「子供好き」ということ。

私は基本的に子供が好きではない。

こう言うと、大抵の人は驚く。

私は今、二児の母で、その上、三人目があと数日中に産まれようとしている。
二人の娘たちにはお手製の服を着せたり、通園バッグを持たせたり、手の込んだキャラ弁を作ってあげたり、誕生日やクリスマスなどのイベントになるとこれでもかというほど気合いの入った料理やサプライズを用意する。

でもそれは、子供好きかどうかとは何も関係ないのに、と思う。

私は元からイベント事は張り切っちゃうタイプだし、料理やこまごました細工も好き。
キャラ弁が流行ろうと流行るまいと、お弁当を作れば飾り切りくらいするのは当たり前。
ただそれを対子供にするだけで「子供好き」とか「いいお母さん」とか思われるのが、なんとなくしっくりこなくてモヤモヤしている。

私は末っ子で親戚も年上が多く、学校でも部活動を積極的にしなかったし、仕事を始めても部下は年上だったため、自分より年下との付き合い方がよく分からない。
年上の中にいるのはとても楽だけど、年下、特に話の通じない子供たちは本当にどう扱っていいか分からない。
でも親にとても愛されて育ったおかげか、我が子は絶対に産みたかった。
だから、結婚相手に望むことは「いいお父さんになりそうな人」だった。

実際、夫は子供好きで、長男で部活も主将だったり私と間逆の環境を生きてきたせいか、子供の扱いが心底感心するほど上手い。
そんな夫は、子供は絶対に三人ほしいと言い続け、私は「兄弟姉妹がいた方が私が相手しなくても子供たちだけで勝手に遊ぶかな〜」と思い、了承した。
だから決して、子供が好きだから何人も産むわけでも、いろいろ手を掛けているわけでもない。

だけど「私、基本的に子供好きじゃない」と言葉にすると「えっ⁉︎意外」とか「なんかショック…」とさえ言われてしまう。
別に、我が子に愛情がないという意味ではなくて、我が子はもちろん可愛いし娘たちに何かあったら自分の命なんかいつでも捨てられるくらいには愛している。
ただそれが「子供好き」ありきじゃなくて、産んで育ててそうなったということ。
相変わらず子供の扱いは苦手だし、幼い娘たちにも大人と接するように話してしまうし、見ず知らずの子供を可愛いと思うことはまず無い。

女性は母性本能があるから子供好きだとか、子を持つ母親は必ず子供好きだとかはイメージや固定概念に過ぎず、無意識にそれを求められるのが少し苦しかったりする。
「私、子供好きじゃないんだよね〜」と言って得になることは一つもないし、わざわざ言わなくていいことはよく分かってはいる。
場合によっては不快に思う人もいるだろう。
ただ、それでもたまにわざわざ言ってしまうのは、相手の無意識な押し付けに対する私の反発心がウズウズしてしまうからなのだろうな。

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