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言葉の旅〜③jewel

とあるネーミングを考え中。

好きなもの、お気に入りのものをたくさん詰め込んだ箱。宝箱。宝石箱。モノに限らず、人とのつながりとか、思い出とか、理想や憧れとか、すべてはキラキラ光る宝石みたいなものだと思う。

そういえば子どもの頃って、ちょっとかわいいクッキーの空き缶なんかに、お菓子のオマケの小さな人形とか、友達にもらったシールとか、旅先で買ったキーホルダーとか、ごちゃごちゃとしまい込んでいたっけ。そんなことも思い出す。

「宝箱:treasure box」だと、どちらかというと「財宝」というイメージが強い。ドラクエとかONE PIECEに出てくるような、金銀財宝が入った大きな箱。

「宝石箱:jewelly box」は、いろいろなキラキラしたものが詰め込まれた、両手で持てるぐらいの箱。見た目も中身もワクワクするイメージ。
一粒ずつ味やデザインが異なるチョコレートがきれいに並んだ箱、みたいなイメージも近い。
開けた瞬間「わぁー!」と感嘆の声が漏れて、目がハートになっちゃうような。

「jewelly」とは個々の宝石を意味する「jewel」の総称であり、「jewel」の語源を辿っていくと「jocalis」というラテン語で「遊び」という意味を持つ。

「jocalis:遊び」→「jocale:喜びをもたらす」となり → 身につける装飾品 → 宝石という意味を持つようになったそう。
「joy:喜び」「joke:冗談」という単語も「jocale:喜びをもたらす」から派生している。おもしろい。

ワクワクが詰まった宝石箱、それはまさに自分だけの遊び心や喜びがたくさん詰まった大切なスペース。
心から湧き起こる目に見えないキラキラとした喜びと、磨き上げられて光り輝く装飾品としての宝石と、同じイメージを重ねた先人たちの感性は、とても人間らしくて美しい。

言葉から連想されるイメージを次々と自由につなげたり、まったく別々のものから共通するイメージを汲み取ったり。点と点が線になって、さらに輪になって、ぐるぐると回りながら、ゆらゆらと漂い、また新しいなにかに出会う。
この「回遊的思考」のようなものは、まさに人間らしいセンスで、きっとまだしばらくAIには真似できないと思っている。

心も頭もやわらかく。軽やかに、自由に。

※こういう話になると、国語辞典や英和辞典ではまったく情報が足りないので、語源辞典なるものの購入を検討中。

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