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「車ルート検索」の詳細条件って何があるのかおさらいしてみた

こんにちは、ミルクレープです。
ナビタイムジャパンで『NAVITIME API 2.0』の開発・運用を担当しています。

今回は、『NAVITIME API 2.0』で提供する「ルート検索(車)API」で使えるルートの詳細条件について書いていきます。
※以下、「ルート検索(車)API」は「車ルート検索」、『NAVITIME API 2.0』は『NAVITIME API』と表記します

はじめに

『NAVITIME API』とは

ナビタイムジャパンのサービスを支える各種ルート検索、地図表示などの技術をAPI形式で提供し、お客様のシステム開発でご利用いただける法人向けサービスです。

テーマを選んだ理由

「車ルート検索」は、利用アクセス数が比較的多く、お客様からお問合せをいただく機会も多いです。その際に「期待する車ルートにより近づけたい」というお声をいただくことがあります。
少し視野を広げてみると、物流(トラック)、旅客輸送(バス・タクシー)など、車の運転を業務に含む業種はたくさんあり、同じような要望をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
この記事が、そのような方々にとって参考になる機会となれば幸いです。

書く内容の範囲

  • 書くこと:『NAVITIME API』の「車ルート検索」で使える詳細条件

  • 書かないこと:経路探索で使われている詳細な仕組みやロジック

車ルートの詳細条件は多いです

車ルートの検索時に必須となる条件は、出発地点や到着地点、出発(到着)時間です。それ以外の条件はいくつあると思いますか?

答えは9つです。(2022年7月時点)
『NAVITIME API』の「徒歩ルート検索API」や「自転車ルート検索API」を見ると、条件は3つですので、車ルートは条件数が多いことが分かります。
※厳密には他にもあるのですが、省略しています

車は徒歩や自転車と比べると、
・大型車規制や夜間通行規制など、車両や時間帯によって走行可能な道路の制限が発生する
・渋滞が発生する
・有料道路を通る場合は料金が発生する
というように、ルートを求める際に考慮すべき項目が増えるので、条件が多くなると考えられます。

具体的に見てみましょう。
『NAVITIME API』の「車ルート検索」では、様々な条件で検索するためのパラメータを提供しています。

詳細条件の例

そして今回は、私がおすすめする3つをピックアップして紹介していきます!


経由地巡回モード

まずは経由地巡回モードです。
こちらは、車ルートで経由地を指定した際に、どの順番で回るかを指定します。

具体的な項目はこちらです。※( )内にパラメータの指定方法を記載しています
・指定順(via_type=specified)
・最適順(via_type=optimal)
・経由地間最適順(via_type=via_optimal)

検索結果のイメージ(数字は巡回順を表します)

(A)最適順(目的地までの時間:23分 最終経由地までの時間:22分
(B)経由地最適順(目的地までの時間:30分 最終経由地までの時間:20分

AとBを比較した際に、目的地までの時間はAが短いですが、最終経由地までの時間はBが短いことが分かります。

例えば、このようなお客様の声にお応えます

「配送業務で複数地点を訪問する際の巡回順を状況によって変えたい」
「複数地点を巡回する際に、最終経由地(最終訪問先)になるべく早く着けるルートを探したい」

利用したい/利用したくない道路

続いて、利用したい/利用したくない道路です。
その名の通りですが、道路を指定することで、お客様の期待ルートに近づけることができます。

具体的な項目はこちらです。※( )内にパラメータの指定方法を記載しています
・利用したい道路ID(use_road=XXXX)
・利用したくない道路ID(unuse_road=XXXX)
※XXXXには道路IDを指定します(道路IDは「道路検索API」を使用することで取得可能です)

検索結果のイメージ

都庁→ナビタイムジャパン本社(利用したい道路の指定無し)
都庁→ナビタイムジャパン本社(利用したい道路に都道414号線を指定)

指定した道路を優先的に通る、通らないルートを経路検索時に考慮します。また、複数の道路を指定することも可能です。
※出発地・目的地の位置関係や道路データ収録状況の影響により、指定した道路が考慮されない場合があります

タクシードライバーにとって親しみがある道路名を検索条件に加えることで、使う人の期待ルートに近づけやすくなりました。

例えば、このようなお客様の声に応えます

「業務上必要があるので、指定した道路を通るルートを知りたい」
「タクシーのお客さんから、通りたい道路を指定された場合にカーナビで最適なルートを見つけたい」

規制に関する車体情報

最後に規制に関する車体情報です。

具体的な項目はこちらです。
・車両区分
・料金車種区分
・危険物積載車両通行規制
・車体情報(車高、車幅、車長、車重、最大積載量)

検索結果のイメージ(大型貨物自動車の例)

(A)田園調布警察署→東京都杉並区天沼3丁目付近(金曜日夜間)
(B)田園調布警察署→東京都杉並区天沼3丁目付近(土曜日夜間)

「土曜日の夜間、環八通りのうち、田園調布警察署前交差点から四面道交差点までの間」で大型貨物自動車等の通行を禁止しています。

出典:警視庁「大型貨物等の都心部の通行禁止について」https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/doro/kisei.html

Bはそれを考慮した結果となっていることが分かります。

以前より、大型車の規制に対応してほしいという要望が複数寄せられていました。そこでトラックドライバーが安心して運転いただけるように、数年前にナビタイムジャパン全体でデータの整備、ロジックの開発を行い実現した機能です。

ルート検索する際に必要となる大型車規制データは、警察から入手した情報をもとにナビタイムジャパンが独自に整備し、情報更新を行なっています。
これによって、より実際の道路状況に沿ったルートを案内することが可能になりました。

例えば、このようなお客様の声に応えます

「より実際の道路状況に応じたルート検索をしたい」
「トラックの運行計画を作りたい」
「大型車が通れない道路をできるだけ回避したい」

サービス事例

先月、車ルートに対応した『NAVITIME Widget API』をリリースしました。

実際にどんなルートが得られるのか確認したい方向けにサンプルサイトを用意していますので、ぜひお試しください。

最後に

本投稿を通じて「参考になった!」や「使ってみたい!」と思ってくださる方が少しでもいらっしゃれば幸いです。

全てのパラメータの説明は割愛しましたが、具体的な使い方や制限事項等を知りたい方は仕様書を公開しておりますので、ご覧ください。

お客様の課題解決につながる機能をご提供できるよう、今後とも新規機能開発やサービス改善を行なっていく予定です。

最後までご覧いただきありがとうございました。