小池 菜摘

1986年大阪府生まれ/岐阜県中津川市在住の写真家兼業農家。Gazing life a…

小池 菜摘

1986年大阪府生まれ/岐阜県中津川市在住の写真家兼業農家。Gazing life and living a time.

最近の記事

いろんなわたしたちを抱きしめて生きる

近頃、様々を整理して、次にすすもうとしている。 というよりは、そうしないと一歩も前に出せないぐらいには絶望していた。 自分が命を燃やして誰かの事業を行うことに、最早興味すらなくなった。 こうして終わっていくのなら。 こうして、意思のないままにはじまり意思のないままにやめていくのなら。 意思のあるところに自分の意志を重ねて、生きているほうがよほど、金を稼ぐことよりもたいせつだからだ。 私の価値観は極端で、最終的には金銭的な対価が発生することによってその社会的価値が認められる

    • 誰かの遺影になるたびに

      撮影するということには、その場を一緒に過ごした責任が在る。 次の日に。 またつぎの機会に。 その目の前の命がなくなることなんて、よくあることだから。 何十億も人間がいて、人間を撮ることに命をかけていて じゃあそのひとたちに次がないことぐらい、わたしにだってわかっている。 誰かの遺影になるたびに わたしは小さく胸を張る そうして誇りを高くして、命に祈る。 明日生きられるかもしれないことを また誰かの生きた姿を残せるかもしれないことを あなたのおかげだ、と感謝する。 そ

      • あのとき彼らの言ったこと

        雑記。 2012年7月、うつ病あけに大阪でプロカメラマンになった。 宣言しただけ。今日からプロです、お金もらいますよ、と言っただけ。 その時点で20年以上フィルムでしか写真を撮ってこなかったから(旅行にいくときは母のCanon EOS kiss?を借りていってたけど)、当然フィルムでしか自分の写真を撮れなくて、デジタルを買ったけどしっくりこなくて、これで何がプロなもんかと思いつつ 自分の写真は好きだった。自分なら、自分の写真にお金を払う。だからきっと払ってくれるひともいる

        • わかれのことば

          2018年9月6日、ひとりの女の子が死にました。 たくさん、災害が起こって わたしはそのひとつひとつに心を痛めるという当たり前でかつ温かい感情を持ち合わせず生きて 死ななくていいひとが死ぬという中。 そうやって世界が入れ替わっていく度に 終わらない明日を思うのです。 彼女の選んだ道を、わたしはかつて歩みました。 少し行ったところに大きな穴があいていたので、落ちてみました。 とても静かで、あたたかくて、そこにいることに決めました。 あなたの前にこの穴があったとしても、きっ

        いろんなわたしたちを抱きしめて生きる

          なにもない、という贅沢のはなし

          今日、なにもない、場所に行った。 空と陸が、つながっていて。微生物を感じて、そして雲に祈った。 大変な衝撃、というか。 なにもないことへの憧れったら相当なものだと思い出した。 そもそも、ここには、なにもない。 そうした場所を死ぬ場所として選んで、孤独感に苛まれる日々を脱出するための今だったことを、わたしはきっちりと、思い出したのだ。 わたしにはもう、そりゃあもう、なにもない。 キャリアも、お金も、知名度も、時間も。なにもない。 あるのはただただ幸福だということだけだ。 そ

          なにもない、という贅沢のはなし

          サイコパスの居場所。

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          サイコパスの居場所。

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          向き合い

          model : 寺田 賀代后 彼女の言っていることばで説明が欲しかったし でもそれすらも意味がないと感じていた。 ただ心配で、ただ不安で。 自分の身に降り掛かる事は無いと言い切れるほどの衝撃的な時間を、彼女はやり過ごしてそれでもちゃんと生きていた。

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          写真展 #019 nono-no

          2017.3.19-26 @ siroiro gallery (大阪市黒崎町) 今までお知らせばかり書いて来たnoteですが、ちょっと言葉をね すこしばかり大切にしようと思います。 褒めてくれるひとがいるからね。 さて、19回目の出展となった写真展「nono-no」が終了しました。 こういう、ひとりの被写体を何人かのカメラマンが撮ったよ、という写真展は「美しすぎるSE」こと内海はるかの展示以来2回目でした。 2回やって思う事はわたしの写真ってやっぱり変なのだなあというこ

