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中小企業診断士受験の思い出と今思うこと

自分が初めて一次試験を受験したのは、2014年8月でした。
台風の影響で電車が止まるのじゃないかと心配しながら、嵐のなか会場に向かった記憶があります。

一からやり直しとなった2度目の一次試験である2016年8月は快晴で、今年と同じくらいめちゃくちゃ暑い日でした。
本当に暑いのか調べてみると、36度を超えていたようです。
https://weather.goo.ne.jp/past/772/20160800/

暑さのピークではないかと思うこの8月上旬の試験は、体調管理にも気を付ける必要があり、なかなか大変だった気がします。

試験勉強の記録を振り返って

試験勉強をしてた頃、こちらのアプリを使って勉強記録をとってました。
Studyplus

私は独学で勉強をしていたので、このアプリのおかげで他の人の勉強具合を確認したり、たまにメッセージのやりとりをするなど、色々と孤独にならず助けてもらえました。

ちなみに後の仕事仲間や受験仲間とは、このアプリを通じて知り合った人達からつながっていきました。

受験勉強の時間は3年合計2000時間

久々にアプリを開いて勉強をどれくらいしていたのか確認したところ、
2013年10月に中小企業診断士の試験勉強を始め、2016年12月の2次試験(口述)まで勉強した時間は、約2,000時間となってました。

この勉強時間が多いのか少ないのかで言うと、時間がかかった方かなとも思います。
ただ大学受験もろくにしていない者からすると、人生で一番勉強したと言い切れます。

最後の年の試験前は月に140時間もやってたようです。(もちろんもっとやっている人いますが)

今、同じように勉強しろと言われても、その気力はもう出せないです。

勉強時間数はそんなに関係ないと思う

合格には○○時間が必要だ。
的なことも書かれてると思いますが、この辺はその人の資質でかなり変わると思います。
同期には、「毎週ある出張の新幹線の中だけ」と言う人もいましたし、惜しいところまで点は取れても不合格で多年度の人もいますので、必ずしも時間と比例するものでもないかなと言った感じです。

ただ合格して思ったのは、高学歴の人が多いことでした。
高学歴の人は地頭も良いでしょうし、受験のコツみたいなのもつかんでいるのでしょうか。

中小企業診断士一次試験の思い出

私は一次試験を2回、二次試験を3回受験しました。

中小企業診断士試験の合格基準

一次試験は7科目(①経済学②財務会計③企業経営理論(経営学)④運営管理(生産)⑤経営法務⑥経営情報システム⑦中小企業経営、政策)受験するのですが、マークシート方式で60%以上の得点が必要です。

1科目60点で科目合格、もしくは受験科目の合計得点が60%以上でも合格します。ちなみに足切りは40%以下となります。

7科目受験して700点×60%=420点をクリアしての合格です。

ただし、一科目でも足切りがあれば、総得点が60%を超えていても不合格となります。

(1) 第1次試験の合格基準は、総点数の 60% 以上であって、かつ1科目でも満点の 40% 未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。
(2) 科目合格基準は、満点の 60% を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。

一般社団法人中小企業診断協会 試験に関するよくある質問(FAQ)

一次試験合格者は二次試験を2回受験できる機会を得られます。

ちなみに、「試験委員会が相当と認めた得点比率」と書かれています。
私が2度目に合格した2016年の1次試験は総得点の59%でした。
試験委員の想定以上に60%で線を引くと、合格者数が少なかったという事と思います。

年ごとに各科目の難易度が相当ぶれますので、一度に7科目受験しているほうが受かりやすいような気はします。

3回も受験した二次試験は、①組織、②マーケティング、③生産管理、④財務に課題のある企業に対して診断・助言をする紙上演習となります。

A42ページ~3ページに書かれた与件文を読み、記述式で解答します。

上記の4科目を受けて、400点×60%=240点が合格となります。

一科目でも40%以下の科目があればその時点で不合格です。

二次試験の合格基準は、こちらも総得点の60%以上で、足切りが40%未満となっています。

筆記試験における総点数の 60% 以上で、かつ、1科目でも満点の 40% 未満がなく、口述試験における評定が 60% 以上であることを基準とします。
なお、口述試験を受ける資格は、当該年度のみ有効であり、翌年度に持ち越しすることはできません。

一般社団法人中小企業診断協会 試験に関するよくある質問(FAQ)

よくよく考えると60%以上で合格できるということは、40%も間違っていいという事です。
他の資格に比べると間違っても良い許容範囲が広い気がしますね。

中小企業診断士一次試験

初めて受験した1回目の一次試験は、直前の模試があまりにも無残な悪い成績で、直前1カ月間気合を入れなおしての勉強だったので、どこまでできるか自信を持てないまま望みました。

なんだか手ごたえがあるんだかないんだかわからないまま終え、結果はラッキーにも合格してました。

最後に受験した2回目である2016年一次試験は難易度が相当高く、当時は59%以上合格、経営情報システムには全員4点加算にもかかわらず合格率が17.7%と、当時の例年(20%~25%の合格率)に比べて低い年でした。

初日を終わった段階で全く合格点に届いている気がせず、二日目も全く手ごたえもなく、「かなりヤバい」と覚悟をしていました。
勉強の記録には、あまりにも試験が難しくて愚痴を言っている記録が残ってました。

