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【マレーシア】パラセーリングで空の広さを実感した日

2023年もあっという間の1年だった。WBCに沸き、コロナが第5類移行して出社回数が増えた。活動範囲が広がって海外にも行けた。野球観戦にも行けた。ディズニーランドにも行けた。コロナに罹患し、風邪をひかないことがとりえの私が2週間寝込んだ。振り返ればつきないが、印象に残ったことを挙げるとするならば、マレーシアの空を浮遊したあの日だろうと思う。

パラセーリングは人生で初めてだった。正直楽しみ半分怖さ半分で挑んだ初挑戦、一生覚えておきたい15分間になった。何も遮るものがなく、下を向けば一面広がる海、上を向けばどこまでも続く空。まぶしい日差し。全身で受ける涼しい風。思わず夫婦で翼をくださいを熱唱した。地上では声の通らない日々、空の上では無敵だった。安全ベルトのガチャガチャ音を除けば、鳥になった気分。飛んでよかった。
もしパラセーリングをやろうか悩んでいる人がいれば、1回やってみたほうがいいよと言いたい。

もう一度訪れる機会があったときのために、いくつか備忘録として残しておこうと思う。

場所

マレーシアのランカウイ島。
クアラルンプールから飛行機で1時間ほどの島。
お酒が免税で安い。
向かったのはホテルからも近かったチェナンビーチ。

予算

2人で6000円くらいだったと思う。うろ覚え。

予約が要るのか?

予約はなくてもよかった。ビーチにはポケモンの虫取り少年のごとくたくさんの呼び込みが待ち構えている。通るだけで近づいてきて「アクティビティやらんか」と勝手に話し出す。怪しさもあり、ビーチに事務所代わりの小屋を設けたところで予約なしに申し込んだ。

服どうするのか問題

何もわからない私達は、そもそも何を着て行けばいいのかもわからなかった。インターネットでパラセーリングを調べる限り、水着がベストだけど濡れてもいいなら普段着でもOKと書いてあった。疑わしかった。しかし更衣室があるのかもわからない。
結局、水着を中に着込み、見かけは普段着で集合場所に赴いた(これは後に大正解だったとわかる)
更衣室はなかったので、事務所代わりの小屋の中で上着などを脱ぎ水着に着替えた。

荷物どうするのか問題

事務所代わりの小屋でママ(事務所のボスらしい)が見ておくとのことだったので、着替えも靴も全部小屋の中に置かせてもらった。もちろんスマホなども持っていけないのでカバンの奥の方に押し込んで置いていった。ここはもう信用するしかない。

いざ出発

想像力の浅はかな私達は、どこからパラシュートの浮上を行うのかわからなかった。ビーチから出立するにしては周りに人が多くて危なそうだし。
待機していた私達の前に現れたのはバナナボートだった。これが凄まじく早い。繋がったジェットボートに引っ張られ、ソニックのごとく海の中を走り抜けていく。これ自体で1つのアクティビティだろ。弾かれた波飛沫は容赦なく私達の体に降りかかり、ああ水着でよかったとひたすらに安堵する。そもそもバナナボートに乗り込むまでに足が深く海に浸かっていたので、T.M.Revolution 並のホットパンツでなければその時点で水浸しなのだ。パラセーリングは普段着でもいいかもしれないが、パラセーリングを始めるまでに水濡れは避けられない罠だった。

バナナボートで数分泳いだ先に、10人くらい乗れるエンジン付きボートが待ち構えていた。バナナボートからそちらのボートに乗り移る。パイレーツ・オブ・カリビアンに出てきそうな日焼けした船長が乗り込みを手助けしてくれた。
空旅を共にするのは私達の他に2グループおり、そのうちの中国人グループに大いに助けられた。まず船長に何かを聞かれ「50」「60」など各々数字を言っていくものだから、突然賭け事が始まったのかと思った。今この場面でかけられるのは命しか無いのに。中国人グループのお姉さんが「Weight」と教えてくれて、ようやく体重を確認している公開処刑の場面だったと理解した。「50」と若干のサバを読んで私も返す。

中国人グループのお姉さんたちからパラセーリングの順番が回り始めた。各2人組でボートの先頭に移動して、ガチャガチャと安全装置を繋がれていく。ボートがスピードを上げ、またたく間に空へと羽ばたいていった。船上から豆粒のような大きさに見えるまで高く飛んでいく。怖そうだった。ちなみに私達以外はドローンコース(別課金)にしており、パラシュートの浮上に合わせてドローンも上がっていく。パラセーリング中の写真を撮ってくれるのだ。事務所代わりの小屋にいた青年が遠隔でドローン操作をしているのだ。(最初はなに堂々とゲームしてるんだと思ったが普通に仕事だった)東南アジアのテクノロジー活用すごいぞと思った瞬間だった。これは課金すればよかったと後悔している。
15分くらい経ってお姉さんたちが戻ってくる。笑顔だった。楽しかったんだろう。他のグループメンバーとハイタッチを交わしながらボートの中で戻り、次の組と交代をする。私達の順番は最後だったので、お姉さんたちの高いテンションに合わせて鼓動も高まっていた。

いざ順番が来た。ボートの先頭へ向かう。テンションの高いお姉さんたちは、移動中こけないように私の腕を支えてくれた。センキューセンキューと礼を伝え、辿り着いた船頭で船長さんたちに安全ベルトを装着される。こんなベルトで大丈夫かすごいガチャガチャ言ってるけど、と心のなかで思いながら、ボートのスピードに合わせてぐんぐんと空に向かって浮遊していった。

ここからは冒頭に記載したとおりだ。全然怖くなかった、といえば嘘になる。なんせ風やボートのスピードの影響でパラシュートが揺れるとガチャガチャと安全ベルトが音をたて不安を掻き立てるのだから。しかしそれ以上に、広がる景色と爽快感は何にも代えがたいものだった。

マレーシアの空を浮遊した話おわり。

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