見出し画像

ジャ・モラントの法廷証言

メンフィス・グリズリーズのジャ・モラントが、自宅でのピックアップゲームで当時高校生だった少年を殴った事件の裁判で証言に立ち、事件について話しました。モラントが公に事件について話すのは初めてになります。

まず公聴会について。公聴会は月曜から水曜にかけて行われ、モラントと一緒にモラントの父のティーも証言しました。親友のデヴォンテ・パックも火曜に証言する予定だそうです(この記事を書いている月曜の時点で)。

これまでモラントの弁護士は、モラントが原告である当時10代だったジョシュア・ホロウェイを殴ったのは自己防衛だったと主張しています。しかし、ホロウェイは弁護士を雇ってモラントに対して民事訴訟を起こしました。

これまでの事件の詳しい経緯はこちらから見てください。

以下、裁判が行われているメンフィスのメディア媒体である「コマーシャル・アピール」がレポートしていたモラントの裁判の様子になります。

9:00am: 裁判所オープン

9:20am: 原告の弁護士(ホロウェイの弁護士)がバスケットボールを持ってやって来た。

9:25am: ジャ・モラント、ティー・モラント、ダヴォンテ・パック(モラントの親友でペイサーズともめてアリーナを1年出禁になったり、銃のようなものをインスタで見せた時に一緒にいたり、少年を殴った人)が裁判所に来た。

(ジャ・モラントがダヴォンテ・パック(右)と一緒に座っている)

9:30am~9:50am: どうやらモラントの弁護士が証拠となる録音を原告の弁護士に事前に渡さなかったのでもめているようだ。裁判官は突然出てきたものを証拠として使う事を却下した。

9:50am:モラントは警察の弁護士と打ち解けていて、話したり笑ったりしている。

10:00am:まずはモラントの弁護士団の弁護士の冒頭陳述。

モラント側は、ホロウェイ(原告)がモラントに殴られた後に警察に供述した内容と裁判で言っている内容が変わっている事を強調し、このケースは信頼性についてのものだというアングルで攻めるようです。「このケースはウソについてのものだ」

(モラントの弁護士団のひとり、ウィル・ペリー弁護士が冒頭陳述をしている)

目撃者は「全員がチーム・モラント」で家族か、アソシエイトか、モラントからお金をもらっている人たちで信憑性がない事を訴えました。また、ホロウェイは暴行があった時に殴る構えもしていないし、ショーツのゴムを掴んでいただけだったとモラントの主張に反論。供述内容が変わったのは、大人に殴られ後に混乱していたからで、警察に言った事はウソではないと主張。「この裁判所では全員が平等で、誰もが法の上には立たない」

(ホロウェイの弁護士のレベッカ・アデルマン弁護士)

モラントとパックがホロウェイを殴った理由は、ホロウェイから脅威を感じたからではないと自信を持って言えると言った。彼らは家族と友人の前でリスペクトされなかったと感じたから殴ったと言い、「なぜそんな事が許されるのか?」と主張。

(冒頭陳述を聞くジャ・モラント)

11:20am:ティー・モラントが証言台に立った。(中略)

(証言台で証言するティー・モラント)

ランチ休憩。モラントの証言は1:45pmからはじまる。

1:50PM:モラントが証言する事を宣誓した。

(証言前に宣誓をするモラント)

モラントの弁護士はモラントに彼の家族の背景についての質問からはじめた。

モラントは家族には固い絆があると言った。モラントの弁護士は彼の職業を聞いた。

モラント:「私はメンフィス・グリズリーズでプロのバスケットボール選手をしている」

モラントの弁護士はモラントの大学時代の記録とバスケの経歴について振り返った。モラントは子供の頃から父と裏庭でプレーしてスキルを学んだと言った。モラントは最初はそれは好きではなかった。外は暑かったが、父が上手くなるようにプッシュしてくれて、それからバスケが好きになったと言った。モラントはサウスカロライナの家でやっていた「フープ・セッション」は激しくコンペティティブだったが、それはとても楽しかったと説明した。彼はサウスカロライナ時代に裏庭でバスケをするために人を呼んでいたので、いまだに家に人を呼んでプレーしていると言った。

ホロウェイについて、モラントは彼はバスケットボールIQが高い「上級」選手だったと言った。彼は家でホロウェイと5回くらい会ったと言った。モラントは彼は最初はちょっとシャイだったが、彼にシュークローゼットを見せて好きなシューズを選ぶように言ったら心を開きはじめたと言った。モラントは彼と一緒に笑ったと言った。