近年は30%~40%の合格率と上がっているようで、中小企業診断士自体を増やす意図があるらしいと聞いたことがあるので、その辺が影響しているかもしれません。

https://www.j-smeca.jp/attach/test/suii_moushikomisha.pdf

幸いにして私は自己採点でギリギリ60%を上回っており、自己採点をした当日は、なんとか二次試験を再受験できる喜びに浸ってた記憶があります。

当時は色々とあり、人生を賭けた試験だったので、めちゃくちゃ嬉しかったのだと思います。

中小企業診断士二次試験の思い出

二次試験に課される記述式の試験は、いったい何が正解で何が不正解なのか、いろんな受験校や受験生の合格ノウハウ、都市伝説などの情報が入り交じります。
誰も正解がわからない分、合格した人の言い分が正解かのようになるところが、ますます悩みを増やす要因かと思います。

初めて受験した1回目は独学なのでよく要領もつかめないまま望み、当日受験の部屋が午前と午後で変更されるというトラブルにも巻き込まれた割には、あと少しで合格と言う感じの不合格でした。

結果的には1科目足切りだったので、あと少しでもないかもしれませんが、点数としてはあと6点というところでした。

あまりわかってない割には他の3科目が合格点を越していたので、正直甘く見てしまいました。あと1年あれば十分だろうと。これが翌年の失敗につながります。

翌年の2回目は、自分としてはそれなりの準備をして望みました。なにせ2次試験の勉強しかしていないのですから。

しかしながら結果はあと4点足らずの不合格。しかも2科目は前年を下回っています。

この時の不合格は今でもハッキリと覚えています。
Studyplusで知り合った受験仲間は軒並み合格していたので余計に悔しいのと、超えられなかった自分が情けないのと、応援してくれた家族に申し訳ない気持ちが入り交じった感情をなかなか整理できない日々でした。
自分の人生でも3本の指に入るくらい悔しい出来事でした。

今にして思えば、まだまだ考えが甘かったのだと思います。

最後となる3回目は、一次試験からのやり直し。

相当難易度が高かった一次試験も一発で通過してきたので、この勢いのまま合格目指して8月から10月中旬の試験まで2次試験の勉強をしました。

この3カ月弱が、人生で最も勉強したと言ってもいいくらいしました。

2016年の正月から10月23日の二次試験まで勉強をしなかった日は1日だけ。

ここで合格するか不合格になるかは、今後の人生を大きく左右するということがわかっていたので、悔いのないように望むことだけを考えました。

結果としてこの年の受験で合格するのですが、合格した日の事をよく覚えています。

会社員時代には、自分が専門学校卒で大卒の同僚に出世や給与面での差をつけられていたので、どこか学歴に劣等感を持っていました。
なので一生懸命勉強して合格できたことが素直に嬉しかったです。

遠回りになったが良かったと思う

中小企業診断士試験に合格するまで、勉強を始めてから3年少しかかりました。

大学受験すら満足にせず、専門学校卒の者からすれば、40歳を前にしてこんなに勉強をすることになるとは思ってもみませんでした。

しかし、自分なりの努力が通じず悔しいやら情けないやらの感情を抱けたことも、今となっては良い経験と言えます。

もし、挫折をした経験が無いまま試験に受かっていたら、勘違いをした中小企業診断士となっていたと思います。

また、独立して色々と励まし合ったり情報交換したり、仕事を紹介してくれたりするのも同じ同期だったりします。
もし3回目の時に合格していなかったら出会ってなかったかもしれず、出会ったとしても一年早く合格していたら違う出会い方になっていただろうし一緒に仕事はしていなかったと考えると、2年目に不合格になったのことに意味があったのではないかと思います。

独学で良かったこと

中小企業診断士はそこそこの難易度で、TACを始めとする大手資格受験校や小さな受験校など色々と教育機関があります。

ただ私は講義を聞くスタイルの授業が耐えれないと思い、独学にしました。

一次試験はマークシート方式なので、ひたすら覚えるだけです。

覚える内容は、過去問題です。教科書は基本読みません。

授業を受ける時間があれば、何回も過去問題を解くことができ、覚えてしまった方が合格に近づきます。

二次試験も独学でした。

あるテキストをひたすらやり込みました。

国語の勉強をやり直しました。

3年目は元受験仲間の力を得て、各受験校の模擬問題を数多く見せてもらいました。

そして、最後の試験10日前に、元受験仲間に最後のコツを教えてもらって試験に望みました。

こちらの建てた仮説が正しい方向なのかどうなのかを確認するためです。

考えていた方向性に間違いが無いと確信を持てたことと、もっとわかりやすく説明をしてくれたことで合格できたと思っています。


もちろんこれは私が考えるやり方なので人それぞれですが、この、「自分のやり方を自分で考えてやり切った」ことが重要だったと思います。

試験勉強を始める前、いろんな勉強法の本を読んで、自分に合っているだろう方法を考えました。

また、勉強をしながら仮説と検証を繰り返しました。

合格者に話を聞いて、自分なりの仮説を立てました。

これまた独学は、遠回りだったのかもしれません。

ただ、独立した今振り返ると、自分で建てた仮説と検証を繰り返すことはとても役に立っています。

なぜなら、経営には正解がなく、独立をすれば自分自身で稼がなくてはいけません。
結局は自分でチャレンジするしかないからと考えるからです。

さいごに

いろんな出来事に無理に意味づけをする必要はないのかもしれません。

しかし、自分で仕事をするようになって、「ご縁」というものがある気がします。

その瞬間では回り道や痛手に見えても、この「ご縁」に出会うためだったのではないかと考える機会が増えました。

しかし、その「ご縁」をチャンスにできるかどうかも自分次第なので、これからも自分で考え仮説と検証を繰り返していきたいと考えます。

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