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東京モーターショー、がっかり&楽しかった話

お台場周辺で開催された東京モーターショーに行ってきた。

今年は約130万人もの来場者があり、例年の7割増だったらしい。
過去10年以上(近年は2年に1度開催の)モーターショーを見に行っているが、確かに今年は来場者がとても多い印象だった。

東洋経済オンライン(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191107-00312948-toyo-bus_all)
の記事によると、来場者が増えた要因の一つとして子ども向けの展示(キッザニアなど)を充実させたことが挙げられるようだ。

だからこそ言いたい。モーターショーよ、おまえもかと。

クリティカルさに欠ける印象のモーターショー2019

ペーパードライバーだしコアな車ファンでもないが、モーターショーだからこそ見られる展示を毎回楽しみにしていた。
日産であれば新型GTRだとか、マツダのやる気しか感じられないコンセプトカー、実際にレースで使われたF1カーの展示などだ。もちろん、それを華やかに彩るコンパニオンも欠かせない。

だが今回のモーターショーでは、見ていてワクワクするようなスーパーカーの展示は少なかったし、コンパニオンがいたのも日野や三菱ふそうなどトラック部門くらいだったように思う。トヨタに至ってはコンセプトばかりで、車の展示がほとんどない状態だった。

何が言いたいかというと、大人の遊び心をくすぐる度合いに欠ける、クリティカルさを失った内容で、非常に残念すぎる印象だったということだ。
まるでインディーズバンドがメジャーデビューしてしまったがためにフレンドリーさを得てしまい、本来持っていたとげとげしさを失ったかのようであった。

来場者数が伸びればそれでいいのかもしれないが

開催者視線では今年のモーターショーは危機意識があったときく。来場者数はジリ貧で、このままではモーターショー自体が終わってしまうという危機意識だ(前出の東洋経済オンライン記事より)。

もちろん、モーターショー自体が終わってしまうのは元も子もないし、車産業はなんだかんだ日本の主産業のうちのひとつだからこれ以降も発展していって欲しい気持ちがある。
でもそれは、アニメにあるような、海外ではすでに法的整備が検討されている空中での交通手段を見せるとか、車を通じてこんな未来を見せるよ、といったものではないのかと思う。
それに対しての今回のモーターショーは子ども向け施設を充実させ、家族で遊びに来やすい展示内容にすれば来場者が増えるという安直さが見えかくれしてしまう。
若者の車離れが問題視されている昨今、車は楽しいものなのだという意識付けを子どものころからすることで、将来性を担保したかったのかもしれない。でも、それで面白みを失っては仕方がないと思う。

唯一楽しめたOpen Road

有名メーカーの展示ははっきり申し上げてつまらなかったのだが唯一楽しめたのはコアなユーザーによる実車の展示だった。
今回のモーターショーは会場が分散されたので、会場と会場をつなぐ道(Open Road)にいくつもの実車が展示されていた。特に目を引いたのは痛車や、金ぴかに塗装されたフェラーリの展示だった。
フェラーリに痛車ペイント、と少し驚いたが、車とキャラクターへの愛情が感じられ、グッときたのだ。

↑痛車フェラーリ

このグッとくる感じ、これがメーカーの展示から感じられなかったのだ。メーカーの展示から車への愛が感じられないとは困った事態だと思う。

メーカーに期待すること

車に乗るとこんなに楽しいことがあるよ、車はまだまだやれるよということを見せてほしい。スポーツ部門でも頑張ってます、というところを見せてほしいし、乗り物の未来を見せてほしい。それに尽きる。