モラント:「いちど私の事を知ると、私はジョークをたくさん言うのが好きなのがわかる」

モラントは公共の場でバスケットボールをプレーできないと言った。スーパーにも行けないと言った。

モラントは家でのピックアップゲームの雰囲気について話した。「私たちは音楽をかけて、水が入ったクーラーを用意した。それは良いバスケットボールで終わったら食事になる」

モラントの弁護士がテーブルの下からバスケットボールを出して、モラントとチェックボールのデモンストレーションをした。それはメンフィス・グリズリーズのバスケットボールだった。

モラントはモラントの弁護士にチェストパスをトスし、モラントの弁護士はモラントにチェストバスをトスし返した。それからモラントは軽くボールをモラントの弁護士に帰して、証言台に戻った。

(どうやってピックアップゲーム中にチェックアップが行われるのかデモンストレーションをするモラントとモラントの弁護士)

モラントは試合中コートのどこに見物人がいたかを写真にバツをつけた。

モラントはその日は優に10試合以上していたと言った。モラントの弁護士は「誰も最初の49回のチェックボールで顔にボールを当てられなかった?」と聞き、1試合平均5回のチェックボールがあると言った。モラントは「ノー、一度もない」と答えた。(モラントはボールをチェックする時に原告からボールをぶつけられてキレて殴ったと言われている)

モラントの弁護士:「あの日あなたのショットは落ちていたか覚えているか?」

モラント:「そうだ」

モラントの弁護士:「それはいつも楽しいですよね?」

モラント:「私にとっては」

モラントは、あの日ホロウェイは良く競っていて、怒る理由は何もなかったと言った。「でも誰も負けるのは好きではない」と彼は言った。暴行があるまではすべてが普通だった。モラントは、チームが変わる時ホロウェイは「全員から最初に選ばれていた」と言った。

モラントは今その事件について話している。それは試合の間の出来事だったと言った。モラントはホロウェイは足にボールをセットしたと言った。モラントは「あれはリスペクトがなかった。チェックボールをする時に足にボールをセットするのはディスリスペクトだ」と言った。

モラントとホロウェイはスリーポイントラインのトップにいてチェックボールしていた。モラントは、それは夕方遅くで、温度は涼しくなってきていたと言った。モラントは、チェックするために自分がボールをホロウェイに転がしたと言った。見物人たちは早くゲームをはじめるように頼んでいた。ホロウェイはそれをモラントに転がして返した。モラントはそれからホロウェイにチェストパスを投げた。それからホロウェイがボールをモラントに片手で投げつけ、ボールが顔の左側に当たったと言った。それは驚きだったと言った。モラントは、ボールが当たった人が大丈夫だったかとか、胸を叩いて自分のミスだったというような謝り方がたくさんあると言った。モラントはホロウェイはそのような事は何もしなかったと言った。モラントはホロウェイに「何かやっているのか?」と聞いた。なぜならホロウェイは普段と違ったように振舞っていたからだ。

モラントは、ホロウェイは彼の質問には答えなかったが、パンツを上にあげたと言った。

モラント:「彼がショーツを上にあげたのは、私が生まれ育った場所では、それはケンカのスタンスだ」

モラントはホロウェイは彼に向かって一歩足を出したとつけ加えた。

モラントの弁護士は再びバスケットボールを出して、チェックボールのデモンストレーションをした。モラントは、バックスピンがかかったバウンスパスをホロウェイに投げたと言った。彼らは事件のデモンストレーションをやっている。モラントとモラントの弁護士は胸と胸を合わせている。モラントはホロウェイが彼を殴るかと思ったと言った。

モラント:「だから私が彼を最初に殴った。自分を守るためだ」

モラントは、ホロウェイは殴られた後に数歩下がって、それから数歩前に進んだと言った。モラントはホロウェイがまた殴ってくると思ったと言った。それでダヴォンテ・パックがやって来て、ホロウェイを殴って、モラントを掴んでコートの真ん中まで連れて行ってホロウェイから離した。「ホロウェイが倒れて、立ち上がり、みんなが彼を掴んで門まで連れて行った」と言った。その時、ジェイミー・モラントとマイク・ミラーがホロウェイを車まで送って行ったと言った。

モラントはホロウェイは「拳をつくっていて横を向いて、片足を前に出した。ボクシングのスタンスだ」と言った。

モラントの弁護士は才能あるふたりのバスケットボール選手がパスのターゲットを外す理由はあるか聞いた。モラントはないと答えた。モラントとホロウェイのふたりはポイントガードでコートではボールをパスするのが役目だと言った。