          写真展 #019 nono-no

          news @ 20170114

          新年最初の展示が決まりましたのでお知らせです。 「小池菜摘が撮る種子島とお菓子」 2017年1月18日(水)〜2月28日(火) 9:00-19:00 恵那川上屋 咲久舎 可児御嵩インター店 会期中無休 入場無料 先日、ご依頼頂き種子島へ渡り、6日間に渡って撮影した写真の中から 風景写真を中心に恵那川上屋さんセレクトで展示してくださいます。 一時は人物写真家として名乗っていた私が、まさかこんなに早いタイミングで風景写真の展示をしていただけるようになるとは。 草木に命を見て

          news @ 20170114

          news @ 20170103

          あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 早速ですが先日恵那川上屋さんからのご依頼で種子島にて撮影をさせていただきましたが、その一部がオンラインショップのトップバナーの中で使われております。 恵那川上屋オンラインショップ 種子島フェア 今年はたくさんリリース情報を出して行ければと思っておりますので、引き続き応援して頂けたら励みになります。 何卒よろしくお願いいたします。

          news @ 20170103

          news @ 20161223

          諸々お知らせが遅くなっておりますが… 今年も月刊Nartを12ヶ月間毎月発行する事ができ、これで2年間続いたことになります。 過去ご購読頂いた皆様のおかげです。本当にありがとうございます。 来年ももちろん、毎月発行してまいります。 月刊Nartは主に新作発表の場として。それから、コラムや企画などを通じてふつふつと湧いてくる写真愛をカタチにする自費出版の冊子です。 A4サイズフルカラーで16ページあります。 開催中の写真展「リアルポートレートNAGOYA2016」会場にてお

          news @ 20161223

          news @ 20161110

          恵那川上屋さんで10日前後から全国店頭または郵送にて配布されております冬カタログの写真の一部撮影を担当しました。 「人を撮る」ことにこだわって気がつけば4年が経ちました。 今回「人を撮るなら小池だろう」という意図でご依頼を頂いた事、心から嬉しく思うと同時に、ますますこだわっていこうと決意した次第です。 お近くの恵那川上屋店舗でお見かけの際は是非お手にとってご覧下さい。

          news @ 20161110

          news @ 20161115

          ふつうの、なんでもない日々が残ればいいと、常々思っているけれど こどもの写真を勇んで残し、ふと振り返ってみれば自分が写っているものがない。とにかく、ない。 一人パニクってても、行き場の無いイライラをぐぐぐとこらえても、新しくできるようになったことにどうしようもない喜びを感じても、ちょっとがんばって何かを成し遂げても 見ているのはこどもだけだ。 他に誰もいない。 自分で撮ることができるわたしでさえ そうやって残そうと意識を常にしているわたしでさえ とにかく、ないのだ。

          news @ 20161115

          news @ 20161006

          いつも小池菜摘の作品を愛でてくださりありがとうございます。 今までわたしは、出会ったひとのなかからよき色を持つひとや、私のことを大好きになってくれたひとだけを撮ってきました。 いままでもこれからもそのひとたちを大切にする事をやめることはないし、わたしからそのひとたちを遠ざけることもありません。 出産を経験し、ムスメを通じていろいろなことを考える日々ですが そんな中で、もしかしたらずっと"撮られてみたい"と思っていたけれど声をかけることが難しかったひとがこの世のどこかにいる

          news @ 20161006

          news @ 20161001

          小林幹幸さんに推薦して頂き掲載されました「プロカメラマンFILE 2017」が発売になりました! プロカメラマンFILE amazon購入はこちら 10ページに掲載されています。 たくさんのひとの目に触れる事ができますように。 最後になりましたが、小林幹幸さん!本当にありがとうございます!!!

          news @ 20161001

          news @ 20160930

          9月も終わりですね! 小池菜摘です。 さて、ムスメがうまれて4ヶ月。 保育園に預ける準備も整い、いつでもご依頼を受けられるようになりました。 今後は保育園の一時保育予約等の関係から、月末月初に告知して1ヶ月先〜のご予約をオープンに受け付けることにしました。 もちろん日程の差し迫ったお仕事も大歓迎ではありますが、確実にご都合に合わせられる日程をお知らせしておきたいというカタチです。 http://koike-lab.com/photocontact.html ↑こちらの

          news @ 20160930