卑怯な大人最終回

俺は川島さんに告げ口をしたようで

口の中がずっと苦い感じでした。。

川島さんから預かった封筒とお金をもって

市民病院に入院している中岡のお母さんところに

届けに行きました。

いつもいるはずの麻紀はその場所にいませんでした。

「中元さん 本当にすみませんーーー」

「いえ そんなん謝らんといてください」

「僕なんもしてませんし、ただ頼まれて届けに来ただけです。」

お母さんはベットの上で土下座をしようとしたので

抱きかかえるようにして元に戻してあげた。

(なんやめちゃ軽いやん)

お母さんは葬式で見た時より更にクシャクシャな

顔で泣いていた。

「早く元気になってください」

「では失礼します。」

市民病院から家に帰りながら空を見上げると

どんよりと曇っていた。

最近何故か空を見上げるといつも曇っている。

それから何日か経って麻紀から電話があった。

「中元君、今までほんま色々有難う」

何故か麻紀は電話の向こうで泣いていた。

「わたし 新井さんにみてもらうねん」

「( ゜▽゜;)エッ 新井??」

「な なにをみてもらうん・・・??」

「全部・・・」

「あ・・・・・・」

いくらガキでもみてもらう事の意味が分かった。

(新井さんとは麻紀を気に入って

毎日のように来ていた人で、会社を何個も

経営している大金持ちの社長さんや)

(俺のようなガキに麻紀やお母さんのことを面倒見れるわけがない)

(麻紀は2ごうさんにでもなるのか。。。)

俺は麻紀の話を聞いて言葉が出なかった。

「中元君 元気でね泣」

電話を切った。

ガキの俺に何ができるねん

悔しいけど大人に勝てん

麻紀とは縁がなかったという事なのか

俺には布団をかぶってまるむしのように

まるまる事しかできなかった。

(俺はこの1年足らずになにをしとったんやろ)

普通はそう思って振り返り自分の道を行かないと

いけないと思うのだろうが、俺は全くなにもかも

訳が分かっていなかった。

(あーただのアホや)

1年足らずの間に色々あった事を想い出すぐらいで

それにどうこう答えをだせるほど俺は大人でない

ベッドの中で天井を見つめぼんやりしていた。

まわりの全ては時間とともに変化して

変わって行くのに何故か俺だけは変われずにいる

ような気がした。

ドンドンドン

(誰やぁ)(また取り立てか??)

玄関のドアを開けると同級生の忠一と林田やった。

2人の顔を見て何年も会ってなかった様に

懐かしく思えた。

「おーなんや お前らか」

「お前長い間なにしとってん」

「あぁ いろいろあったんや」

「何があったか話すわ」

「そんなんよりかつ丼でも食いに行こうや」

「おー いこかぁ!!」

またどんより曇っているかと空を見上げると

嘘のように高く青い空が広がっていた。

忠一と林田の楽しそうに笑った顔を見ながら

ふとこのままいつまでも歳をとりたくないと思った。

でもそれは到底無理な話で時間だけはどんな

人間にも平等に過ぎ俺もいつか西村さん

や山本さんたちの様に歳を食う。

この1年足らずの間に色んな大人を見た。

ただ一つ俺はどんなことがあっても卑怯な大人には

ならへんぞと心に誓った。

あとがき

何となく書いたフィクションの文章ですが実在する人を

モデルにしました。

読みにくいところもあったと思われますが

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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