06地平線

【誰得】自曲解説コーナー⑤:地平線

こんにちは、こんばんわ、ユートピア!
オレンジTHEキーカの
誰得、曲解説コーナーです!!

地平線←音源はこちら

この曲は月火水木金土日がテーマのアルバム
「虹曜日」という構想のもと
土曜日の曲として、作られました
DTM始めたてで、このアルバムを作り切ることでDTM慣れしましたね。
このアルバムの7曲は、音源作り初心者ってことで
まあひどい音源の7曲ができあがりました。いい思い出です。

一番最初のライブでこの曲をやるぞ!ってなってリメイクを作りました。作った当初はウクレレを想定していなかったんですが、やってみるといい感じのマッチングでした。
欲を言えばもうちょっとリメイクしたいけどね。

最初レコーディングしたときは僕が歌っていましたが、ゆとに替わりました。
ユートピアの語り手がいざなう、精神世界
その色が濃く出てきたことでしょう。

この曲は7拍子
僕が基本としているリズムの取り方ですね
サビの終わりに3や5が入ります。
歌詞の文字数の関係でそうなりました。
そのため、1番と2番のサビの拍子が違います。
その他、最後のサビ前に3.5拍子入ります
僕の一押し7拍子曲です。


さて、この曲のテーマは孤独です

僕は、大学のベンチに座り、
歌詞を考えていた

……。

広大な大地の真ん中佇んでいた
穏やかな風が吹き抜ける
あたりを見回しても
特に何もない。
「どこだ、ここ。」

「さあ、どこでしょう?」
少女は試すようにつぶやいた
小さな足跡をつけながら
荒野を歩いていく少女
茶色いポンチョの頭巾を被り振り返る
「今日は、土曜日よ。この大地はあなたの心境を表してる。」
「つまり、空っぽって事か。」
好きに過ごしていい休日。
こんな一日は時々迷うのだ、なにをしよう。

「そんな、あなたに提案があるの!」
少女は遥か遠くを指をさして言った

ー耳を澄まして

途端に神妙な声で呟く。
「聞こえる?」
「この声は…?」
荒野の遥か先から声が聞こえる
遠く遠くから聞こえるはずなのに
はっきりと
僕の名前を呼んでいる。

この大地は、僕の夢が見せる今の心境なら
この奥は、いったい…。
もしかして、記憶の像がそこにあるのだろうか。
「インナートリップ、したことってある?」
「インナートリップ?」
「今まであなたが綴ってきた言葉は言わば
”今“」
「確かに。僕が書いていたことは、恋愛だったり、夢や希望、応援、喜び。」
「歌はいつも、あなたの心に寄り添う鏡だった。」

そうだ、僕が歌を書くのは、
自分の感情を覗くため。
感情をプレパラートの上に乗せて、
観察して、
時にはその感情に飲まれて…。

だけど、声は誘う。
僕を遠く深く…。
もやがかっていた声は徐々に明らかになっていく。
声質が露わになり、音から言葉が浮き上がる。
それは、僕の声。

「もっと近くにいこうよ。」

インナートリップ。
そんな言葉は知らなかった。
だけど、僕が試したことない僕の感情がそこにはある。
そんな気がしている。

荒野を、踏みしめる
地平線を目指して

「この先にあるのは、過去だ。」
「案内するよ、あなたの過去。」
彼女は軽くおじぎした。
ポンチョがふわっとはためく。

僕が見つめる先が地平線の向こうを指したのは今日が初めてかもしれない。
足音が高鳴る7拍子
声は僕の声、それも幼い頃の僕だ。

僕はいったい何が作りたかったのだろう?

「あの頃のあなたはいつだってあなたを呼んでいる。それは、作りたい。ただそれだけの純粋な気持ちを訴えている。」

「そうか、あの声を忘れていた。」

少女は僕に語りかけて、
夢を締めくくる
「孤独なとき、
雑踏にかき消されていた自分の声が
聞こえてくる。
地平線の向こうから。」

過去を案内されたのは、初めてだった。
ルーズリーフに書き上げた歌詞をしまい
すっかり日が暮れて、薄暗くなっていた構内を後にした。

過去の精神世界へのカギを込めて。


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