。

「それから?」
「は、箸で…その…」
「早くしろって言ってんだろ」
「箸でよくかき混ぜてくださいぃ…っ!」

男は徐ろに箸を取ると、勢いよく混ぜ始める。

「ダメっ…!そんな激しくしたら…!ソースが、ソースが器の外に零れちゃいますうぅっ!!」

妄想を終え、男は出来上がったカップ焼きそばを一口ズズっと啜った。
そして気付く。

しまった、せっかく取り出した青海苔を入れ忘れた。




一体何を読まされているんだとお思いのことでしょう。
実は先日猿荻レオンさんが「カップ焼きそばの作り方」を書いてまして。

私も勝手に書いてみましたが、内容が内容なので元ネタの秋峰さんのリンクを貼るのは控えさせて頂きます。
通知が行くのも申し訳ないので、レオンさんの記事内から飛んでください。
レオンさんは許してくれるってあたい信じてる。

その昔、こういうしょーもない官能小説をシコシコ作り続けていたのを思い出し、久し振りに書いてみました。
どうかみなさんを苦々しい顔ではなく笑顔にできていますように。


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