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ノートルダムドパリ 2022版


Fantasy on ice 大千秋楽、エコパアリーナで大変なものを見ました。

羽生さんの「ノートルダム・ド・パリ」。

とりあえず一旦文字にしてあの時の記憶を記録しておかないと映像を見返せないな、と思ったのでnoteを開きました。そろそろ映像みたい…

一回まあいいや見ちゃおうかな、って映像を見ようと思ったんだけど、羽生さんがリンクに上がる寸前で止めてしまいました。まだ記憶を上書きしたくなかったので。


大千秋楽、何かアンコールあるかも〜?とは思ってたけど何やるのかさっぱり予想はついてませんでした。

レゾンを滑り終わった羽生さんが引っ込んで暗転したから「今年はないのか〜」なんて思ってた。(この時点でステージの譜面台セッティングしてるのでアンコールに気付かれた方多かったみたいですね…)
完全に油断してました。

NAOTOさんのヴァイオリンでフレーズが奏でられた瞬間、なんか凄いことが始まる気がして鳥肌が立ちました。いまから凄いもの見ちゃうかも、目の前で伝説が生まれるかもって震えた。
始めの数小節はなんか聴いたことあるなあ…くらいで分からなかったのですが、だんだん分かった。


「あっこれ、ダムパリだ…」ってなった瞬間、お隣さんが嗚咽をあげて泣き出しました。
それまでそのお隣さんとは言葉を交わしてなかったのですが、あ、この人もあのダムパリを知ってるのか…って思ったら急にわたしも何故か泣けました。
だって、羽生さんが18歳の頃の話、まだ五輪チャンピオンはおろかワールドチャンピオンですらなく、てっぺんを目指して必死に踠いてた10年も前の話。

お隣さんだけではなく、メロディーを聴いたら泣き始める人が私の周りには続出していて、こうしてアリーナにいま集ってる人々がそれぞれの場所で羽生さんを見守ってたんだな、とか同じものを見てずっと大切にしてきたんだな、って思ったら無性に泣けてしまいました。羽生結弦さん、本当に愛されてるな〜〜って。
羽生さんの「ノートルダムドパリ」は多分あの会場にいた羽生オタにとって、日本人における桃太郎並の知名度だったと思うんです。リアルタイムでは追ってなくても、後から動画で見たり当時のことを調べたり。
そんな伝説のお話を、宝箱からそっと出して我々にまた見せてくれました。しかも現代版で。


NAOTOさんのヴァイオリンに新妻聖子さんの歌声が加わると、いよいよもう現実のものとは思えなくなってきました。「Fantasy on ice」ってこのことか!と。
本当にリアルな夢を見てるのかもって思った。

そしてステージ奥に羽生さんの姿が見えた時、まじで手という手、足という足、四股が震え始めました。それはそれは壮絶な美しさで、羽生結弦さんの美しさにはまあまあ現地観戦を重ねてちょっとは耐性ついてたと思っていたのにまるでダメでした。

オーラがすごい、レゾンと同じ衣装なのにまったく違う衣装に見える、なんだったんだあれ、、、

新妻さんと舞台で掛け合いをしているとき、羽生さん、舞台も似合うんだ……って驚いた。新妻さんは歌いながら、歌詞を口に出しながら演技しているわけだけど、羽生さんはそれに身一つで応える。言葉も音も出せないのに全く負けていませんでした。

羽生さんがあそこで演じてたのはカジモド?(以下ノートルダムドパリのお話に関する知識全部あやふや)なのかな?
新妻さんに縋るような振り付けが印象的だった。



私は舞台上がこの世でエスメラルダの死を嘆くカジモド、リンクの上が天国での幻想世界だと感じました。

醜いカジモドは1番真っ直ぐで純粋な愛をエスメラルダに向けつつも、現世では報われることはなく、、とかいうなんとも切ない話。

十字をきってリンクに飛び込んだ羽生さんは、現世の醜い姿から解放されて真っ直ぐで穢れのない心だけが残ったカジモドの姿に見えた。
切ないんだけど、それに勝るような多幸感が見えました。

リンクに上がった瞬間、すごく幸福そうに、本来の居場所のように見えたんですよね。それは羽生さんがフィギュアスケーターだからとかいう単純な意味ではなく、カジモドとして本当のカジモドの美しい心に見合った美しい容姿を得た姿というか、、容姿から開放された姿というか、、。


私の記憶のなかの自由を得たカジモドは、ちょっと北京五輪の練習リンクでの羽生さんの姿に重なってます。
試合から解放されて過去のプログラムを滑っている姿。
羽生さんのスケートは雄弁だなあと思いながら見ていました。



氷の上がいつまでも羽生さんにとって自由な場所でありますように。
その姿をもし我々に見せてくれるなら、本当に幸せです。


なんか締まらないけどダムパリ感想【完】
やっと映像見られるぞ〜

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