６〜7年前の話。その時は桂子先生と一緒に雇われパソコン教室で働いていた。かれこれ桂子先生とは20年ちょっとくらい一緒に働いていて、親兄弟より1番私のことを何から何まで知っているのは、この世で桂子先生くらいだと思うくらい近い人（笑）当時は経営者もノータッチで突き放されたという方に近いんだけれども、なんとか二人で切り盛りしていた。

ある日突然、そのおじいちゃん（80後半くらい）はいかにもフラフラみていて危なそうなくらいの運転で教室の駐車場に横付けして入ってきた。

最初は何を言ってるのかわからなかったし、色々お尋ねしているうちにパソコンの調子が悪いということはわかったので、ノートパソコンかデスクトップかということをお尋ねしたら、”重たいから持って来れない”と返答が。それはデスクトップだと思い、みてみないとわからないのでということでそれならタクシーで持ってくると話がついたので、持ってきてもらう日を予約していただいた。

まぁ、大抵思い通りにはならないパターンで（笑）突然タクシーで予約日関係なく持ってくるおじいちゃん。（ふはは）よくみると、助手席にシートベルトして座っているのはおじいちゃんじゃなくてでっかいデスクトップだった。
タクシーの運転手さんが、降りてきて助手席を開けてまるでお嬢様でも降ろすかのように丁寧にデスクトップのシートベルトを外し教室まで運んでくださったのだ。
そのあとに後部座席からおじいちゃんは出てきた。

もう来たものはしょうがないので、”お預かりします〜！”と言いながらも立ち上げてみると普通に電源つきますけど？みたいなあるある話で、一応見ておこうと思い、メンテだけお預かりした。メンテ終わったあとにお返しして、そこからなんだか常連さんのごとく（メインは教室なんですが・・・（笑））ことあるごとに突然自転車で乗り付けてきて、ちょっと理解をするのに時間がかかる方法でお話しをしていると、どうやら株かなんかの配当金？か何かを受け取るのにネットから手続きをするかなんか（ちょっとこの辺うろ覚えですが）で、それができないから教えて欲しい的な話をされた（と思うのですが）、手続きがなんでもネットでしなくてはならなくなったから大変だ的なことをつぶやかれていて、私たちもそこまでは介入できないのでログインの仕方とかその辺までご案内して、おじいちゃんはとってもご機嫌で帰っていったのです。

それからまたしばらくして、またもや突然現れるおじいちゃん。
今度は確定申告をしないといけないという話をされていて、私はなんでだろう？とか思って例の如く根気よくお尋ねしていると、おじいちゃんの言い分は”自分は株をやって儲けているのと年金があるから誰かからかに確定申告をしないといけないと言われた”みたいな話をされていたのです。
しかし！その時にその収入の明細みたいなのをおっぴろげにウェストポーチから出されて、おっぴろげのポーチにはなんと！札束がそのまま入れてあったのです😂（笑）見たくなくても目の前でおっぴろげにされてると見えてしまう。ひとまずこりゃ大変じゃと（なんとなく額が〜）思って、ちょうど確定申告が市役所でしてると思って、代わりに市役所に電話して、「○○さんという８０代後半の方が、株の収入と年金があるから確定申告されたいそうでパソコン教室に来られたのですが、そちらに行くように今ご案内したので、よろしくお願いします。」と役場の方にお伝えしたら「わかりました」とすぐ言われて、いつものタクシーさんを呼んで市役所まで連れて行ってもらうようにお伝えしたら、おじーちゃんは、おっぴろげのウェストポーチから鷲掴みで現金を握って、「お礼」と私に数万円も渡されたので「えええ！何もしてないのでいらないです。とりあえず市役所行ってください〜税金も払わなんくなるからこれ入りますから（笑）」というとおじいちゃんは「いっぱい儲けとるけんよか。あげる」と何度も差し出してきた。
流石にいただけないので、丁重に何度もお断りして、やっとタクシーが来たので、乗せてさっさと出るように伝えて（笑）送り出しました。

そのおじいちゃん、独身でね、お姉さんの介護しながら二人暮らしだとおっしゃっていました。だから誰も雑務的なことを聞いたり頼れる人がいないからと、教室によってくださったのでした。教室では毎日ほんといろんな面白キャラの方が突然現れて退屈しませんでした。（笑）時々ふと思い出すこのおじいちゃん。今はどうされていらっしゃるのかわからないのですけどね。