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行間をつめ、読み手との距離感をつめる仕掛け

先月、こちらの本を読んだ。

・海野つなみ
・いくえみ綾
・冬目景
・荒川弘

という、あらゆる意味で最強の女性漫画家をインタビューした本。漫画を書くときに最も意識していること、書き方など、同じ質問を仕掛けることでそれぞれの特徴を出していたのがおもしろかった。

見せ方としておもしろいなぁと思ったのは、行間の詰め方。

あー…写真だとわかりにくいぃ…。なにが言いたいかというと、小見出しが本文と同じサイズになっている&そのほかの余白が少なめになっている。

ほかの紙の本に比べて圧迫感があるので、最初は「お?」となったんだけれど、すぐに慣れるしすいすいと読める。

途中で気がついたのは、Kindleやネット上で読んでいる感覚になるということ。書き方としても、小見出し以外はすべてインタビューされている漫画家の語り口調になっていることもあり、なんというかネットっぽい。

口語体は体言止めが多くなったり、ですます&だであるが入り乱れる。そうすると、どうしても主張がきつめになったり、冷たい感じになってしまう。これが紙上だとより顕著になるのだけれど、ネット上だとそれほど感じなかったりする。意識して施されているかどうかはわからないけれど、行間や余白をつめることで、そのあたりの違和感がうまく解消されている気がした。

そういえば冒頭ページで著者が「自分の声は余計なので省く」「できればインタビューされている漫画家さんの話を直接聞いている感じにしたいと思った」といったことを書いていた。その結果、行間をつめ、余白をなくしたのかもしれない。

そして、史上最強かよとなったのがこちらの方。

これを読んだ後に『鋼の錬金術師』を読み返したことは言うまでもない。

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