卑怯な大人19

中岡の妹、麻紀を日曜日にどこかを連れていく約束

をしていたのでバイト代を貯めて普段行けないような

ところに連れて行ってあげようと思いました。

「もしもし」「中岡さんのお宅ですか?」

「はい」

「麻紀さんいらっしゃいますか?」

「あっ 中元君??」

「そう」

「えーー 電話してくるなんて珍しいやん」

「どうしたの」

「いや どっか連れてってて言ってたやん」

「どこ行きたい?」

「どこでもいいよーーー」「まかすわー」

「わかった 考えとくわ」

といったものの高校生の俺には遊園地かディスコ

ぐらいしか思いつきません。

夜は生意気にもれんが亭のステーキを奢ってあげようとだけは決めてました。

阪急三宮駅東口で待ち合わせました。

時間通りに行くとポニーテイルに束ねた髪に白いワンピース

の麻紀が笑顔で待っていました。

あまりに可愛くて心臓がドキドキしたのを覚えています。

「待った?」

「うん でも少しだけ」

「どこ連れてってくれるの?」

「王子動物園いこか?」

「えー 王子動物園??」

「あー 久しぶりに行って見よかと思ってん」

「いや?」

「ううん いいよ 動物好きやし」

「私も久しぶり」

麻紀は明るく素直な性格でハキハキ答えます。

「バスでいくん」

三宮から王子動物園まではバスか阪急で行きます。

「阪急で行こ」

阪急三宮にいた事もあり王子動物園のある阪急西灘までは

三宮から2つ目駅です。今は王子公園駅に名前が変わってますね

切符を買いに歩き始めるといきなり麻紀が腕を組んできました。

「お兄ちゃんのこといろいろありがとう」

「店でもみんな先輩のお姉さんみんな可愛がってくれるねん」

「中元君が言ってくれてんねんやろ」

キラキラした眼でそう言われました。

俺はもうこのまま天にも昇るような気持でした。

切符を買って駅の改札に行こうとしたら前から

肩をゆすぶっていかにもヤンキー丸出しのやつらが

歩いてきました。

「お~い 麻紀やんけ」「何やっとんねん」

「中元君 はよ いこ」

麻紀の知り合いの様でしたが無視していこうと

しました。

(うわーーー またメンチ切られてる)

俺はめんどくさいので目を合わさないように

していました。

「こいつ 誰ぇやぁ~~」

「俺とデートしてくれんとこんな奴とどこ行くねん」

麻紀が切れました。

「うるさいなぁ~ ほっといてよ」

無視して行こうとしたら俺の袖をつかまれました。

「やめんかぃや ボケェ!!」

そう言うといきなり殴られました。

ここで喧嘩したら今日は最悪やと思い我慢しました。

で2人の顔を見たら1人はビーバップハイスクールにでてくる

不良そっくりでしたがもう1人の顔に見覚えがありました。

「あれ おまえ 西山ちゃうんか」

「あれ だいか?」


続く。。。。

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