「諦めること・手放すこと」
　今、この二つが浮かんできた。ちょうど年末から大事にしてきたものを少しずつ減らしているところで、プレ終活のような事を考えていた。
　例えば、この歳でこんな内容の漫画を読んでいるのはどうなんだろう？と思ったものから減らしていこうと思い選んだり。
　推しのグッズも、そのうち然るべきところへお嫁に出しに行こうかなと検討中。今の自分には不要だと思ったものからサヨナラしようかと考えている。
　この先も1人で生きて行くとなった時、何かあった時に見られたら気まずいものは、今のうちから処分しておきたい。
　あとは楽しいと思えなくなったから、というのもある。「楽しみを見つけなさい、笑いなさい」と言われても、今の自分にその余裕はない。心の余裕を持てと言われても、毎日お金の心配ばかりで暖房すら使うのを躊躇う生活をしているのに無理なのだ。
　その結果、元旦から毎日泣き続けている。元旦に実家の家族が祖母宅へ行くというので顔を出しては見たが、ここから帰れば1人になるんだと思ったら寂しくてずっとダンマリ決め込んだ。そもそも家族がテレビの話題で盛り上がり、そのネタを振られても私はテレビがない生活をしているため会話についていけない。父親は一切私の顔を見なかったし、私も会いたくなかったからそこはいいが、母親とは話をしたかったのに、話すことができなかった。
　早めに切り上げて帰ろうとした時も、母親の顔を見れなかった。見たら泣く自信があったからだ。ひねくれた言葉しか言えなかった。帰りの電車内で、涙がずっと止まらなくて泣きながら帰った。
　実家にもこの翌日に一瞬顔を出しに行ったが、その時はもう涙が堪えられなかった。玄関先からもう私の知らない実家の日常があって、それ以上踏み込めなかった。改めてもう私の居場所ではないと感じてしまった。本当は帰りたい。けど、それを許してくれない何かがあった。本当は母親に褒めてもらいたかった。頑張ってるねって抱きしめて欲しかった。この歳で何を言ってるんだと思われるかもしれないが、子供の頃我慢した母親の愛情を、今になって求めてしまう。
　それから今日まで、不意に訪れる孤独感に耐えられず声を上げて泣きそうになる。メンタルが完全に崩壊状態。仕事を始めればスイッチが入るのでおそらく平常心でいられるだろう。仕事が始まれば始まったで色々疲弊するだろうが、それでもこの1人でいることしかない空間から逃げられる時間が増えればいいと思っている。