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【地中海リクガメ】雌雄判別

リクガメを飼育していて、将来は繁殖を目指そう!と思った時から、雄と雌のペアを確保することになるわけですが、できれば確実にペアを揃えたいですよね。そこでリクガメの雌雄を判別しなければいけないわけですが、ペットショップで販売されている幼体の時は、雌雄判別が難しいです。総排泄孔の形状で見分けるわけですが、幼体の時は、雄雌ともとてもよく似ているのです。
それをこれまで何年も見分けようとあれこれ研究してきましたが、成体ではそれなりに見分けられるものの、幼体では100%見分けるのは難しいという結論に達しました。ショップで幼体を見せてもらって、「これは雌だ!」と思った個体を購入して、何度裏切られたことか。なので、幼体の時に雌雄判別で期待するのは厳しいんだな、と現実を知りました。
それでも、リクガメの雌雄を見分けるのは、総排泄孔と合わせて、総排泄孔に一番近いところにある肛甲板の形状も含めて判別するようにした方が識別の確率は上がります。

ここでは、私は飼育してきた個体の写真を掲載して、雌雄判別のお役に立てればと思います。

マルギナータリクガメのお腹側(腹甲側)(2021年撮影)

上の写真は、両サイドの個体が雌(2匹とも10歳くらい)で、真ん中の個体が雄(20歳くらい)です。雄の総排泄孔が隠れて分かりにくいですが、肛甲板の形状の違いがよくわかると思います。雄の肛甲板の形状は外側に広がるような形状で、雌の肛甲板の形状は小さめです。

マルギナータリクガメ雌の総排泄孔・肛甲板(1)(2021年撮影)
マルギナータリクガメ雌の総排泄孔・肛甲板(2)(2021年撮影)
マルギナータリクガメ雄の総排泄孔・肛甲板(2021年撮影)

写真の雄のために雌を探して確保するのに、15年くらいかかりました。
でも、こうやって成体(アダルト個体)になれば、雌雄の判別はそんなに難しくはないように感じます。それでも卵を産むまでは100%信じきれないのがこの趣味の難しいところです。よくリクガメの雄は、甲羅アタックをすると言いますが、雌でもする個体がいますし、交尾の成功と産卵を確認するまでは結局正確なところは分からないんだな、というのが私の結論です。
それでも少しでも確率よく判別はしないものですね。

以下の写真は、上の雄個体を20年前に撮影したものです。総排泄孔はなんとなく雄っぽいですが、肛甲板は雌っぽくもあります。他にも、雌だと思っていた個体が15cmを越えてから雄だと判明したりして、苦労も多いですね。この苦労を楽しむくらいで探さないといけないのかな、とも思います。

マルギナータリクガメ雄(2001年)

以下は、これまで飼育してきた地中海リクガメたちの総排泄孔の写真を参考として掲載しておきます。

ギリシャリクガメ雌(1)
ギリシャリクガメ雌(2)  

(1)の個体は、2001年にロシア方面のファームから仕入れたと、とあるショップさんから購入したイベラ種だというギリシャリクガメです。撮影時の甲長は11cmほどでその時点で雌っぽかったです。この個体はちゃんと雌の成体になり、10年後にめでたく有精卵を産卵し、子孫を残しました。
(2)の個体は里子にやってきたギリシャリクガメで、里親さんの手に渡りましたので結果はわかりませんが、この写真ではどうでしょうか?。当時は雌と判断していま下が、雄になりそうな雰囲気もあります。

ヒガシヘルマンリクガメ雄の腹甲
ヒガシヘルマンリクガメ雄の臀甲板

上の写真のように、ヘルマンリクガメの成体の雄はとても尻尾・総排泄孔が大きくとてもわかりやすいですね。

ヒガシヘルマンリクガメ雌の総排泄孔

これは、ヒガシヘルマンリクガメの雌の総排泄孔です。分かりやすいですね。

ロシアリクガメ雄の総排泄孔

これは、ロシアリクガメ(ホルスフィールドリクガメ)の雄の総排泄孔です。

ロシアリクガメ雌の総排泄孔

これは、ロシアリクガメ(ホルスフィールドリクガメ)の雌の総排泄孔です。

いずれにせよ、多くの個体を見て、あれこれ悩んでいるうちに雌雄判別力が身についてくると思うので、将来繁殖を目指している方は、多くの個体を見るようにした方が良いと思います。
雌雄がはっきりした成体のリクガメを探すのは雌雄を揃えるのは手っ取り早そうに感じますが、都合よく見つかるとは限らないので、何匹か幼体を入手して、その中から欲しい性別の個体が出てくることも一つの楽しむ方法かな、と最近思い始めました。

まぁ、雄でも、雌でも、リクガメは魅力的な生き物なので飼育を楽しみたいですね。


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