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相性が悪い本を分析してみる

みなさんお疲れ様です。
心はいつでも17歳の夏木です。

さぁ馬鹿なこと言ってないで早速本題に入ります。
先日、記事の中で「申し訳ないけど江國香織の文章が苦手」と書いたところ、とあるnoterさんから以下のようなコメントを頂きました。

「苦手な作家の苦手ポイントを分析してみるのも面白そうですね」

なるほど

実は以前「苦手な作家について」みたいな記事を書こうとしたことがありまして。
けれども断念して下書きにしまっておいたのです。

理由はその作家を好きな人に申し訳ないと思ったから。
決して作者を貶めたり批判するつもりはないのですが、noteは繊細な方も多いので「私の大好きな作者になんてことを言うんだ!通報しちゃえ☆」みたいな人が来たら怖ぇなと日和ったのです。

頂いたコメントでそれを思い出し、何とかして形にできないかと思案した結果。
「相性が悪いという表現ならイケるんじゃね?」と思いつきました。

相性が悪い。
私と相性が悪いだけであって、あなたは悪くない。
むしろあなたの良さを見付けられなかった私が悪い。

よし、イケる!!

というわけで相変わらず前置きが長くてゴメン可愛くてゴメンだけど、今回は私と相性の悪い本の話です。



相性が悪い本=面白くない本、ではない

まず最初に注意点を。
これから紹介する作家・本は多くの人に認められている実績があります。
賞を取ったりベストセラーになったり、とにかく世間から称賛されている一流です。

大多数が面白いと感じる本であります。
ただ私との相性が悪いだけなんです。

何故相性が悪いのか、を自分なりに分析してみました。

※ネタバレを含みますので未読の方はご注意ください。
また、目次に好きな作家や本がある場合は無理に読まなくて大丈夫なのでスルーしてください。
貶めたり中傷するつもりは一切ありません。

全部あたいが悪いのよ



恩田陸「夜のピクニック」

第2回本屋大賞と第26回吉川英治文学新人賞を受賞している名作である。
まだ本屋大賞が創設されたばかりということもあり、かなり話題になった。
私も「本屋大賞か~、じゃあ読んでみよう」と軽い気持ちで読み始めたのだが。

拒否反応が出てしまった。

まず「歩行祭」という謎の行事が存在する意味が分からない
高校3年生が学年全員で夜の山中を行軍するという苦行。
何のためにそんな無駄なことするの?

そもそも下の毛も生え揃った年齢の男女がなんで夜中にホテルじゃなくて山に行かなきゃならないのか。
ちょっと理解できない。

「夜のピクニック」っていうタイトルからピンクな内容を期待していた私が悪い。

そしてこの行事に対して登場人物全員が何の疑問も抱かず参加しているという不気味さ
え、なにそれ怖い。

もしも私の通っていた学校にこんな行事があったら絶対にサボる。
多分「その日は彼氏とデートしてセックスしたいから休みます」とか先生に言って殴られてただろうな。
「そんな馬鹿な」とお思いになるかもしれないが、私は実際に「彼氏と離れたくないから」という理由で修学旅行をサボった実績がある。


【結論】

爽やかな青春を送らなかった私が悪い。



湊かなえ「告白」

押しも押されぬ人気作家のデビュー作。
何と言うか、陰湿さがちょっと私に合わなかった。

別に陰湿な作品が嫌いな訳ではなく、むしろ「イヤミス」と呼ばれるジャンルは結構好きなほうなのだが。
彼女の他の作品もいくつか読んで、露悪的な作風だなと思ってしまった。

これは湊かなえさんに限ったことではなく、私は女性を露悪的に書く女性作家がちょっと苦手なのだ。
「男は女を天使みたいに思ってるかもだけど、ほ~ら女はこんなに酷いことしちゃうんだよ。どう?びっくりした?」みたいな。

何故間接的に男性を傷つけようとするのか分からない。
もっと夢見させてあげて…。


【結論】

男性の肩を持つ私が悪い。



江國香織「流しのしたの骨」

彼女の文章との相性の悪さを説明するのはとても難しい。
あえて言うなら疎外感が原因だろうか。

読者は本のストーリーを覗いている部外者なので疎外されて当たり前なのだが、読んでいると別世界の話を聞かされている気分になる。
自分とは全く関係ない物凄く遠い場所で起こっていることだと感じてしまうので、全くストーリーに入り込めないのだ。

本を読んでいるはずなのに美術館で象徴主義の絵画を見ている感じというか。
綺麗な表現だということは分かるのだが、物語の中で起こっていることに現実味を持てない。
ちょっと上手い喩えが見付からなくてスミマセン。


【結論】

理由は分からないけど多分私が悪い。



相性は人によりけり

めちゃくちゃ言葉を選んで書いたつもりですが、もしも不快に思われたら申し訳ありません。
「単にお前の読解力がないだけだろ」と言われたら「そうです!スンマセン!!」と土下座する勢いです。

最後になりましたが、この記事を書くキッカケをくれた中島浮世さんに御礼申し上げます。

浮世さんありがとう〜!
また美味しい日本酒飲みに行こうね~!


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