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【サボタ日記 36鉢目】青いというか紺碧くらいに真っ青だったあの頃の自分へ

#社会人1年目の私へ

新入社員合宿のために、大荷物を抱えて秦野のロータリーから乗り込んだバス。

朝焼けに浮かび上がる富士山。

早朝の凛とした空気。

ナイス橋本のキンミライを聴きながら降り立った仙台駅の新幹線のホーム。

旧仙台支店の喫煙室に押し込められたホワイトボードと、薄く開けた窓から外へ向かって吐き出したタバコの煙。

真っ黒に凍ったアスファルト。

芋焼酎で流し込むもつ煮と焼きとんと葉わさび漬け。

テキーラで朦朧としながら、地下にあるダーツバーの階段を登った先にある早朝の太陽の眩しさ。

はなの舞のとんぺい焼きと茄子の一本漬け。

街灯ひとつない夜の山道。


***


社会人1年目の風景たち。
思い返すと背筋が伸びるというかなんというか。
とってもとっても苦々しい気持ちになります。

空回りばかりで仕事のやり方も全然わからなくて。
でも、早く大きな仕事をやりたいって思っていて。
メールひとつ返せないのに、根拠のない自信ばっかりあったあの頃。
思い出したら恥ずかしいというか、恥ずかしいっていう言葉では全然足りないくらいに赤面しきりなことばかりで。

でも、当時は当時なりに一生懸命戦っていたなとも思うというか。
たまたま仙台で一緒に飲んだ中学の同級生に、どんな仕事をしているか軽く説明したら、「そっか、ちゃんと社会に揉まれてるんだね」って言ってもらえたのが、妙に記憶に残っていて。
きっと、その一言をずっと言われたかったんだろうなって、今ならわかる。
がんばっていたんだと思う。
うん、がんばっている自覚もないくらいに。

いやー、それにしても。
新入社員の頃って、なんであんなに根拠のない自信があったんだろう。
謎すぎる。
デカいことやってやるって思ってたもんなー。
目の前の仕事をコツコツと積み上げていくことでしか道は開けないのに、なんでこんな小さなことばかりやってるんだろうって焦ってばかりで。
苦しかったなー。
うん、苦しかった。
自分のやっている仕事のひとつひとつが、誰にどんな風に役に立っているのか、全くわかってなかったし、誰に聞いても答えてくれなかった。
で、それを会社や先輩たちのせいにしてた。
自分がどうやって役に立っているか。
自分でお客さんに聞いて、自分で見つけるしかないし、そんなの誰かに教えられるものでもないのにね。

「わからないので、教えてください」

この一言が言えるようになったのも、随分時間が経ってからだったと思う。
根拠のない自信にすがって、見栄を張って、お客さんに聞くべきことも聞けずに迷惑かけて。

…うん、書いていて気がついたけれど、そこを直せるようになってきたの、つい最近かもしれない。
丸12年経って、転勤も転職もして、信頼できる人とたくさん対話して自分を見つめて、苦しみ抜いた末に、やっとこさ糸口が見つかる程度なのかもしれない。

誰に向けて書いているのかもわからなくなってきてしまったけれど。

我慢することと成長することを履き違えずに、好きなことだけを、好きなようにやっていったらいいと思う。
その中で、いろんな人からいろんな激励をもらうことになると思うけれど、そこも含めて、自分と周囲を擦り合わせていけばいいと思う。

自分のやりたいことに比して、地味で小さな作業ばかりでうんざりするかもしれないけれど、そこもきっと、楽しめるようになるから。
自分をうまいこと手放して、いい意味で諦めながら、笑顔で仕事をしていけばいいんだと思う。

自分は何者でもないし、でも、何者でもないからこそ、なんにでもなれるから。

がんばらなきゃって思ってるかもしれないけれど、がんばれていない自分も含めて自分だし、周りの人は案外みんなわかってるよ。
自分の居場所をつくるのは、自分。
その意味を、これからも考えていこうと思う。
誰かの期待に応え続けるんじゃなく、それが最終的に認められようが認められまいが、自分の感性と努力と人間性を信じて、怖いかもしれないけれど信じてみて、好きにやってみてください。

自分のことを信じてね。

とても怖いかもしれないけれど、信じてみる価値はあるから。
本当の意味で信じてくれている人も、世の中にはいるから。
そこにちゃんと目を向けて、真の意味で期待に応えていってください。

12年前の僕へ。


***


さてさて。
来週はGWで程よく仕事も詰まっていないので、自分のやりたいことを追い求めながら笑顔で行ってこようと思います。
平成最後の終末な週末をお楽しみくださいませ。

それではまた来週。

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