卑怯な大人17

中岡に〇くざをやめろとけしかけ

事務所までついて行き辞めさせた以上

「俺には責任がある」とガキながら

男気に燃えてました。

(どないかしてでも雇ってもらうようにするで)

心の中でそればかりつぶやき、卑怯な作戦ですが

阪神広島戦をたてにして必死でお願いしました。

「中元君、あのなぁ いくらやめたと言うても〇くざは〇くざやろ」

ふつう誰でもそう思うのは仕方ない事かもしれません。

世の中一度ドロップアウトした人間はまともな道に更生できないように

なってるんだとその時感じました。

まして店長は嫌な思いさせられたので余計そうだと思います。

「俺が責任持ちます。」

「えっ!」

「あいつがなんか起こしたら俺が責任持ちます!」

俺は中岡の気持ちも聞かず勝手に話を進めてしかも

責任とるまで言ってしまってました。

いまから考えると完全に勇み足で中岡が嫌やと言ったら

空回りです。

しかし当時の俺は今よりもっと思ったら突っ走ってしまう

性格だったので後先などは考えていませんでした。

「う~ん」

「お願いします!!!」

「1塁側やんなぁ」

「えっ」

(お これはいけるかもww)

「あ~ ダッグアウトのすぐ後ろの席とか言ってました。」

店長は腕組みをして眉間にしわを寄せてます。

しばらく沈黙が続きました。

「よっしゃ!」

「1か月ごとに様子見るけどそれであかんかったら

即やめてもらうけどええか?」

人手不足と俺が責任取るといったことが効いたのか

中岡は雇ってもらえることになりました。

その夜俺は中岡の家に行き中岡にそのことを

話しました。

「出しゃばったことしてすまん」「嫌なら断るわ」

中岡はうつむいたままでした。

(あー 本人の気持ちも考えず 俺はアホやなぁ)

なんか中岡の肩が震えています。

(えっ! 泣いてんの???)

「だい ほんまにありがとう泣泣」

「俺 ほんまは真面目に生きて見たかったんや」

「店に謝りに挨拶に行くからついて行ってくれるか?」

「だいに迷惑かけんと頑張るわ!!」

「おおー 明日行こうぜ」

「中元さん ほんまにありがとうございます ゴホゴホ」

奥から中岡のお母さんが起きてきました。

土下座をされてどうしようかと思いました。

ガラガラ

奥の部屋の戸が空きました。

「中元君 日曜日どっか連れてってくれるって約束したんちゃうん」

麻紀でした。

家に麻紀がいると思っていませんでした。

いたずらっぽい表情でニコッと笑ってそう言われました。

「えっ!!」「あーーー ほんまや ごめん」

「こいつ だいにどっか連れてってもらうって喜んどったぞ」

「お兄ちゃん いらんこと言わんとって」

中岡はニコニコ笑ってました。

続く。。。。

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