モラントはホロウェイが去る時に「私はこの場所を花火のショーのようにライトアップする」と叫んだのを聞いたと言った。

モラント:「それは銃のことのように聞こえた」

モラントの弁護士の質問が終わった。次はホロウェイの弁護士の反対尋問が3:25pmからはじまる。

3:35pm:モラントに対する反対尋問がはじまった。

ホロウェイの弁護士は、モラントに彼はNBAでもっともアスレチックで、速くて、強い選手のひとりかと聞いた。モラントは強い部分を否定したが、彼はもっともアスレチックで速い選手のひとりだと言った。

ホロウェイの弁護士は、グリズリーズのポイントガードとして、チームとコミュニティーのリーダーだと主張し、彼は同意した。弁護士はモラントに、メンフィスの若者の良いロールモデルになりたいかどうか聞いた。モラントはそうだと答えた。

ホロウェイの弁護士:「あなたの行為とどのように振る舞うかが、あなたのブランドに影響を与える。それはあなたの評判に影響をあたえるか?」

モラント:「Yes」

ホロウェイの弁護士は、モラントはメンフィスでバスケットボールをプレーする人たちのメンター的存在でいるべきだと言い、モラントも同意した。モラントは、バスケットボールを当てられる事は希で、チェックボールする状況ではなかったと言った。

モラントは、彼はNBAでバスケットボールを当てられてないと言った。弁護士はバスケットボールをプレーする事において、ボールを当てられる事はリスクか聞いた。モラントは、「体と手でファウルされる」と答えた。モラントは誰かからパスでボールを当てられた事はこの100~300試合では思い出せないと言った。

弁護士はバスケットボールをキャッチするのをミスった事はあるか聞いた。モラントはあると答えた。

ホロウェイの弁護士:「あなたはジェイレン・ジャクソンJr.とデズモンド・ベインからハードなパスを受けた事はありますよね?」

モラント:「ハードなパスとはなんだ?」

ホロウェイの弁護士は少しそれをフォローアップして、モラントはハードなパスを受けた事があると答えた。

モラントは事件前にホロウェイがアグレッシブだったり態度が悪かったとは思わなかったと言った。

ホロウェイの弁護士:「あなたは家でその子たちに教えたかったのですよね?」

モラントはそうだと答えた。ホロウェイの弁護士は、モラントの弁護士がホロウェイはバスケットボールを武器に使ったと主張したに事について聞いた。ホロウェイの弁護士はモラントにボールは「凶器」として使われたと信じているか聞いた。モラントは「(当たると)痛い」と言った。

それからホロウェイの弁護士とモラントの間が険悪になりはじめた。

ホロウェイの弁護士はモラントはバスケットボールでケガをしたか聞いた。彼は「バスケットボールを顔に当てられた」と言った。

ホロウェイの弁護士とモラントの間でやりとりがはじまり、ホロウェイの弁護士は質問に答えるようにプッシュした。ホロウェイの弁護士は最終的にあざができたか聞いた。モラントは「それは1年以上前の事だ」と言った。

ホロウェイの弁護士はモラントの身長と体重を聞いた。モラントは、2022年の事件当時、彼は6’2”で170パンドと登録されていると答えた。弁護士はモラントに、ホロウェイの体重とパック(パックも少年を殴ったと言われている)の体重を知っているか聞いた。モラントはふたりの体重は知らないと答えた。

モラントの弁護士が、この公聴会はモラントの自己防衛の議論についてでパックは関係ないと異議を唱えた。話し合いの後、モラントの弁護士は異議を撤回した。

ホロウェイの弁護士はMBNO (My Brothers No Others)ブランド(モラントが出資しているパックのアパレルブランド)について聞いた。ホロウェイの弁護士はモラントに、目撃者のひとりにいつMBNOのネックレスをあげたのか聞いた。

ホロウェイの弁護士:「ネックレスは本物のダイヤモンドではないですよね?」

モラント:「私はミリオネラーだ」

モラントはパックをアシスタントとして雇っていると言った。彼はまた父をシェフとバーバーとして雇っていると言った。

ホロウェイの弁護士は事件を再現した。ホロウェイの弁護士はモラントの弁護士が最初のデモンストレーションで使ったのとは違うボールを持っている。モラントの弁護士が言っていた事を振り返っている。

(デモンストレーションでバスケットボールを持つアデルマン弁護士)
(アデルマン弁護士とチェックアップのデモンストレーションをするモラント)

モラントがボールを持っている時、弁護士は誰が何時に試合にいたかを聞いた。モラントはホロウェイの弁護士に準備ができているか聞いて、ボールをパスした。彼らはパスをちょっと早くやりとりした。ホロウェイの弁護士はモラントは証人台に立つ間は「真実を語らなければならない」と言った。ホロウェイの弁護士はモラントにボールを返し、彼にどこに当たったかを見せるように言った。それから彼らはそれをすごく速くやった。ホロウェイの弁護士はデモンストレーションでボールをとても強く投げた。モラントは体を避けつつもボールをキャッチした。ホロウェイの弁護士はバスケットボールも脅威もなくなったと言った。モラントは「でもすでに危害は行われた」と言った。

