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私とアンドロイド1

東京に来て一年。 東京に来れば何か面白いことがあると思っていた。 けど現実は、、、 新宿駅と繋がっているオフィスを出ると穂乃果は空を見上げた。 ふう、とため息をつく。 空はどんより曇り空でなんとも言えない気持ちになった。 梅雨に入って、こんな日が続いている。 せめてこの気持ちを吹き飛ばしてくれるような、面白いことが起きれば良いんだけど。。。 「面白いことは、起きるものじゃなく、起こすもの」 そんな言葉を思い出す。 一昨日、立ち寄ったTSUTAYAで見つけた本。 「あ

    • 100万円と苦虫女

      映画を見た。 「100万円と苦虫女」という映画だ。 あらすじ 『百万円と苦虫女』は、2008年7月19日公開の日本映画。蒼井優が演じる主人公の鈴子がひょんなことから前科持ちになってしまい、実家を離れて各地を転々としながら生活していく姿を描いた青春ロードムービー。(参考→ウィキペディア) 映画の雰囲気は、全体的に薄暗い感じで、ハッピー✨っていう感じではない。 疲れてる時に見ていたい映画だ。 鈴子は、100万円貯まったら、違う場所に引っ越す。引っ越した場所で、アルバイ

      • 海底散歩7

        ふぁー、みさきは欠伸をした。 「ねえー、もう帰ろうよー」という言葉が喉まで来ていた。 だって。 暗い青 青 青。 どこをみても どこまでいっても 同じ景色。 私たち、何してるんだっけ? そう思わずにはいられない。 とにかく何にもない海中をただ真っ直ぐに進んでいる。 リアムは、 「もう少し進んだら、強い海流があるから、流されないようにするんだよ」 という。 「なにそれ、こわい、、」 とみさき。 ぷっとリアムは笑った 「もう帰りたい、って顔して

        • 私のおばあちゃん

          私のおばあちゃんはとても優しい。 そんなおばあちゃんにも、苦手なものがある。 おばあちゃんの苦手なもの。 それは、 トマト テレビに写っている人気司会者 トマトを食べると、顔を皺くちゃにして、嫌そうな顔をする。なのに、私には、「トマト、食べんさい」と言って、勧めてくる。なんでだろう? 人気司会者は、おばあちゃんと一緒にテレビを見ている時、おばあちゃんが教えてくれた。私はその司会者が好きだったから、なんで?と不思議になって聞いた。おばあちゃんは理由はいわずに、嫌そうな顔を

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        私とアンドロイド1

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          夏合宿

          夏になると、私たち合唱部は夏合宿に向かう。 バスに揺られて、随分経った。 バスから降りて合宿所まで歩いていくと、山の中の匂いがする。 山の中は、ちょっと涼しい。 虫の鳴き声が聞こえてきた。 合宿所の体育館にみんなで集合した 歌を歌う 私は夕食の準備をする係だったので、友達2人で体育館を出た 2人で山道を歩く みんなの歌声がかすかに聴こえてきた いつもなら私も参加しているはずの歌声 こうやって聴いてると、合唱ってきれいだなあ そんなことを考えながら、山道を登る

          夏合宿

          「絶望の国の幸福な若者たち」を読んで

          まず、この本は「日本における現代の若者」について書かれている。 日本に住む20代くらいの若者を古市さんが様々な研究やデータを使って説明している本である。 私がこの本を読んで一番に思ったのは、この本にかいてある「若者」像と自分が似ている!ということだ。 やはり、古市さんの分析は当たっている。これは「私」について、書かれている本なのかな?と思うほど、よく当たっている。 ここからは、本にかかれている古市さんの主張と、若者である私の意見を照らし合わせて書いていきたいと思う。

          「絶望の国の幸福な若者たち」を読んで

          私とアンドロイド11 完

          「うーん、まあ要するに、穂乃果が期待しすぎたってことでしょ?その人に。」 マキちゃんはビールを片手に言った。 簡単にまとめるとそうかも。 「うん。あの人だったら、もっとおしゃれなマンションに住んでいるハズだし、あんな汚い部屋じゃない、って思ってた。」 私だけの、私のための、完璧なアンドロイド。 じゃなかったの? あんなにおしゃれで、イケてる風に見せといてさ、あんな部屋って。 それは無くない? なんか騙された気分。 せめて、汚くても、こだわりのある部屋、とかであっ

          私とアンドロイド11 完

          私とアンドロイド10

          男が玄関の鍵を開けた。 ガチャ 「お邪魔します。」 といって男の後について、部屋に足を踏み入れた。 ここは。。 重なったCD。 思ったより薄暗く、埃っぽい部屋。 独特な古い建物の匂い。 そして、薄汚れた洗面台。 壁に掛かっている服は、初めて出会ったときに着ていたものだが、前見たときよりも、安っぽく見える。。 この部屋のせいだろうか。 なんか違う。 と穂乃果は思った。 この薄汚い部屋は、アンドロイド男のイメージとはかけ離れている。 生活感のある部屋だ

