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私は旅に出た。君は好きにしろ。01

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◆旅は自分を変えてくれない

海外がブームですよね。あちこちで、「バックパッカーのススメ」とか「卒業旅行は海外へ」とか「休学して世界一周しよう」とか聞くようになりました。海外に行ったら価値観変わるとか、自分探しの旅だとか。


正直、好きにすればいいと思う。


若いうちから海外に行きたい人は行けばいいし、別に興味ない人はないままでいい。バックパッカーがすごいって思っている人はちょっと待って一旦冷静になってよく考えてみて!彼らお金もないし信用もないし日本社会には適合できてないしすごいところと言えばフットワークの軽さくらいだから。行った国の数や旅した期間を自慢するような旅人に限ってロクな奴いない。それができたその人がすごいわけじゃなくてたまたま旅人という生活がその人に合っていて、それが許される環境にあっただけの話。すごいとかすごくないとかじゃない。余談だけど旅歴三ヶ月目くらいの東南アジアにいるバックパッカーが手足に無数のミサンガを巻きつけてる確率の高さは異常。


かくいう私もバックパッカーでした。大学に入学したと同時に、世界一周していためちゃくちゃイケメンだった4つ上の先輩に憧れて、休学を決めました。何とかその先輩と共通の話題が作りたくて、ウユニ塩湖くらいにしか興味がなかったくせに話を大いに盛って盛って「私も世界一周したいです!色々教えてください!キャピ!」って言っていたら、途中から「本当にしたい」という衝動が起こってしまいました。言霊なめてた。

夢は語ると叶うらしいと、当時読み漁っていた自己啓発本の言葉を真に受けて、世界一周したいんだって周りに言いふらしていたら「世界一周するんでしょ?!すごいね!」と言われすぎて、どうしても格好つけたくなり、引くに引けず、そのまま勢いで休学して海外に飛び出した、どちらかと言えばインドア派女子大生でした。

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「休学して世界一周しました」なんていうと、「実は僕も海外に興味があって。」という類の相談をよくされるんですが、正直「好きにしろ。」って思ってます。だって、その相談の8割は「でも親に反対されていて」とか「でも英語が話せなくて」とか「でもお金が仕事が学校が」とか、「できない理由」を並べたてて「それでも自分は海外に興味あるんですアピール」をしたいだけのヤツが多すぎるから。

あのね、行きたいなじゃなくて「行く。これはもう明日行く。今すぐ航空券、取る。」っていうくらいの欲求が起こっていないなら行かない方がいいと思う。もはや海外なんて、トラブルしかないと言っても過言じゃない。中途半端な欲求で世界一周なんて行けないです、1週間で帰りたくなる。

ちなみに私は日本の就活が嫌すぎるから逃げたいという欲求と引き返せない状況、そして好奇心に任せて世界一周を決意したにも関わらず、普通に4日目で本気の帰国を考えました。原因は食中毒です。イカの刺身をビーチの横のレストランで食べたら、次の日口から緑色の液体が出てきました。死ぬかと思った。

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旅は自分を変えてはくれない。数日間の旅っぽいヤツ、とりあえずの海外ボランティア、学校が手配した短期留学なんかで人生が丸ごと変わっちゃうようなことはほぼない、と私は思っています。そんな場所へわざわざ行かなくてもチャンスは日本に山ほどあるし、生まれた段階で私たちは幸運にもある程度の自由な選択肢が与えられているんです。

それにまず気がつかなきゃいけない。旅になんか出なくたって、あなたは日本でなんでもやれるし、無限の可能性を持ってる。旅くらいで価値観が丸ごとひっくりかえっちゃうような人は正直まだまだ日本で経験すべきことがあるんじゃないでしょうか。

旅するのが周りの環境を変える方法としてとてもてっとり早いという意味では、旅を否定する訳ではありません。ただあまりにも海外に行くこと自体に目的とか意味を求めると、後で思い通りにならなかった時に、旅を嫌いになってしまうのは私にとって悲しいから。


旅に出て変わったことは何ですか?っていうのも良く聞かれる質問なんですけど、正直変わってないと思ってます。ただ、見たことのある景色の数が増えたことと、どこでも眠れるスキルが身についた、くらい。短期的な環境の変化は自分を変えてはくれません。自分から変わらなきゃ、意味ない。


02に続く!





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