不倫で負けた女、不倫でも勝った女~豊田真由子、金子恵美、中川郁子と山尾志桜里

10月22日の衆院選は、自民大勝に終わった。選挙前の世論調査を行った報道各社のデーターによると、国民の関心が高いといわれていたが、台風21号の影響もあって、投票率がワースト2と報道された。でもあの悪天候で、投票率が最低にならなかったことは評価に値すると思う。私は午後に投票場に向かったが、雨にも関わらず、いつもより投票場には多くの人がいたと記憶している。

自民圧勝と同時に「憲法改正」をのたまう自民党って、どうよ?と突っ込みたくなるのは私だけではないでしょう。

選挙中に、あなた方は「憲法改正」を言わずに、消費税を教育費につぎ込むとか、口当たりの良いことばかり。勝てばなんでも許されるというのは、あまりにも節操がない。子供たちの目には、こんな大人たちがどんなふうに映っているのだろう。どこかの番組で、子供インタビューをしてほしい。もはや大人の厚顔無恥を指摘できるのは、子供しかいないかもしれない。

さて、衆院選で気になったのは、選挙前にスキャンダルとなって、苦しい選挙戦を強いられた女性たちだ。

選挙は闘いだから、負けることはできないのはもちろんだが、

自らのスキャンダルを払しょくし、出直すための禊ぎには、選挙で勝つことが、最大の効果がある。リセットを形にする上でもね。

「このハゲ~」と秘書を罵倒したパワハラ議員、豊田真由子の禊ぎは、苦戦を強いられた。

無所属だから、比例もなく、一発禊ぎ選挙も、投票数最下位という惨敗。

会見では顔をゆがめて泣き出したが、「こんな私を応援してくれて」といった言葉は彼女の本心のように聞こえた。

東大、ハーバード大という高学歴に、厚生省を経て当選し、内閣府政務次官とすごいキャリアを持つ彼女は、実は自信のなさを上から目線で見下すことによって、バランスをとっていたことが想像できる。

まるでカタログに掲載されているようなほつれ髪一本もないヘアスタイルに、ピンク色のスーツをきっちりと着こなす豊田議員のファッションは

まるで武装をしているように見えた。

かつて豊田議員のようなファッションの女性と仕事で関わったことがある。

元新聞記者で、独立して不動産や住宅関係のジャンルで経営者となったが、権力者にはこびへつらい、一般の人を卑下していた。

きっちりくっきりメイクも、すべてが武装に見えたのは、生きていく自分に相当自信がなかったからだろう。

それ以来、女性の精神状態とファッションには深いつなりがあると考えるようになった私です。

脱線しましたが、どん底にたたきつけられ豊田氏は、彼女なりに地獄を見たと思われるけど

そんなときも応援してくれる人が、真の味方だと気づいたことでしょう。貴重な経験をしたと思います。

人生にとって、何が大切かを頭のいい人だからわかったことでしょう。今後は政治家でなくてもいいから、実践していただきたいですね。

それから「ゲス不倫」宮崎議員の妻、金子恵美の落選。

今年6月、長男を保育所に送迎する際に公用車を使用していたことが週刊誌で批判されると、ルール上問題はないものの本人が今後使用しないという形で決着したが

なんだかしっくりこなかった。

妊娠中に、夫が不倫していたのを許す妻もいるかもしれない。出産した夜に、夫の不倫を知ったという苦しさには同情する。

でも「子供のため離婚しない」とう弁明はいささか説得性に乏しく、

「バツイチになりたくないんだよね」という反感を買ってしまうことになり、当の夫がイクメンだとアピールしても、リアリティがなかった。

そんな中での無所属の菊田真紀子氏に負けたのは、夫のゲス不倫が災いしたという一部報道もあるが、

でも落選の理由は、それだけでないだろう。

中川郁子と山尾志桜里を比較すると、勝負の要因がはっきりわかる。

中川郁子は、中川昭一元財務相の未亡人、夫は農林水産大臣、経済産業大臣、財務大臣、内閣府特命担当大臣(金融担当)を歴任という凄いキャリアだが、泥酔という不祥事で政治家の生命が危機にさらされたときに、不慮の死を遂げ、

