見出し画像

RTA in Japan Winter 2023に参加して 零 解説


序章


今年もやって来たRTAinJapan採用作品の当選発表の日

・・・数日が経過

解説依頼無し!

今回は一視聴者として参加だな・・・と思い、当選者の配信におめでとうの挨拶回り。その時に久世さんの配信にもお邪魔していた。

そしたら「今日中に解説決めなきゃ!」とあたふたしている様子。
まあ零は界隈があるし、そもそも私はホラーやらないし、初代零は走者人口が多いし。
そんな感じで挨拶を済ませて、他の走者の配信へ移り挨拶を一通り終える。
しかし翌日!? 

これは・・・! 今の自分にピッタリすぎる内容。
あまりに都合が良過ぎるのでドッキリか罠かと疑うレベルだったが、こんなチャンス黙っているわけにはいかない!
ということで早速DMを送り、もし必要なら引き受けたいことを伝える。運営に確認してもらい(走者がオフで解説がオンなため)、OKとのこと。
そして私に恥をかかせないよう久世さんの方から改めて解説依頼が来て、零の解説を担当することが正式に決まることとなった。


第一夜:先のまま


今回もRiJに参加できる!とは言ったものの零は全くやったことの無いゲームなのでどうしたらよいか。とりあえずシリーズを全部購入してから考えることに。

せっかくなので初代だけでなくシリーズの繋がりが強い刺青の聲まではやろうと思っていざプレイ!

怖い! 暗い! ムズイ! 

信じられないことにまっすぐ移動するのさえ困難で、キャラクターを思い通りに全く動かせなかった。画面も真っ暗で何がどうなっているのかさっぱりわからない状態。こんな状態でまともに操作できるはずもなく即ゲームオーバー。

BGMも怖くて時折切ったり、コントローラーの振動よりこっちが震えているのでOFFに。

・・・

ひょっとして相当ヤバイ解説を引き受けてしまったのではないだろうか!?
確かにホラーゲームなんてめったにやらないので、今までの自分の常識が通用しない。

それでもセーブとロードを繰り返して第二夜を突破!
しかしここで回復とフィルムが尽きてしまい、対抗手段がなくなり強制LOW%がスタート。もちろん手も足も出ず、幽霊一体に一時間かけても倒せない事態に!

ここで自分のチャンネルで零RTAを生放送中に久世さんからアドバイスが届く。そのルートを参考にアイテムを整えて12時間近くかけてようやくエンディングに到達することに!

その後、慣れることもなく「紅い蝶」と「刺青の聲」も死にまくって迷いまくってセーブロードを繰り返し、教えてもらい、10時間以上かけてクリア。

正直一人では全く太刀打ちできず何度も心が折れた。
まともにクリアもできない状態でRTAの解説なんて以ての外で、原稿は先送りで全く進まない状態が続いた。

転機が訪れたのは「刺青の聲」をクリアした時。
「刺青の聲」はなんと1周目ではトゥルーエンドにならないという仕様。
真のエンディングを見るためには強制的に2周プレイしなければならない。

解説を担当するのは「初代」なので「刺青の聲」は関係ないし、クリアに18時間もかかったし、何より原稿をそろそろ始めないと…
しかし「刺青の聲」のエンディングはあまりに素晴らしかった。だからこそちゃんとした形で終わらせたい!そう思ってコントローラーを握った。

この時には糖分さんという「刺青の聲」のRTA世界一走者も来てくれ、モチベーションも上がった。30時間以上零シリーズをプレイしても地図は見れない、まっすぐに歩けない私をみんな助けてくれた。リスナーさんもいろいろアドバイスをくれた。

結果、なんと8時間でクリア!10時間も短縮することに!
これはひょっとして初代もいけるのでは!? 自信がついた!

結果、難易度ナイトメアでSランククリア!
ニューゲームany%で1時間半Sランククリア!10時間半の短縮

5人しか登録していないので実質世界6位の記録だが、3回目のプレイで世界5位相当タイムに15分差まで迫れるほどに。

ちなみにPS2作品は環境にもよるが暗くてプレイが難しいため、HDMIコンバーターも購入することをお勧めする。PS2だけならコロンバスサークルの「HDMIコンバーターV2
PS2でPS1も両方画質も上げたいのなら「McbazelのHDMIコンバーター」がオススメ。
他の注意点としては初代零は容量が大きいのでメモリーカードの空き容量に注意!

