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余命1ヶ月だった私へ~迷走編④~

結果として、父からは、直接の答えはありませんでした。
ただ、こう返ってきました。

「そんなふうに思っていたとは知らなかった。育て方に差をつけたつもりはなかった。親として、成人した子どもが治療方法に望みを出すなら、なんであっても、それを優先するしかない。ただ、親の願いとして、普通の治療を受け、体を治し、人生を全うしてもらいたいとは思う」

そんなふうに思っていたと、このとき、初めて知りました。

代替医療で私がさまよう中、何も言わなかったのは、呆れて見捨てたのではなく、あくまで私の意思を尊重してくれていたのだと。断腸の思いで見守ってくれていたのだと。

長年、私が思い込んできた、冷淡な父のイメージとは、180度かけ離れていました。
こんなに愛情をかけてくれていたのに、私は勝手に愛されていないと思い込んでいた。

バカ娘で本当にごめんなさい。

もう遅いだろうけど、最期に本音が分かって、本当に良かった。

こんな時じゃないと訊けなかったとか、私もたいがい意地っ張りだなあ。

呼吸するたび、胸から水の音が聞こえる。
たぶん胸水。真っ直ぐには身体を横たえれない。
身体を起こしていた方が楽になる。
眠るときは、壁に寄りかからなくちゃ。

自分の身体が、瀕死だけど、妙に冷静に見れる。
看護師やってて、これ、良いんだか悪いんだか。

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