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究極のラブレター

親愛なるあなたへ:

 わたしの体は身長148cmくらいのミニモニサイズ。
 近所の小学生より背が低い。
 そのくせつい最近までウエストは80cmくらいあった。
 腰周りも太ももの張り具合も二の腕の肉づきも半端じゃなかった。
 だからまともに買える服なんて、ほとんどなかった。

 そんな自分の体型が大嫌いだった。

 体脂肪なんて一時50%を越えていた。←正常範囲のほぼ2倍(>_<)。
 電車に乗った時、妊婦と間違われて気遣われたこともある。
 そんなわたしは何の因果か管理栄養士。
 自分の体の管理もできない栄養士に誰が指導を受けたがる?

 知識はあっても行動に結び付けられない意志の弱さが大嫌いだった。

 いつも勢いだけで後先考えずにものを言うから、できない約束や
 いい加減な返事ばかりしていた。わたしの性格を一言で表したら
 ”無責任”。たくさんの友達にそう指摘された。

 わたしを頼りにしてくれた人をいたずらに裏切って、どれだけ
 いっぱい迷惑をかけてきたことか。わたしに目をかけ可愛がって
 くれた人の心を、どれだけ踏みにじってきたことか。

 やらなきゃいけないことほど後回しにして最後にはほったらかして
 しまう自分のいい加減さが大嫌いだった。そのくせそのことを
 忘れることもできずに、抱え続けて苦しむ自分が大嫌いだった。

 気分屋で、自分のその時の気持ちまかせで行動した。おまけに何を
 やっても中途半端。最後まで何かをやり遂げることが苦手。
 ”継続は力なり”という言葉が一番嫌な言葉だった。

 自分が周りからどう見られてるのかいつも気にして、きっと
 こんなふうに思われてるんだって卑屈になって、事実を
 確かめることもしないで勝手に人を恨んでた。

 もとはといえば自分が勝手に抱え込んだ不満やストレスなのに、
 いつも自分以外の誰かのせいにしてた。自分から目をそらして
 ばかりだった。

 ことあるごとに不満ばかり抱えて、そのくせその不満を解消しよう
 としなかった。だけど文句は人一倍。おまけにプライドも高かった。

 見栄っ張り、意地っ張り、意気地なし、自分勝手、自己中心的、
 わがまま、依存症、ムラのある協調性とリーダーシップ、
 おしゃべり、言いすぎ、突っ走りやすい、すぐ周りが見えなくなる。

 極度の偏食、買い物依存、片付け嫌い、掃除嫌い、洗濯嫌い、
 礼儀がなってない、すぐ自分のこと棚にあげる、都合の悪いこと
 だけ忘れる、お金にルーズ、そのくせ人のお金にはシビア。

 目に付くのは欠点ばかり。

 そんなわたしの全てがずっとずっと大嫌いだった!!!
 わたしを愛してくれている人さえも、みんなみんな大嫌いだった!!!

 なんでわたしはこんなわたしに生まれてきてしまったの・・・?

 なんであの人みたいな生き方ができないの・・・?

 なんで?なんで??なんで???

 どうしてわたしは ”わたし”なの・・・?

 