          私とアンドロイド10

          私とアンドロイド9

          帰り道に困りそうだ。 穂乃果はスマホの電池を確認した。大丈夫。まだ50パーセントもある。 グーグルマップがあって良かったあ、と思った。 ドキドキ。 その男はチラっと振り返った。 いや、私を見た。 私を見た!!! 気のせいかな。 もしかしたら、この男は私に気づいているのだろうか。 でもさっきと同じようにして歩いている。 ということは、このまま尾行し続けて良いのだろうか。。 あ。 彼はアパートの前で立ち止まった。 ちらっ またこっちを見た。 思わず立ち止ま

          私とアンドロイド9

          私とアンドロイド8

          あ。 穂乃果は、ついに見つけた。 人混みに紛れて、あの髪型、黒い髪、輪郭、肌の白さ、恰好。 間違いない。 穂乃果は尾行を開始した。 トコトコトコ その人は、地下鉄に乗った。 穂乃果も慌てて同じ車両に行く。 チラっと彼の方を見た。 彼はつり革を持って、空中を見つめている。 穂乃果は空いている席に座った。 駅で男が降りる。 穂乃果は追いかけた。 駅の外に出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。 ドタドタ 人混みの中に消えていきそうな男を必死で追いかける。 そ

          私とアンドロイド8

          私とアンドロイド7

          駅の地下鉄に続く階段。 あの人が居た場所。 あれから穂乃果は、毎日仕事帰りにここに来る。 会えるわけない。まず、人が多い。 会えたとしても、話しかける度胸なんてない。 でも、何かあるような気がして。 穂乃果はバカみたいにその男の人が来るのを待った。 毎日。 「お疲れ様でーす」と仕事終わりに穂乃果が声をかけると、 「お疲れー」とみんな返す。 普通の日常。 平和な日常。 だけど、職場の皆、誰も、私に興味が無い。 友達でさえ。 それは居心地が良いはずだった。 でも

          私とアンドロイド7

          私とアンドロイド6

          あはははは! 職場の同期と飲んでいる。マキちゃんが笑う。 マキちゃんの彼氏の田中さんは先輩だ。 「やっぱり穂乃果って変わってるというか、、面白いよね!」 田中さんは感心したように言った。 「うん、私ならできないもん!尾行なんて。」 マキちゃん、そんなハッキリ言わないでよ。汗 まあ、間違ってないんだけどさ。 穂乃果にとってはこの二人の方がすごい、と思う。 職場の先輩と仲良くなってそのまま付き合う。 そして、そのまま飲み会に2人で来たりしちゃう。 それが、まるで普通のこ

          私とアンドロイド6

          私とアンドロイド5

          「えーっと、、、1080円ですね。」 穂乃果の気持ちをよそに、店員さんは気だるそうにレジを操作している。 お金を払う。 はやく、はやく、、 心の中で穂乃果は急かす。 おつりをもらうと、穂乃果は急いでお店を出た。 ガララッ ドアを開ける。 さっきの男の人が角を曲がって行くのが見えた。 目立つ。 白い腕、整った血色感の無い顔。サラサラの黒い髪。 まるでアンドロイドみたい。 穂乃果は急いでその男を追いかけた。 20代前半だろう。大学生だろうか、その割には落ち着きがあ

          私とアンドロイド5

          私とアンドロイド4

          心の中で、イケメンきたー!!!! と叫びながら、顔は平然を装った。 なんだろ、、雰囲気のあるイケメンだな。 白い首にサラサラの黒い髪。古着っぽい黒いシャツを着ている。そして、指輪。 わーおしゃれだー。 そんなことを思いながら、すました顔でビールを飲む。 都会ってすごいなあ。 こんなイケメンがいるんだもん。 まるで天使みたい。 隣の男の人はスマホをいじりながらビールを飲んでいる。 この人もひとりなんだ。。 話しかけようかな。 やめようかな。 話しかけようかな。 やめよ

          私とアンドロイド4

          私とアンドロイド3

          自由な街、東京。 他人に関心がない人たち。 それが穂乃果にとっては程よく居心地が良かったのだ。 今日、穂乃果は「行きつけ」の居酒屋「だんごバー」に来た。和風のバー、というコンセプト。 ちょっとおしゃれな一品料理が人気の店だ。 「ちょい飲みセット」を頼めば、安く、ビールとおつまみ2品をゲットすることができる。オシャレな立ち飲み居酒屋というところだろう。 ちょうどいい、と穂乃果は思う。 おしゃれ過ぎないし、こだわりが強すぎるわけでもない。 ちょうど良くいい加減で、お客さ

          私とアンドロイド3

          私とアンドロイド2

          穂乃果は最近、「一人居酒屋」というものをしている。 一人居酒屋とは、あえて誰も誘わず、一人で居酒屋に入って飲むことだ。 案外楽しい。 穂乃果はもともと仕事終わりに居酒屋に行きたいタイプである。 友達や、仕事仲間と飲んで騒いで。 一日のストレスをぶっ飛ばしたい。 しかし、最近穂乃果は仕事仲間とあまり飲みに行かなくなった。 この職場に来てから半年。 始めのうちは、仕事仲間とつるむのは楽しかったが、仕事が終わってからも同じメンバーで集まることに飽きてきたのかもしれない。 な

          私とアンドロイド2