見出し画像

それでも星々は俯瞰する

様々な人を運ぶ電車は今日もパンパンに人を詰めて行く。

今日も今日とて、死んだ魚の目で乗る。
列を抜かされてはマスクの下で歯茎を剥き出しにしたり、押してくる人に気付かれるように白目を剥いてみたり、ドアのギリギリで立ってもう乗れないアピールをしている。

電車は旅の時にしか乗りたくないのだ。
仕事に向かう時の電車は自分の悪性が滲みに滲み出て、ヘドロの様に穴という穴から出力されるから好きじゃない。

そんな電車に乗っていたある日、帰りの電車で中学の頃好きだった人を見つけてしまった。サッと目を逸らし、バレない様に俯いた。

どうやら同じ駅の様だったがバレたくなくて早足で改札へ向かい、振り切った。

昔好きだった人は勿論音信不通だ。音信があったら甚だ気色悪いのだが、何というか全て良い思い出がないから存在を認識されたくない。これは、中学の一部の人や高校大学全ての人に当たる。

「友達のままでお願いします。」
「友達のままで」
「友達で」
トモダチデトモダチデトモダチデトモダチデ………………………。

異性の言う「トモダチ」や「優しい人」というのは、トイレの淵の裏ににこびりついた糞カスぐらいどうでも良い人を指すのだ。

都合の良い言葉使わないで「近寄らないで下さい」の方がまだ良心的だと思う。取り繕った言葉でカテゴライズされるくらいなら嫌われる方がマシだ。

僕は今が一番幸せで昔の事を思い出したくもないし、余計な会話もしたくない。
昔には逃げられないことを理解し、先の未来にも希望を感じられないからこそ、今を楽しみたいと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?