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芭蕉布展を見てきました 〜人間国宝 平良敏子さんの手仕事〜

こんにちはー!
なつむです。


上杉惠理子さんのメルマガで、
都内で素敵な展示をしていると知り、

浴衣を着て、出かけてまいりました!


大倉集古館
沖縄本土復帰50周年記念

「芭蕉布 BASHOFU
 人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事」

2022/6/7〜2022/7/31


パンフレット

https://www.shukokan.org/Portals/0/images/exhibition/history/2022/20220607_bshofu_flyer.pdf

展示品リスト

https://www.shukokan.org/Portals/0/images/exhibition/history/2022/20220607_bshofu_list3.pdf


すぐ忘れちゃうので、
いろいろ知ったことを書いてみます。



芭蕉布って何?


沖縄の特産品の布。


琉球王国の頃から、
ずっと昔から、
作られていた。


廃れそうになっていたのを
戦後、復興させたのが
平良敏子(たいら・としこ)さん。


芭蕉ってそもそも何?

植物の名前。

実芭蕉
花芭蕉
糸芭蕉

と種類がある。


実芭蕉とは バナナのこと!


糸芭蕉はバナナの親戚なのね。

見た目も多分、バナナの木に似てる。



どんな糸?


糸芭蕉の植物そのものは、
人の背丈を越えるくらいの、
茎、
その上にバナナの葉と似た葉っぱが生えている。


植物全体が「熟す」と
根元の方からグラグラしてくるらしい。

そうなったら収穫。


てっぺんの葉っぱを
根元から全部落として、


植物の地面付近から
鎌で一思いに切る。


茎の断面は
ぱっと見、玉ねぎみたいで、

みずみずしい、
同心円に近いような、
層状になっている。


それを、
上下逆さまに立てて、

根に近い方から、
切り込みを入れては、
「皮を剥ぐ」。


一番外側はテーブルセンターなどに、

2番目は帯などに、

【3枚目にとれる皮が、
 着物になるための
 一番細い繊維に加工される部分】で、

一番内側はもう柔らかすぎて
糸にならないから染料にするんですって。



糸になるまでこんなことをする。


・まとめて煮る。
 木の灰の汁で。
 柔らかくするんですって。
 灰でアルカリ性になるらしい。
 ちょうどよく煮るのがめっちゃむずいらしい


・陰干し

・何かにつけてた

・それを専用の道具で「しごく」と
 一気に光沢のある繊維になる!

・それをまた毛糸状にまとめて

・また、煮て、

・乾かして


・そこから「さいて」、糸にする


・一本の糸は、

 糸芭蕉の茎だから
 長くても人の背丈くらいで。

 そんなのじゃ
 織物にする
 「糸」として使い物にならないくらい
 短いので

 裂いて
 糸を取り出しながら、
 結んでつなげて
 長い糸にする。

 できるだけ小さな結び目にして
 余計な糸を切って

 またさいて、

 結んでつないで

 さいて
 結んで繋いで

 さいて
 結んで繋いで

 さいて
 結んで繋いで

 さいて
 結んで繋いで

 さいて
 結んで繋いで

 ・・・・・

 ってやって

 ようやく、

 一本の糸ができる、、、、、、、、。


 すでに気が遠い。。。

そうやってできる糸。


植物の繊維質をさいて作る、
繋いで糸にする、
という意味で

「麻」と似ている。


絹はお蚕さんの繭から取り出すし

綿は植物の種子のワタから
あらかじめ繊維同士が
絡まりあっている状態で
糸を取り出していくし。


全然違う。



芭蕉布の魅力


南国の布らしい、
軽さ
薄さ
涼しさ

ゆえの、存在の繊細さ。

の割に

どこかのこる
素朴さ。


すべて今でも手仕事でのみ
作られている

そのあたたかみ。



染めもあるけど、
基本、「織り」。

代表的なのは絣。(かすり)


織で精緻な模様を出すという意味だと
大島紬とか
もっとすごいのがあるけど、


糸の作られ方が
特殊で

硬い繊維で、
切れやすくて
扱いにくい。

その糸で
作っちゃう凄さ。



忘れそうだから書いておきたいこと


これね、
専門用語がわっかんないと、
なかなか楽しめないの!笑笑


展示を見れば見るほど
やっといろいろわかってきて、

えー!もう一周みたい 笑


ってなりました!


って、

今書こうとすると
もう、ほぼ忘れてる 笑笑



基本知識として



絣!かすり

糸の一部に色をつけて
布に模様を出す。



織る時に、
織り機にセットするのが
たていと。縦糸とか経糸と書く。

織る時に、
織り機の経糸と経糸の間に
通すのが
よこいと。
横糸、緯糸。

で、絣模様を出す為に、
どっちの糸に色をつけるかで、


経絣 
 たてがすり って呼んでいいのかな。

緯絣 
 よこがすり でいいのかな。

両方に色をつけると

経緯絣 
 たてよこがすり  って読んでみたけど
   読み方違ったらごめん。

と呼ぶ・・・んじゃないかな (爆)



芭蕉布の、
沖縄の、独特の、
柄に対する名前がいろいろ。


すごく気に入ったのが、
八十八(ハチジョーハチ)
 正方形を、四隅がちょびっと重ねて並べた模様
 おめでたい柄なんですって
 平良敏子さんも好んで作られたと
 書いてありました♪