ホロウェイの弁護士はモラントに彼女を殴るように頼んだ。モラントは断った。ホロウェイの弁護士は「彼をどう殴ったのか私に見せてください」と言った。彼は腕を伸ばした。モラントとホロウェイの弁護士の間で、どれだけ速く、どれだけ強く殴ったのかのやりとりがあった。しかし、モラントのデモンストレーションではどちらの結論も出なかった。

(アデルマン弁護士が腕を伸ばして、モラントがホロウェイを殴った時、ふたりの距離はどれくらいだったか聞いた)

ホロウェイの弁護士は、NBAの試合で他の選手から強いファウルを受けた時の乱闘についてモラントに尋ねた。モラントの弁護士が異議を主張。

ここで技術的問題が発生。モラント側の弁護士たちが参加しているZOOMに問題があった。モラントは裁判官に彼女のマイクがミュートになっていないと伝えようとした。

反対尋問再開。

ホロウェイの弁護士はモラントにホロウェイを殴るよりも他にできた事があるか聞いた。モラントはあると答えた。

ホロウェイの弁護士:「あなたは他の選択肢をする時間がありましたよね?」

モラント:「だから私は彼に質問をした」

ホロウェイの弁護士:「彼をプッシュする時間はありましたか?彼に家から出て行くように言う時間はありましたか?」

モラントは同意した。

ホロウェイの弁護士はマイク・ミラーの証言を読もうとしたが、モラントの弁護士が異議を出した。弁護士は読むのを撤回した。

ホロウェイの弁護士は、モラントと元メンフィス・タイファーズの野球選手のアレックス・ロマックスとの間のメッセージのやりとりのスクリーンショットを出して、それを証拠として使いたいと言った。モラントの弁護士はそれは風聞だと異議を唱えた。モラントはそれらの内容を覚えていないが、見たら思い出したと言った。メッセージにはパックも含まれていて、それは事件の後だった。モラントはロマックスがメッセージをくれた事を覚えていると言ったが、内容は覚えていないと言った。そのメッセージを正式に読む事に複数の異議が唱えられたが、ホロウェイの弁護士は前に進めた。まだメッセージで何が言われていたのかハッキリはしない。

モラントは事件前にホロウェイを恐れてはいなかったと言ったが、事件中も事件後も彼を怖がっていたとは言っていない。モラントはコートにいた人たちに謝り、自分を守っていただけだったと言った。ホロウェイの弁護士は、それはモラントが何か悪い事をしたのでそう言ったのか聞いたが、モラントはそれを否定し、謝ったのはピックアップの試合が終わらなければいけなかったからだと言った。

ホロウェイの弁護士:「あなたはこの裁判で、あなたはホロウェイが殴ってくると恐れた事を信じてもらいたいのか?」

モラント:「Yes」

ホロウェイの弁護士:「それは痛むから?」

モラント:「パンチとはそういうものだ」

モラントは暴行は10秒続いたと言った。モラントはホロウェイがボールを片手で投げて、それはチェストパスではなかったと言った。弁護士は、マイク・ミラー、アレクサンダー・ンドン=ブルーとチップ・ブラントは信頼できるか聞いた。その3人全員が宣誓し、モラントに当たったそれはチェストパスだったと証言している。

モラントは暴行でホロウェイがケガしたとは知らなかったと言った。その後、彼が大丈夫かチェックしなかった。彼はまたホロウェイが頭をケガして病院に行ったとは知らなかったと言った。モラントはまた、ホロウェイには謝っていないと言った。

(ホロウェイがモラントにボールを投げた後、どうやってモラントにぶつかったのか聞いているアデルマン弁護士)

モラントはホロウェイの弁護士から今日もしホロウェイが裁判に来ていたら謝るか聞かれた。

モラント:「しないかもしれない。私は自分を守っていただけだ」

ホロウェイの弁護士は、誰かを威圧して非難された事はあるか聞いた。モラントの弁護士は異議を唱えた。

ホロウェイの弁護士は質問を終わりにした。モラントの弁護士が再主尋問に戻った。

モラントの弁護士:「ジョシュア(被害者)があなたに何をすると思ったか?」

モラント:「私を殴る」

5:00pm:ジャ・モラントが証言台から出た。

モラントの弁護士が「バスケットボールをプレーしに行け」と言った。モラントは少し笑って「まだしばらくかかる」と言った。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?