紅い蝶の同じシーンの比較(下がHDMIコンバーターを使った場合)

第二夜:語尾遊び


モチベーションが上がれば原稿も進む。
しかしここで3つの問題点があった。

1つ目の問題として零は序盤に謎解き要素(フラグ回収)が多いため、どうしても説明口調が多くなってしまう。特に第二夜は長いので、全体の半分近く攻略説明になってしまうという問題があった。これでは見ている方はただウロウロしているだけに映ってしまう。
なのでただ怨霊を倒すではなく、章や展開が変わるごとにこれから何をするのか結論を最初に示し、今行っていることにはちゃんと目的があると認識してもらう。

1章:「緒方さん」→「巴さん」→「高峰先生」
2章:「子どもを追う」→「目隠しの面を入手する」
3章:「神官」→「氷室家当主」
4章:「キリエから逃げる」→「地下へ向かう」

2つ目は正直自分も苦手なのでホラーゲームというだけで敬遠してしまう人もいる。
そのため最初に茶番や掛け合い、雑談を多めにして明るい雰囲気を作る。しかし茶番ばかりだと零を本当に好きで見に来てくれているコア層が納得しない。このライト層とコア層が両立できる塩梅が非常に難しい。
そこでストーリーは後半でちゃんと触れ、途中の零雑談も開発陣の話で笑える話を選定して盛り込むことでその両立を図った。
個人的な理想としてはライト層が「へー」、コア層が「そうそう」と頷けるような反応がベスト。

3つ目はこれもホラーゲームの運命であるが、本番が深夜帯になるため前回同様に深夜帯に減少する視聴者数をどう繋ぎ止めるか。
前回の「GS美神」では多くの人がSNSでポストした影響か、人数が深夜帯にもかかわらず増え、しばらくトレンド入りしてファミ通.comに取り上げられるほどだった。

そのため零RTAの日に多めにポストして宣伝することを決め、予約設定などでその体制を整える。実際この日の合計インプレッションは自分のアカウントだけでも15.2万。それなりに宣伝はできたと思われる。

こうして大まかな台本が決まり、プロトタイプの原稿が出来上がってくると次はそれにアイディアを加える作業に入る。原稿を書く際はここが一番時間がかかる部分である。基本的には説明口調な原稿に言葉遊びなど言い回しをどう工夫するかであるが、客観的な視点や反応が得られないため毎回難航する作業である。そこでいつも通り最初の10分ほどの動画を作成し、久世さんに見てもらう。結果はOKとのこと。


第三夜:勝鬨


動画を見てもらい、いくつかアドバイスや要望を受け、それを取り入れて半分くらい出来上がったところで軽く打ち合わせて通し練習。ここで新たな問題が!

なんか、なんかすごいしゃべる!

原稿にはないとこでもめっちゃ話す。合いの手も次々入ってくる。
走っている最中に集中できるのかこちらが不安になるほどだった。
タイミングの把握が難しく話す部分も重なってしまう。
半分しか原稿できていないのに残りは走者一人で全部解説できてしまう。解説の存在意義すら危うい状況に!

ひょっとして相当ヤバイ解説を引き受けてしまったのではないだろうか!?前にもそんなことを思っていたような気もするが、そんな中、急いで続きの原稿を作成しなければならない。

そして次回の打ち合わせ。
「モタモタ」「怨念がおんねん」

どう反応すればいいんだ!?

ひょっとして相当ヤバイ解説を引き受けてしまったのではないだろうか!?
なんかものすごく最近もそんなことを思っていた気がするが、息がバラバラでこのままではまずいとお互いに思って、予備日も打ち合わせをすることに。

その間も試行錯誤のやりとりをして予備日の打ち合わせ。

・・・

あれ?意外としっくりくるぞ

今回は掛け合いが多く、何度か打ち合わせてやり取りをするうちにお互いの呼吸がわかって来たのか予想以上にスムーズ。残るは最終打ち合わせだけだが、気持ちに余裕ができ、思わずガッツポーズ!これはひょっとしていい感じに仕上がってきたのでは?

