『ラオスにいったい何があるというんですか』その答えを求めて旅に出た
「ラオス」と聞いて、どんなイメージを持つだろうか?
タイやベトナムなどの他の東南アジアと比べて、ほとんど知らない、という方が多いのかもしれない。実際、私もそのうちのひとりだった。
しかし、ラオスに行ったことのある旅人が口を揃えていう「ラオスには一度行ってみてほしい。うまく言い表せないけどすごく素敵なところ」という言葉。
そして、過去にはニューヨーク・タイムスで「世界で一番行きたい国」にも選ばれたことがあるという。
「ラオスのなにがそんなに人を惹きつけるのか」気になった私は、ひとりバックパックを背負ってラオスに飛び立った。
ラオスは一体どんな国?
ラオスは、ベトナム・カンボジア・タイ・ミャンマー・中国の5ヶ国と隣接し、ASEAN唯一の内陸国。
海には面していないものの、ラオスを縦断するように流れるメコン川や山の恵みなど自然の恩恵を受け、人々が昔ながらの生活を送っている国である。
今回私が訪れたのは、ラオスのルアンパバーンという古都。
ラオスの北部に位置し、1995年に街全体が世界遺産に認定されていて、日本の京都のようなイメージだ。
日本から直行便はないものの、タイのバンコク経由かベトナムのハノイ経由で6〜8時間と比較的容易に行くことができる。
ゆったりと流れる時間の心地よさ
ミャンマーのヤンゴン空港を出て、バンコクを経由し、ラオスのルアンパバーンに降り立った私が一番最初に感じたのは、流れる時間のゆっくりさ。
ここでは、どのタイミングで渡っていいのか分からないバイクの混雑もなければ、威勢が良すぎてちょっと引いてしまう客引きもいない。
朝はニワトリの鳴き声で目が覚め、日が昇るのに合わせて少し川沿いを散歩する。日中の暑い時間には昼寝をするのもいいし、少しオシャレなカフェに出掛けてパソコンを開くのもいい。
日暮れに合わせてナイトマーケットがオープンし、どこからともなく人が集まってきて、食事を取る。
そんな川の流れに身を任せたような時間の過ごし方が、何とも言えない心地よさを感じさせてくれた。
日常の中にある豊かさ
ルアンパバーンの朝は早い。
というのも、仏教信仰の強いルアンパバーンでは、まだ薄暗く静まり返った街中を僧侶たちが練り歩き、生活に必要な最低限の食糧などを乞う托鉢が行われるからだ。
そんな僧侶にお供物をし、功徳を積もうと老若男女が朝早くから集まってくる。
そして托鉢が終わった頃には、朝のマーケットの始まりだ。
野菜や香辛料はもちろん、肉(リスやイタチ、小鳥などの小動物も)や魚、卵までも採れた状態のままで並んでいることが多く、食事するには「命をいただいているんだなぁ」と感じさせられる。
地べたに座って販売しているおばちゃんは、隣のおばちゃんやお客さんと談笑していて、商売しているというよりは、自宅の縁側に友達が遊びに来た、くらいのテンションだ。
そして夕方になるとまたナイトマーケットに人が集まってきて、みんなの食卓と言わんばかりに、観光客も地元の人も屋台でごはんを食べる。
こんな感じで1日が過ぎるルアンパバーンでの日常は、「目の前にある時間や命に感謝し、自然とともに暮らしていくこと」の大切さを教えてくれる。
村上春樹の著書である、『ラオスにはいったい何があるというんですか?』
その本に対する私なりの答えは、
人によっては何もない、と感じるかもしれないし、別の良さを感じるかも知れない。その答えはぜひラオスに足を運んで探してみてください。
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