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五反田デート日記

わざわざ五反田でデートをするカップルというのは少ないだろう。
東京に住んでいる人が「五反田でデートしてきた」と言われたなら「は?何で五反田?」と高確率で返すはず。

そのぐらい五反田というのはデート要素の少ない街なのだ。
お買い物エリアがあるわけでも映画館や水族館があるわけでもない。

じゃあ何があるかというとラブホが20軒程度ある
つまりそういう目的のデートをするため私達は五反田へ向かった。


私服に関する所見

当日の外気温は3℃。
いくらデートだからといってチャラチャラしたニットミニワンピースなんか着ていたら凍えてしまうと判断。
念の為ロイくんにLINEした。

「本当は可愛い服着て行きたかったんだけど、寒すぎるから防寒重視でもいい?」
「もちろん!でも下着は可愛いのだと嬉しいかな!」

まかせとけ!
下着と服の気合いの入れ方を9:1にして出発。

お昼に五反田駅で落ち合う。
彼の私服を見るのは初めてだったけれど、ラフなカジュアル服だった。

私は男性の私服に関してあまり拘りがないので「オシャレな服を着てほしい」という要望もない。
一見寛容なように思えるかもしれないが、要するに裸にしか興味がないのである。
たとえダサい服を着ていたとしても、その下にあるものを知っているのはこの場に私しかいない、という優越感があるので満足だ。

ただしスーツは別。
仕事の良し悪しにも関わるので重要だと思っている。
その点彼は普段めちゃんこカッコいいスーツを着ているので、私服がユニクロだろうとワークマンだろうと構わないのだ。


ランチ

相合い傘をしながら予約していたお店へ。
10分前に到着すると、まだ開店前だというのに行列が出来ていてビックリ。
予約しておいて良かった。

外でじっと待っていると寒さで身体が震えてくる。
「おいで。あっためてあげる」と彼が身体を包んでくれた。
こういうことを人前で平気で出来る人が私は好きだ。

ようやく開店し、店内へ。

プリフィクスコースを予約しておいたのだが「料理の選択もテーブル上のQRコードからお願いします」と言われる。
コースを予約した意味無いじゃん。

やたらとややこしいUIに苦戦しながら彼がなんとか注文を終える。

ブリのカルピオーネ


豚ロースのグリル


ボロネーゼ

全体的に悪くはないけど特別美味しいというわけでもなかった。
むしろ「ここまで行列するほどか…?」と疑問に思ってしまう。

何より店内が忙しすぎてサービスに手が回っていないのが気になった。
一体何の為のQRコードなんだ…。

というわけで店名は出しません。
2度目は無いと思います。


好奇心の塊

食後、ローソンで酒を買ってラブホへ。
先にシャワーを浴びて出てきたら、彼が謎の物体を手にしていた。

「見てこれ。オモチャ買っちゃったw」
「…何故これを選んだのか聞かせてもらっていい?」
「Amazonで1位だったから」

結果として、Amazonで1位になる実力の持ち主だったことを記しておく。
ランキングって大事。

2時間半でノルマの3発を達成した後、彼は「ヤバいめちゃくちゃ眠い」と寝始めた。

お疲れ様。
頑張ったね。

もう夕方だったのでシャワーを浴びて身支度を整える。

「ロイくん、先に帰るね。ここは19時まで居られるから休んでて」
「ごめん、寝ちゃった。ダメだよ、帰らないで」
「帰るよ。また会おうね」

1人でホテルを出た。


帰路

私は部屋に男を残して先に出てくることが割とあるのだが、ラブホから1人で出てくる女は結構ジロジロ見られやすい。
デリヘル嬢かパパ活か、みたいな視線。
残念、人妻です。

途中、エキュート品川に寄る。
青山フラワーマーケットで春のお花を買った。

チューリップは長く楽しみたいから蕾の物をチョイス


イベントスペースに期間限定でブリュレメリゼというお店が出店していて、夫が好きそうなお菓子だったのでお土産に購入。


帰宅して花の水揚げをし、夕食の準備に取り掛かる。

・鶏ささみの甘辛炒め
・桜麩のお吸い物
・菜の花の辛子和え

彩り的に卵焼きを添えればもっと春感が出たな、と反省。
夫は菜の花の辛子和えが好きなので200g作ったが、この1食だけで半分消費してしまった。
春はもうそこまで来ているし、私はすでに春だ。


ふいに訪れるメランコリー

ロイくんからLINE。

「19時前にホテル出たよ!ありがとう。今日一緒に居られて幸せだった」

ふと、私はあと何回彼と会えるのだろうか、と思ってしまった。
まだ始まったばかりで、行きたいところや一緒にしたいことを話している最中なのに。

何故か感傷的な気分になってしまう。
けれどそんなことを考えていてもどうしようもない。
だからマガジンを作った。

ここに彼との日々を記しておこう。
いつか懐かしく読み返せるように。
いつか忘れてしまわないように。


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