中川郁子は夫の死後、自ら政治家となった。

夫が生きていた頃、カバンを手渡す様子の写真から「いい奥さん」という印象だった。

ところが15年に週刊新潮が六本木で路チューしている中川郁子を激写。

相手は、自民党の同僚、門博文衆院議員。既婚者だった。

中川氏が議員一期生なのに、農水政務官に抜擢されたのは、安倍晋三が夫の故・中川氏と懇意だったからという。夫の七光りだけで実績もなく、天狗になっていたのだろう。

潔く政界から身を引けば、今回のような惨敗という醜態をさらすこともなかったと思うが、

この人には「潔さ」がなかったのかもしれない。

でも夫の無念を晴らそうとした気力は凄い。そのパワーを有効活用してほしかった。

さて山尾志桜里。

解散直前に、既婚男性とのW不倫が報道され、民進党の新・幹事長のポストを目前に離党。

不倫報道から一か月後に、まさかの解散総選挙。想像もしていなかっただろう。

当然、無所属で選挙活動をし、愛知7区ではまさに背水の陣だった。

でも彼女は、走り続け、そしてはつらつとした口調ではっきりと訴えた。

「今回の選挙で、国会にも総理にモノ言う議員が必要だと。

みなさんの思いを国会でぶつける声が必要だと。そう思っていただけるのなら、山尾志桜里を使ってください!」

 

演説で不倫疑惑に触れることはなかった。

否定しているのだから、あえて持ち出す必要はないという判断だ。その姿勢は一貫していた。

不倫に関して、誰もが彼女をシロだと思ってはいない。

それでもあの出来事を墓場まで持っていくという覚悟と気概が彼女に満ちていた。

勝利インタビューを見ながら、やはりこの人は強いと唸った。

一人でちゃんと立っていける女性だ。彼女の強さは生まれつきの資質なのか、それとも親からの教育の賜物なのか。とにかく強い女性が、今の政治に必要不可欠だ。

禊ぎを終えた彼女は、さらにパワーアップしてもらいたい。

きっと一度の過ちを赦してくれた有権者に感謝しながら、期待に応えて、倍返しをしてくれることだろう。強い女は蘇るのだ。

今回の衆院選でスキャンダル議員たちの勝敗を決めたのは、何だろう。

山尾議員は「保育園落ちた、日本しね」という母親のブログを取り上げ

待機児童問題を安倍晋三にたたきつけた。

真正面から物おじせず、主張を述べ、スキャンダル報道の前には、政治家として一定の評価を受け、結果を出してきた。

一方、豊田氏や金子氏、中川氏はどうだろう。一言で言えるような誰にでもわかる結果を出してきただろうか。

結果を出す。

これこそスキャンダルをはじめ、マイナス要因を払しょくさせる最大の秘訣だ。

アメリカのワーキングウーマンの出産率は、40歳以上が高く、それゆえ不妊治療が進み

代理出産に対する考え方が進んでいる。

理由は、働く女性が復職するために、40歳まで結果を出し続けているからだ。

キャリアがあり、結果を出している女性はブランクがあっても、復職できる。

そんな現状がアメリカ女性にはある。だからこそ、彼女たちはよく働き、そして優秀だ。

結果を出すには、日ごろの努力はもちろん、自分のビジョンを見つめる冷静さも求められる。

それは仕事に限ったことではない。

恋はもちろん、人生の活性剤となるが、

恋を成功させるためにも、結果を出せる女性であってほしい。

衆院選で勝敗をわけた女性たちは、あらゆる面で良い手本だと思う。

私も様々なことを考えさせられた。

勝つことが目的の衆院選。本当にお疲れさまでした。



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