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日本伝統のレイキの「病腺(ヒビキ)」

前回の「日本伝統のレイキの手の当て方」の中で、病根を探り当てるために病腺(びょうせん)がわかる必要があることを書きました。
ここでは、病腺がどういうものかを説明します。
なお、西洋レイキでもこの病腺を取り入れ、「ヒビキ」という言葉で説明しているところもあります。

病腺を手に感じる

レイキに熟練してくると、受け手の身体に手を当てた時、自分の手に通常ではない何かを感じるようになります。
たとえば、「温かい」「熱い」「冷たい」などの温度の違いを感じることがあります。
また、「ピリピリ」「ジリジリ」など、まるでしびれたような、あるいは微細な振動のような感じを感じたりします。
あるいは、「ピクピク」「うねうね」というような脈動感もあります。
そして、「チクチク」「ズキンズキン」というような痛みを感じることもあります。
これらを「病腺(びょうせん)」とか、「ヒビキ」と言います。

温熱やしびれ、脈動感などは、だいたい手の平に感じます。
痛みは、手の平だけでなく、手の甲や、腕をずっと上って肘から肩にかけて感じることもあります。

レイキを受けた時の感覚が人それぞれなのに対して、この病腺の種類は、施術者によって違うことがあまりありません
そして、これは手を当てている時だけの感覚で、手を離すとすぐに収まります

なぜ病腺を感じるのか?

これは、受け手が氣(靈氣)を受けることによって、氣(靈氣)を必要としている部分が反応し、その反応を施術者の手が感知するからだと考えられます。
したがって、氣(靈氣)がまだ充分に出ないうちは、病腺を感じることはほとんどありません。
また、氣(靈氣)が出る量が少ないほど、病腺を感じるまでに時間がかかるようです。
あるいは、受け手が高齢だとか薬を常用しているなどが理由で、反応が出るまでに時間がかかるということも言われています。

では、なぜ手が相手の反応を感知できるか、ということですが、まだよくわかっていません。
ただ言えるのは、「感じる手」になっていないと、なかなか感じにくいということです。

つまり、レイキの講座を受講したからといって、すぐに感じられるわけではありません。
中にはマスターにまでなりながら、まったく感じないという人もいらっしゃいました。
その状態でマスターの講座を受けさせるのもどうかとは思いますが、西洋レイキではそもそも病腺を重視していないので、こういうことはよくあります。

病腺の変化

病腺は、まるで波のように高くなったり低くなったりします。
これも理由はよくわかっていません。
ただ、自然界には「1/fゆらぎ」という波があると言われるように、波があるのが自然なのではないかとも思います。

日本伝統のレイキでは、この病腺がある箇所に手を当てて、病腺が静まるまで手を当て続けるのが基本になります。
何度かの波を経て、充分に収まるまで手を当てるのです。

また、たとえ熟練の施術者が行っても、すぐに病腺を感知できるとは限りません。
しばらく手を当て続けることで、やっと出てくる病腺もあるのです。
そういう病腺が出てくる時は、概して症状が重いことがあります。

また、その逆に強い病腺がすぐに出てくる場合もありますが、手を当てているとすぐに収まることがあります。
この場合は、概して症状は軽いと言えます。

このように、病腺が強いからといって、必ずしも症状が重いわけではありません。
病腺によって症状の重さなどを把握できるようになるには、それなりの習熟が必要だと思います。

病腺と診断

日本伝統のレイキでは、病腺によって悪い部分を探ります。そして、その状態がどれほど悪いかを判断することもできます。
しかし、これは医療行為で言われるところの「診断」とは違います。

病腺でわかるのは、その箇所と程度だけです。
一方、診断でわかるのは、箇所と程度に加えて、それがなぜ悪いのかどんな状態なのかも判定します。
たとえば、病腺では肝臓がひどく悪いということはわかったとしても、それが肝硬変なのか肝臓癌なのかなど、病名までは診断できないのです。

したがって、レイキで診断をするというのは不可能です。
もし、それをするというマスターがおられるとしたら、それはレイキ以外の何か特殊な能力を使われているのでしょう。
なので、レイキで医療行為を行うことは、診断の面では不可能だと言えます。

遠隔ヒーリングと病腺

レイキでは、遠隔ヒーリングと言って、離れた人へレイキをすることができます。(遠隔ヒーリングのことは、また別に書きます。)
直接手を当てていない遠隔ヒーリングでも、病腺を感じることができます。

このことを利用して、戦時中には、どこにいるかもわからない戦地の夫が無事かどうかを妻が確かめた、という話もあります。
つまり、無事で生きていれば、病腺を感じられるということですね。

ただ、この話は一般的に誰でもできるとは言いがたいと思います。
なぜなら、遠隔ヒーリングにおける病腺は、とても繊細であることが多いからです。
ほんのわずか感じたとか、感じたかどうかさえ微妙なこともあります。
ただ、その感覚を受け手に伝えてみると、「そこが痛かった」などと反応があるので、あの感覚で正解だったのだと思うくらいです。

もちろんこれは、熟練度の具合によってかなり差があります。
中には、背骨の一つひとつを切り分けで、どこからどんな病腺があるかを明確に感じる人もいます。
そこまで来ると、100mを10秒を切って走れる人が限られているように、才能が関係しているのかもしれませんね。

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