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ケイちゃん、金魚鉢の水を飲むの巻

常軌を逸したタイトルに目を疑われるかもしれませんが、お使いのPC・スマホは正常ですのでご安心ください。
様子がおかしいのはケイちゃんだけです。

さて本日はネイルサロンへ行ってまいりました。
というわけで毎度おなじみケイちゃんのお話です。
実はケイちゃんの彼氏さんも記事を読んでくれているそうなので、マガジン作っておきました。

彼氏さん。ケイちゃんは今日も元気にお仕事されてましたよ!
BDプレーヤーが壊れたらしいから修理に出すの手伝ってあげてね!



芸術家に恋して

これはケイちゃんの体験したちょっと変わった恋のお話である。

その昔、彼女は風変わりな芸術家と出会った。
芸術家というのは大抵変わっていると相場が決まっているが、その人は周囲に「仙人」と呼ばれていた。

私の経験上、あだ名が「仙人」になるやつは大体ヤベーやつだ。
実は私も過去に仙人と呼ばれる男と付き合っていたが、長いアゴ髭にいつもご飯粒がくっついていた。
でも体の相性は良かったんだよなぁ…。

という話は置いといて。

ケイちゃんは仙人の放つ独特な雰囲気に惹かれ、お家にも何度か招かれていた。
が、彼は決して下心を出さない。
自分の作品を解説しながら一緒にお茶を飲み、何もせずに帰す。

次第にケイちゃんは「もしかして自分は試されているのではないか」という考えに囚われ始めた。
何故なら仙人の生活があまりにも独特だったからだ。



ロゴを怖がる仙人

仙人は仕事の作業でMacBookを愛用している。
ご存知Appleのノートパソコンだ。
画面裏の部分には当然リンゴマークが描かれている。

が、仙人はリンゴマークにガムテープを貼ってロゴを隠していた
気になったケイちゃんは、ある日思い切って訊いてみたのだ。

「あの…。どうしてテープを貼っているんですか?」
「ロゴはね、パワーが強いから。こちらの気を吸い取られるんだよね」

ケイちゃんは思った。

なるほど…。

何が?

…いや「なるほど」じゃねーよ。
どういう理屈だよ。
全然分かんねーわ。

他にも仙人はあえてシャワートイレを付けず旧タイプのトイレを使用していたり、「TVは見ない」と言っているのにリビングには大型のTVが置かれていた。
こだわりが強いというかクセが強いというか…。

そして極めつけが彼の日課・金魚水飲みである。



金魚の水を飲む仙人

仙人は金魚をこよなく愛している。
自宅の水槽に赤・黒・金の3匹を飼い、時々話しかけるなどしながら餌をやっていた。

そして彼は毎日水槽の水をコップに入れ、それを飲んでいたのだ。

ケイちゃんはそれを眺めて思った。

不思議な人だなぁ。

大丈夫?

ちょっと待てぃ!
どう考えてもドン引きだわ。
ドン引き案件だわ。

私ならその時点で、いや、ロゴマークの謎の力に怯えている時点で玄関まで走って行って自分の靴を引っ掴んで裸足で逃げ出してるね。
ケイちゃんの危機管理センサーぶっ壊れてないかい?

そしてついにその日がやって来る。
いつものように金魚水を飲む仙人を見つめていると、彼がふいにこちらに気付いてにっこり笑った。

「ケイちゃんも飲んでみる?^^」



金魚水には手を出すな

ケイちゃんは常々感じていた。

私に振り向いてくれないのは、きっと彼がまだ私を認めてくれていないから。
彼のスタイルに沿える女かどうかを見極めている最中なんだ。

そ、そう…?

恋は盲目である。
もはやケイちゃんに「断る」という選択肢は存在しない。

「あ、じゃあいただきます^^」

飲んだ。
金魚水を。
飲んだ。

「うん。意外と…。飲めますね!」

調べたところ、世の中には水槽の水で焼酎を割って飲む人もいるそうだ。
飲んだからと言って直ちに体に影響は無いかもしれない。
しかし金魚の水を飲むということは、人としての一線を越えるのと同義と考える。



ケイちゃん異世界人説

ロゴを隠し、冷たい便座に耐え、金魚の水まで飲んだにも関わらず彼女の恋は実らなかった。
どうやらハンター試験よりも厳しいらしい。

最後にどうしてもお伝えしておきたいことがある。
今回の「金魚水を飲んだ」というエピソードにドン引きした私に対して、彼女はこう言った。

「え?金魚の水を飲むってヤバいことなんですか??」

そんな異世界人かもしれないケイちゃんが生み出した素敵なネイルです。

アーリーサマー・グレージュ



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