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逃げるのは悪いことじゃない

逃げよう。


できる限り遠くへ。


一番大切なのはあなた自身だから。



私はフェイクタトゥーのサロンの代表をしています。今はスタッフと交代で施術に入っていますが、お客さんは主に自分と年の近い若い人が多いです。立場が近い分、共感できる悩みや話題も多くて、よくフェイクタトゥーを描きながら、人生相談室が開催されたりします。

先日サロンに来てくれた学生の女の子が「わたし、学校に行けなくなっちゃったんです」とつぶやきました。あとから聞いたら理由は色々とあったらしいけれど、「だから休学することにしました」とちょっと間をおいて、でもはっきりと彼女は言いました。


私は大賛成です。逃げればいいと思うんです。無理に自分が辛い環境に居続けなくても。逃げたら死ぬんですか?今よりももっと辛くなるんですか?起き上がれないくらい辛いのに?勝手に涙が出て来たりする?朝がくるのが憂鬱?だったら逃げましょう。逃げたらどうなりますか?多少お金がなくなったり、しばらくおやつを我慢するくらいの辛抱じゃないんですか?

そんな簡単なことじゃなくて、家族と離れることになったり、不安が大きくなりますか?でも、それは時間が解決してくれる問題じゃありませんか?新しい環境では絶対手に入らない何かが今手元にありますか?大事なのはあなた自身です。あなたを最大限守ってくれる環境に早く逃げてください。必要のない我慢をし続けないでください。


私は大学時代、「好奇心に任せて世界一周します!」とかなんとかキラキラ意識高い系オーラを発しつつ休学しました。中身は全然かっこよくなんかなくて、内心はただ逃げていました。「就職活動」という波に飲み込まれそうになって、でもまだまだぜんぜん社会人になる勇気もなくて。仕事も選べなくて、リクルートスーツも買わずに、迫り来る社会への波から逃げました。子供だったんです。大人になる決意ができなかっただけなんです。だから一年でもいいから少しでも長く「学生」という肩書きを握りしめていたかったんです。「学生なのにすごいね」っていう言葉に甘えていたんです。

自分の居心地が悪かった「就職して当たり前」という環境から逃げた結果、今はすごく幸せです。逃げた結果、そもそも自分が幸せでいられる環境ってどういう場所なんだろう?と、考える時間ができたからです。そして全ては、周りにいてくれた人たちが、わたしが逃げることを容認してくれたおかげなんです。


だから、まわりにそんな子がいたら「我慢しなくていいよ」って優しい一言をかけてあげてください。その人たちはきっと心が優しすぎるから、必要のない我慢をしつづけてじっと耐えているんです。じゅうぶん我慢してきたんです。最後に声をあげたタイミングでどうかその声を無視しないであげてください。きっと頼れるのがあなただったから心を打ち明けてくれたはずなのです。あなたの価値観で他人の幸せを判断しないでください。うんうん、大丈夫だから、最後は絶対わたしがそばにいるからねって言ってくれるだけで救われるんです。


サロンに来てくれた彼女も、「親が好きにしていいよって言ってくれたから、逃げることができたし、やっと辛かった環境から解放された」と言っていました。一番近くにいる関係だからこそ、相手の幸せを願うあまり縛り付けてしまったり、自分の思い通りにならないときについ自分の当たり前を押し付けてしまいがちになるけれど、相手にとって何が幸せなのかは最終的に本人が一番よくわかっていると思います。

わたしも一年海外に逃げたよ。って言ったら笑ってました。でも、そのおかげで今最高に毎日幸せだよって言ったら、少し安心したような顔をしてくれました。私の経験が少しでも彼女の勇気になったらいいなと思いました。


みんなが相手の幸せを思いやって、平和な世界になりますように。


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