今まで何人と付き合ったのか明確ではないが、何人かとたまに連絡を取る。
よくわからないタイミングで、「元気か？」って安否確認をしてくれるのだ。
直近で別れたのは、およそ1年前。
元カレという枠になってから久しい。
喧嘩別れというか、怒られて相手に嫌われて別れるに至った。
相手から「もう2度と会わないようにしよう」とまで言われるくらいには怒らせたらしい。
私は逆ギレしそうになるのを堪え「今までありがとう、楽しかった」と返事をしたところで彼との連絡は途絶えた。
しかし、ある時急に連絡が来た。
私がインスタのストーリーで人間関係についてメンヘラ激おこぷんぷん丸をしていた時のことだ。
もう2度と会うことも、連絡を取ることもないだろうと思っていたので、正直びっくりした。
それからしばらくして、私の地元で彼と飲むことになった。
私は居酒屋と、ゲイバーを案内した。
居酒屋の方は、やさぐれてるけど真っ直ぐでHIPHOPなんかが好きそうな若い子が集っているお店だ。彼はそこの雰囲気を気に入ってくれた。
問題はゲイバーだ。
普段は誰かを連れて行くと、その人とどういう関係なのかをお店の人に紹介している。
ただ、今回は元カレという特殊な関係だったので、一切説明せず普通に溶け込めるように雑談だけするよう努めた。
そしたら店の人が勘付いて「あんたが好きって言ってた人？」と彼の目の前で言い放ったのだ。
こんな気まずいことあるだろうか。
その時の彼の顔はいかにも、
「へぇ〜そんな俺のこと好きだったんだ」
とでも言いたげだった。
彼が俺様気質なのを忘れていた。というか、元カレのほとんどが俺様気質だ。
悔しさと恥ずかしさのあまり、私は話を違う方向へ持っていくのに必死だった。
そして彼とバイバイしてから、再び私たちは連絡を取っていなかった。
だがしかし、昨日急に電話が来た。
「◯◯ってインスタ投稿してなかったっけ？」
そんな事を確認するためだけにわざわざ電話をかけてきたのだ。　
こんな事のために電話するようなタイプじゃないのを知っているので、嫌な予感がした。
もしかすると、未だに未練があると勘違いされているのではないか？釣ろうとしてるのでは？と。
あのゲイバーで言われた一言の衝撃は、彼にとって割とデカかったと思う。
私は普段恋愛的に好きな人へ好きと言わないし、態度にもあまり出ない方だからだ。
私の第六感が「彼は私が縋るのを待っているのよ」と囁いてくる。
けれども同じ人に2度恋する経験をした事がないので、縋ることはない。
久しぶりに会ってみて楽しかったけれど、どこかバツが悪かった。
きっとこの違和感は、やがて大きなすれ違いを生むことになってしまうだろう。
私はもっと自由に自分のペースで交流を広げ、フィーリングが合う人を探していきたいと改めて思った。
だって地球には約40億もの男性がいるんだし、まだまだ出逢い足りてないの。
ちなみに彼は女性も好きなので、誰かと結婚したら式にお呼ばれしたいなと思ってる。