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You Try To Do Your Best(後編)

入院して数年の間は担当ОT(作業療法士)はいるものの、ナースコールに不具合が起きた時に対応してもらうぐらいしか関わる機会がなかった。
ある年から腕や手の関節可動域の維持の為のリハビリをすることになり、新しい担当が可愛かったので急にやる気を出し始める(笑)
自然と自分のそれまでの試行錯誤の話をするようになると、すごく興味津々に聞いてくれてその先の課題についてもよく理解を示してくれたので、素直に頼ってみようという気持ちに。

基本的にはミニトラックボールのメンテ(分解・掃除・はんだ付けの補強など)とクリック用のマウスの新しい方法の模索をしてもらいながらとにかくリハビリの時間を楽しんでいた。
自分から『こういうの買ってみたんだけど上手くカスタムできない?』みたいに振ることもあれば、彼女の方から提案してくれるパターンもあったりで、様々な物に積極的にトライ。
数年前までは車椅子乗車時のパソコン操作の方法も探っていたので、改めて視線入力(Tobii)などもやったりしてみた。
高額な物はリハ科で物品請求してくれたりデモ機を借りてくれるので、負担なく試せるのは非常に助かった。

Tobii
https://gaming.tobii.com/product/eye-tracker-5/

Zono
https://www.at-mall.com/collections/zono/products/zono-headband-set

Millet
https://j-d.co.jp/fukushikiki-millet.html

ジョイスティックマウス
https://www.at-mall.com/collections/pointing-devices/products/joystick-mouse

結局そんな中でも車椅子乗車時に関して最も現実的と言えたのが、あごでのトラックボール操作だった(とある先輩のパクり)
決してケチつける訳ではないが、必ずしも高価な物が良いとは限らないし、意外と手軽な道具のちょっとした工夫でできちゃったりするから面白い。
乗車時に関しては活路が見えたかなーと思っていたのだが、数ヶ月後に気管切開することになり、一旦この"あごボール"は封印状態に。

自分のコンディションもありベッドで過ごす時間が長くなったので、例のミニトラックボールの寿命により焦りながら過ごすように。
かろうじてメンテしながら騙し騙し使える状況ではあるものの、だんだん手にフィットせずセッティングに苦労するようになり、これは潮時だなーと。
そんな時に先のあご師匠が『別の種類のトラックボールで臥床時にあごで操作する方法を開発した』と言うので、早速パクってアレンジしてみることに。

徐々に導入していくつもりだったのだが、実際セットしちゃうとかなり楽なので『もうこれでいっちゃうか!』という流れでメインに大躍進。
まず手の場合は冷えると力が入りづらいのに対して、幸い顔面の筋力にはその心配がないことが大きな利点。
まだ置く位置をちょっとミスることはあるものの、セッティングや調整が簡単になって介助者にも好評なのでストレスも軽減された。

ちなみに『ヒゲ邪魔そう』『しゃくれそう』なんてよく言われるけど、あごというよりは下唇でソフトにチューしてる感じが正解(笑)


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