・・・それがほんのこないだまでのわたし。
 わたしは、”大嫌い”の塊だったんだ・・・。


 だけど今は、自分のことが心から大好き・・・(^-^)。

 
 いまだに弱くてもろくて愚かだし


 欠点はたくさんあるけど


 それでもありのままのわたしが大好き。

 弱さを知ったなら、強くなればいい。


 もろいのなら、鍛えればいい。


 愚かなら、賢くなればいい。

 
 そこに石があるなら、思い切りつまづけばいい。


 よけかたを覚えるより

 転んだことで目にした道端に咲く草の

 その緑の濃さを焼き付ければいい。


 できた傷の痛みを抱きしめてまた歩き出せばいい。

 誰かが作った近道を車で走るより
 自分で切り拓いた道をその足で歩けばいい。

 遠回りしたっていいじゃない。

 自分の足で歩くからこそ見える景色があるんだから。

 誰かに嫌われるならそれでいい。

 その人には今の時点で受け入れられなかった。
 ただそれだけのこと。


 だからってあなたの全てを否定することなんてないよ。


 ありのままのあなたでぶつかって


 離れていく相手なら


 最初からその程度の縁だったんだから。


 追いすがることなんてないよ。


 だけどその人を恨んではいけない。


 あなたにあなたの生き方があるように


 その人にだってその人が選んだ生き方があるんだもの。

 誰かのための人生じゃない。


 あなたにしか生きられない人生がある。


 自分に与えられた命は限りあるもの。


 たとえ明日が来なかったとしても


 後悔のない今日を送ってほしい。


 あなたは世界に一つだけの花。


 あなたにしか出せない色がある。

 
 あなたにしか与えられない美しさがある。


 ほかの花がどんなにきれいに見えても


 あなたにはあなただけの良さがある。


 あなたにしか咲かせられない花がある。

 今はまだ、双葉かもしれない。


 天をめざして伸びる茎かもしれない。


 明日を夢見るつぼみかもしれない。


 花が咲く時は人それぞれ。


 人と比べることはない。

 
 あなたに与えられた開花の時を夢見て


 大地にしっかりと根を張って


 力強く生きればいい。


 今は雑草でもいい。


 花が咲いていなくても


 あなたの生命力は


 自分だけの輝きを放っている。


 弱音をはいていいよ。


 時には逃げたっていいじゃない。


 疲れたなら休もうよ。


 悲しいなら泣けばいい。


 だけどあなたはまた


 きっと歩き出せる。


 だってもう自分のことを


 心から大好きなんだから・・・。

 一年後の今日、あなたはどんな思いでこれを読んでいるのでしょう?


 大嫌いだった自分の欠点を、一つでも長所に変えられた?


 叶えることを決めた夢に向かって


 今もまっすぐに進んでいる?


 それともまた道を見失って、迷子のように途方にくれているの?


 どんなあなたであってもかまわない。


 わたしはあなたのことを抱きしめてあげる。


 また会えて嬉しいよ、って心から喜んであげる。


 わたしはどんなあなたであっても


 無条件であなたを愛している。


 かけがえのない、この世にたった一人の


 わたしの大好きなあなたを・・・。

 この手紙は一年後のわたしのために


 31歳最後の日のわたしが、


 32歳になったばかりのわたしに贈る究極のラブレター。


 だけど自分のことをまた嫌いになりそうになったら


 いつでも開いて読んでいいよ。

 
 わたしはこれからもずっとここにいるから・・・。

 あなたは誰かにならなくていい。


 ありのままのあなたに


 心からの愛を・・・。


 生まれてはじめて


 未来のわたしのために書いたこの手紙が、


 32歳のあなたへのバースデープレゼントです。

 Happy Birthday To Me !   

 
 

                      2004年6月16日  


 ***==============================***================

  
  昨日のわたしから届いたこの手紙を今朝読んで、
  わたしは気づきました。


  わたしは今までずっと、
  欠点だらけの不完全な自分を許せなかった。


  誰からも愛され、受け入れられ、認められる、
  そんな”完璧な自分”になれないわたしをずっと、
  許せずに憎んでいたのだと思います。


  だけどこの手紙を書いた昨日のわたしは、

  自分を心から許している・・・。


  だからとても穏やかに、わたしのことを愛しているのだと
  気づいたんです。


  わたしにはずっと、忘れられない人がいました。
  これはその彼女を想いながら書いた日記です。

  わたしは彼女を助けられなかった自分が許せなかった。
  そしてもう会えないけれど、彼女に許してほしいと願っていた。
  でもね、今日気づいたんです。
  わたしが本当に許してほしかった相手は、彼女ではなく自分なのだと。
  彼女は最初からわたしのことを、恨んでなどいなかったことを。

  自分を心から許すことから、全ては始まるのだと。

  許すということは、とても勇気のいることです。
  そしてとてもしんどいことです。
  誰かを恨み、憎み続けることの方が、ほんとはずっと楽なんです。


  誰かを許せる人は本当の強さを知る人です。


  強さとは、


  傷つかない心ではなく、


  傷ついてもなお自分を信じ、人を信じる心です。


  自分を心から大好きになれないあなたは


  たくさん傷ついてきたのだと思います。


  傷ついた自分も 傷つけた自分も どうか許してあげてください。


  あなたはもう十分 その痛みと向き合い、償ってきたのだから。


  これからはその傷を、心の勲章として胸に飾ってください。

  
  心の傷が勲章へと昇華した時


  あなたの心はとても軽くなることでしょう。

  ”許す”ことの意味を

 
  わたしに気づかせてくれたのは、


  今これを読んでくれているあなたです。


  この日記を書かなければ


  わたしはずっと気づかなかったのかもしれない。


  あなたに心からありがとう。


  わたしは自分を愛しているのと同じように、

  あなたのことを愛しています。


  この日記は、今のわたしのありったけの

  ”究極の愛情”をこめたラブレターです。


****************

2004年6月17日、32歳の誕生日に書いたブログ記事から。

一所懸命、自分と向き合ってた過去の自分との再会。今のわたしにはこれほどまでに強い気持ちを自分に向けて書き綴ることはできない。それはなぜか?今のわたしは、自分ではなく自分の外に気持ちを向けるステージにいるから。

自己分析はするけど、それは社会に対して自分をどう活かしていくかを明確にするため。人生って、各年代によって生き方のテーマが変わることを痛感した。

それにしても、ほんとまっすぐな人だな・・・(^-^)。自分でもそんなかつての自分が愛しいです。

そしてそんな自分がいたからこその、今の自分も。

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