最終打ち合わせも大きな問題はなかったが、乱数が悪く、普段失敗しない場所での失敗や、戦闘が長引くこともあり、そのパターンが来た時の原稿も急遽本番までに作成することに。大きく原稿が変わった場所もあるが、これは逆に本番前に知れて良かった。この時も息は意外と合っていて、なんか違うパターンが来てもお互いに何とかなるんじゃない?という感じだった。
実際に本番で初めて披露した原稿もあるが、久世さんはこちらが想定した通りの反応を示してくれた。

これが終わればいよいよ本番。オンライン解説なので毎度回線落ちが心配だったが、今回に至っては久世さんが何でも話せる人なのでその心配はなかった。


最終夜:聞き手


いよいよ本番。本来の予定よりも1時間近く巻いていてバックアップが入るかと思ったが、控室に呼ばれてそのまま進行することに。

担当の方はアジーンさんで素で驚いた。
しかし本当に驚いたのは次のセリフ

走者が見当たらないのでしばらくお待ちください」

え?あの白い着物を着ていれば目立つはずでは?
久世さんに確認するとあと10分ほどかかるという。本当にいなかったようだ。黒い待機画面で待ちながら隣のブースから前の走者の言葉が聞こえる。

「次でラストステージです」

この時、久世さんは靴が壊れるという霊障に遭っており、本当に大変だった模様。後に会場のボランティアも靴が凄いことになっていたと話していた。
そんなこんなでギリギリ間に合って準備に。

始まる前が騒然としていたので始まってからはいつも通りの進行だった。
降りた階段を上ってしまう怪奇現象があったが、それがなければほぼ自己べペースだったというとんでもない走りだった。特にラスボスのキリエ戦はあまりの速さに原稿を削っても間に合わないくらいだった。(実際は20秒くらい沈黙して緊張感を共有する予定だったが、10秒も経たずに撃破して終わってしまった)

後から見返すと聞き手からは「トークが面白かった」「ホラーなのに楽しく見れた」「掛け合いが楽しかった」「よいコンビだった」という意見が多く聞かれた。

今までで最多の掛け合い数だったが、楽しんで頂けた。苦労が報われた瞬間である。依頼してくれた久世さんには感謝しかない。
コア層もディスコードのサーバーで視聴していたようで好意的な意見をもらった。気になっていた視聴者数も深夜帯にもかかわらず減らないどころか平均視聴数(5万689人)まで達するという快挙に!(特に30~31日の平均は26~27日(3万9034人)と比べると1万人以上多いにも関わらず!)

次に平均に達するのが実質、最高視聴者数を叩き出したマリオカート8DX付近まで間があることを考慮すると深夜では破格の数字である。

翌日、会場で無敵時間さんからトリックの山田上田コンビみたいだったということで写真をリクエストされ、素敵な写真を撮ってもらう。

顔を隠すためのうちわがちょうど売り切れていたため展示用のRちゃんクッションで代用。無敵時間さんから「Y’sさんがRさんになってしまいますがよろしいでしょうか?」とナイスなコメントを頂き、2023年を締めくくる最高の思い出写真となった。


おまけ

今回もありがたいことにファンアート

釈放さんより

あまりにクオリティが高くテンションが上がった1枚。前回の美神の時も作者から届いたかと見間違うほどのレベルで、今回も描いてくれました。
大抵の人は美紅に目が行って奥に稲川ワイズがいることに気付かない。

かめなおさんより

独自のタッチを持ち、いろんな絵を描いている絵師さん。髪の毛とか変わったスクリーントーンかと思ったまさかの手書き!
大抵の人は美紅と久世さんに目が行ってワイズがいることに気付かない。

ひつじこさんより

今回の零RTAを体現したイラスト。しかしこのイラストが届いたのはなんと本番前で、まるで予言したかのような内容になっている。本人も零が好きなようで零プレイヤーは大体こうなるとの談。


零RTA動画
Twitch YouTube

走者:久世悠琳
X  Twitch

解説:ワイズ
X  Twitch

次回も依頼がありますように。 稲川ワイズ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?