檸檬と「檸檬」

 みなさん、こんばんは。みやまです。いかがお過ごしでしょうか。私は工作をしたり散歩をしたり学業に勤しんだりしながら、今日もゆっくり過ごしています。

 さて。タイトルにも書いた通り、私は今日檸檬を買ってきました。

 ……どうです? 黄色いでしょう。これが檸檬です。今日私は初めて「檸檬を買うためだけにスーパーへ行き、檸檬を一つ手に取ってレジに並ぶ」という行動をしたのですが、これに至るには様々な経緯がありました。

 私は中学生のときに梶井基次郎さんの「檸檬」という作品に出会い、それ以来ある夢を抱いていました。それは、「檸檬を持って『檸檬』を読む」ことです。作中で「私」は、檸檬を手にしている間すごく幸せそうでした。その姿がどうにもうらやましくて、「檸檬」を読むたびに「私も檸檬が欲しい」と思ってしまうのです。中高生の私は檸檬を欲していたのですが、檸檬を手に入れるお金も熱意も決断力もなかったため、檸檬を手にすることはありませんでした。

 月日は流れ、大学生になったある日。演習で考察する本一覧の中に「檸檬」の二文字がありました。「運命か」と思った私は、迷わず「檸檬」を選択します。そして考察すべく、久しぶりに「檸檬」を読み返したとき、かつての夢を思い出したのです。実物の檸檬を手に入れるお金も熱意も決断力も手に入れた今であれば、「檸檬を持って『檸檬』を読む」という夢を実現させることができる。そうして私はスーパーへと足を運びました。

 実際に檸檬を手に取ってみると、改めて気づくことがたくさんありました。例えば香りです。檸檬といえば「匂いも味もすっぱい」というイメージがあったのですが、手に取って嗅いでみると、意外と刺激のない柑橘系の香りがしました。グレープフルーツとかオレンジの皮などと同じ香りです。すごくすっとする匂いなので、作中で「私」が胸いっぱい吸い込んでいたのも納得がいきました。

 そして、帰宅後。ついに私は、「檸檬を持って『檸檬』を読む」という夢を実現させました。とてつもない幸福感です。このときの気持ちは言葉にできないので言葉にしません。うきうき読んでいたら、作中の「私」が檸檬を手にしたときの心情と、檸檬を手に「檸檬」を読む私の心情が似ていて、思わず笑ってしまいました。物語の作中に出てくるものを持ちながら読むと、物語に深くもぐりこめて楽しいことがわかりました。みなさんもぜひやってみてはいかがでしょうか。

 みなさん、今日もおつかれさまでした。明日はもう月曜日ですが、次の一週間も気楽に生きたいと思います。ゆっくりできるといいなあ。では、おやすみなさい。☺︎

みやま

読んでくださりありがとうございました🌷