「入試に小論文がある。けど、何をどうしたらいいのかわからない……。」
「とにかくシンプルな説明で書き方が知りたいんだけど……。」
このように考えている人はひとまず以下の「2つの型」を知りましょう。
世の中のほとんどの小論文は、この2種類に分類することができます。「意見提示型」と「課題解決型」です。勿論、複雑な内容を要する小論文の問題はたくさんあります。しかし〈書き方〉の観点から抽象化した場合、大抵は「意見提示型」と「課題解決型」のどちらかの型を用いて書くことになっています。
ですので、小論文のことで悩んでいる人は、ひとまず以下の解説を読み、この「2つの型」について理解しましょう。800字以内(原稿用紙2枚以内)の解答例とシンプルな解説を載せています。基本にして根本を説明した解説です。
2つの型を知ることは〈書き方〉の〈考え方〉を知ることになります。そうすることで基礎力がつき、汎用性のある対応力が身に付きます。
今回は「意見提示型」のほうの解答例と解説を掲載します。次回#95では「課題解決型」のほうを掲載します。どちらも合わせて読んでみて下さい。
[序論]
① 自身の意見(結論)の手短な説明をする
→ 原稿が向かう“ゴール”を先に示す
(読み手に主張の“核心”を先に示す)
② 抽象的な理由説明をする
具体的な理由説明をする
→ 理由や根拠を示すことで“説得力”が上がる
(※ 抽象 → 具体の流れがわかりやすい)
[本論]
③ 具体的な事例を示す
→ 具体性を示すことで“リアリティ”が出る
→ リアリティが出ることで“説得力”が上がる
(※ 具体例は複数・多角的にあるほうが良い)
※ 具体例に関する理由説明があるとなお良い
※ 自身の意見に対する反論を考慮する
→ 対象を多角的に検討する
→ 視野の広さ(学術的な素養)の証明となる
[結論]
④ 意見を再提示する
→ 原因(理由や具体例)から結果(結論)を導き出す“因果律”を組むことで全体が“論理的”になる
☆ ただ結論(意見)を示すだけでなく、そこに公共性のある“プラスα”の要素を組み込むことで自身の意見を“深化”させられる
以上の通り「意見提示型」の基本は「①意見 ②理由説明 ③具体的例示 ④意見」の展開です。大切なのは「理由」と「具体化」です。言い換えると、意見の正当性を証明するための〈根拠〉を示し、その根拠に〈リアリティ〉をもたせることです。そうすることで、意見には〈説得力〉がでてきます。これが意見提示型の基本です。そしてこれが小論文の根本です。
なぜ根本と言えるのかと言うと、それは言うは易く行うは難しなものだからです。「理由」と「具体化」は言葉の上では簡単そうにみえますが、実践するのは難しいものです。しかし、だからこそ入試で問われるわけです。簡単なことなら問題になりません。それが基本にして根本と語る理由です。
突き詰めていくと根本部分では難しいものであるのは否めません。しかし、何事も基本を知ることが大切です。ですので、まずは上記の解説をよく覚えておきましょう。そしてその後はそれぞれに練習を積み重ねていきましょう。