綾中(アヤナーカ)
 縦縞と絣を組み合わせた模様

 バリエーションが多くて
 これも アヤナーカ?
 あ、こうなっても アヤナーカ、なんだ?
 ってなります

花合(ハナアーシ)
 芭蕉布以外では別の意味の専門用語らしいのですが、
 芭蕉布では 花柄 を意味するそうです

番匠(バンジョー)
 大工さんが使う、曲尺。L字の定規
 を模した柄
 組み合わせ方、並べ方で
 応用がすごく聞く。
 直線的で格好いい

小鳥(トゥイグヮー)
 絣で作る、
 弓のような曲線のこと
 それを組み合わせて作る、鳥柄のこと
 曲線が見事。
 これを寸分違わず作っちゃう
 絣の技術ってすごい・・・。
 曲線のほうが誤魔化し効くのかな。
 いやぁ、そうでもない気がする。

銭玉(ジンダマー)
 穴の空いた銭を模した
 輪っか状の模様

引下(ヒキサギー)
 絣で、2本の線をずらして斜めにすることを
 こういうんだそうです。
 名前あるんだ。

三段組(ミダングミー)
 ヒキサギーの、線多い版。 笑
 絣で、3本以上の線をずらして斜めにすること
 4本以上になっても、名前は「ミダングミー」笑
 読み方、そのままやん、っていうのが面白い。

紺地(クンジ)
 藍色に何度も何度も何度も何度も染めて
 深い色になったもの

環掛(クヮンカキー)
 鎖のつながった様子を模した
 メジャーな柄
 クヮ っていうのもそもそも久しぶりに見る。

 どうでもいいけど、
 関西の有名私立で
 関西大学(かんさいだいがく・通常関大)と
 関西学院大学(かんせいがくいんだいがく・通常関学)があるけど
 関西学院大学の英語名表記は KWANSEI GAKUIN University
 で、「クヮ」の「カ」 なんだよねぇ。(ほんとどうでもいい)

竹の節(ダキンフシー)
 節のある竹の様子を模した柄。
 これもアレンジがいっぱいあった。

アキファテ
 人気で、「飽き果て」るほど織った
 という名の由来の柄。
 藍色と車輪梅の赤で織られる
 細長ーい菱形がつながった柄。

なんて言ったっけ 笑笑
これが「クァーサー」だったかな?
 絣って通常、
 ある塊で色をつけた糸を
 並べるんだけど、
 「途中に色無しの糸を挟んで」
 作る模様。

賽の目(サイノメー)
 読み方が可愛い。
 クァーサー(隙間)がいっぱいの、
 経緯絣 で、真四角っぽい模様になる。
 糸の浮き方?で、風車みたいにも
 見えた布があって、
 もう、釘付け・・・・!!




あーもーだめだ、ほとんど忘れている 笑笑
→ webの展示品リストを見てだいぶ思い出しました 笑





感想

正直、見に行く前、不安でした。


まだ、
「布」もいうものを
見慣れていない自分が、

芭蕉布を見に行って

楽しめるのか、
そのすごさや良さを
「感じる」ことができるのか。

理屈ではなく
心から「感じ」たくて。



見に行って、


感じられました、、、、、!!


最初はただの、
素朴なものに見えた。


でも
平良敏子さんが

戦中に軍需工場で働くために
倉敷にいて

繊維工場で働いていて

そこで
「沖縄の伝統繊維を任せた」
的なことを言われ

生まれ故郷の喜如嘉に戻って

廃れそうになっていた
芭蕉布の保存再生に乗り出したのが

26歳・・・・。

素直に、スゴ・・・・ってなり。


そして、
糸が作られる工程の
DVDを見て、


煮た後の茶色い繊維を、
専用の器具で

ガッ!ってしごきながら引っ張った瞬間に

現れた、


光沢のある繊維に、


あっ、すごい、キレイ・・・・


って思って。


無骨な?植物から
個体差の大きな材料から

一定の繊維を取り出すことや


天然の1本では身長ほどしかない繊維を
結んで繋いで
糸にしていくことの凄さ。

たくさんの女性職人たちの
類まれな、
正確無比な手仕事。


真っ赤も
真っ黄色も
すべて

天然の植物染料であること。


大島紬の泥染では
前工程だった

車輪梅(しゃりんばい)が


テーチと呼ばれて、
すごくメジャーな、
赤の染料だったりしたのも
なんだか、
嬉しくて。


いろんな柄の名前が
一つ一つわかるたびに


あ、じゃあさっき見たやつは、
とか

だんだん中身が繋がっていくのも

楽しくて。


どうやって作っているのか

知れば知るほど、

目の前にある
模様が

生み出されていることの
すごさや

その技術や
こだわりや

「奇跡」なことが

だんだんわかってきて。


夢中になりました。



すっっっごく、
楽しかったーーーーー!!!!




また、
機会があったら

こうやって
いろんなものを見に行ってみたいです。



今日はこんな感じで!


お読みいただいてありがとうございました!


ではまたーーーーー!!



★参考★

去年7月に、家庭画報さんで
記事があったようです。

見て、思い出して、ムフフとなります♪


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