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🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ[2019/9/9~15]

今回から🗾国内サイトの記事と🌎海外サイトの記事で分けてみました。一番大きな記事はマクドナルドの音声スタートアップ買収ですね。


🗾国内サイトの記事

🍳アプリでのカスタマイズ注文やキャッシュレス決済が可能な次世代型食堂オープン(近畿大学)

近畿大学は、日本の大学で初めてプロテイン入りのメニュー等を提供する「DNS POWER CAFE」と、近大発食材を使ったメニューなどを提供する「THE CHARGING PIT&DINER」を2019年9月12日にオープン。同食堂では、キャッシュレス決済スマートフォンからのオーダーもできるなど、“次世代型新食堂“として学生の利便性も最大限に考慮した新たな取り組みを進める。

近大マグロで有名ですが、「超近大プロジェクト」として、キャンパスの整備を2014年から進めてきたということで、PVを見てもかなりの本気度が伝わってきます。

「食事メニューをカスタマイズし、事前キャッシュレス決済、時間指定予約ができる新食堂専用アプリを提供することで、並んで待つことなく自分自身に合った食事をすることができる。」という学生や教職員にとっては神アプリがリリースされており、コンセプトだけで終わらずにキッチリ成果を残していますね。
「超近大プロジェクト」におけるその他の取り組みについては以下をご覧ください。


🍳一番美味しい農水産物を産地から直送する「ukka(ウッカ)」が目指すものとは

農水産物および加工品の一番星だけを、産地から直接届けるサービス「ukka(ウッカ)」がフルリニューアル。現時点で全国100以上の生産者が参画。取扱商品数も数倍に拡大し、農業界で注目されるこだわりの生産物をより手軽に手に入れられるようになった。

生産者がこだわって作った一番星の生産物」という表現にサービスのこだわりを感じますし、何より各商品ページからも生産者の熱意が伝ってきます。こだわりを自慢したい作物があるものの流通に乗せられない、という生産地の課題解決がサービスの発端であり、目標は「お取り寄せ1兆3000億円市場の1%を取ること」ということで今後の動向にも注目です。


🍳Amazonとライフコーポレーション、東京都内の一部地域において生鮮食品のオンライン販売を開始

Amazonプライム会員向けサービス「Prime Now」において、ライフで取り扱っている数千点の生鮮食品や惣菜の商品販売を2019年9月12日(木)より開始、ご注文から最短2時間でお届け。配送エリアは、東京都の新宿区、板橋区、練馬区、北区、中野区、豊島区、杉並区の7区(一部エリアを除く)で、今後順次拡大していく予定。

ここ最近ライフの動きが活発です。昨年末港区に初出店をしましたが、商業施設の一角でそれなりに規模も大きく、職場が近いため行ってみましたが、オフィスワーカーの朝・昼食需要を取り込むための総菜売り場が充実しており、イートインスペースやセルフレジ等機能性も充実していました。

大阪でも都心型小型店を新業態「Miniel(ミニエル)」としてオープンしています。

また、全店で決済手段を拡大する等、社会の変化やエリアに即して常に最適化を模索し続けていますね。


🍳地球を食べ尽くす前に、わたしたちは「食糧システム」を根本的に変えなくてはならない

人類は気候変動と食糧供給の板挟みになっている。地球を守るためには森を保護し植林をしなければならない一方、爆発的に増加する人類の腹を満たすにはさらなる土地が必要だ。この状況を打破するためには、肉を食べない食生活への転換や、新しい技術の開発といった単体の解決策では不十分だ。わたしたちは、大きな変化を並行して起こさなければならない。

「気候変動の原因である温室効果ガスの37%は世界中の食糧供給システムによって排出されているにも関わらず、そこで生産されて食料の4分の1を無駄にしている…。」
こちらはニュースというよりコラム的な記事ですが、人類として永続的に繁栄していくためには、「今変わらなければ、地球は食べ尽くされてしまう」この危機は非常に大規模なものなので、過去に類を見ないほど広範囲にわたる連携プレーで臨むしかない、と提言しています。気候変動に意味のあるインパクトを与えるには、培養肉にしろ昆虫食にしろアプローチは色々とあると思いますが、企業や国単位ではなく人類としての取り組みが必要になってくるということですね。


🍳ウーバーイーツ幹部に聞いた、「出前」ビジネスの先に何を見据えているのか

スマホで頼むと料理を届けてくれる「出前」が世界で急速に広がっている。背景にあるのが「飲食宅配代行サービス」の普及。デリバリーの急激な進化の先に、どんな食の未来像を描いているのかを ラージ・ベリー氏 (ウーバーイーツ・アジア太平洋地域統括本部長)に聞いた。

結論からするとWhatとHowの多様化ですね。現状、Whatの部分は「出来立ての料理」でHowの部分は「デリバリー」ですが、今後は食材や日用品等のリテールの分野まで、デリバリーのみならずテイクアウト等ユーザのニーズに即した提供方法に広げていく、ということで、ローソンとの提携を皮切りにどう市場を広げていくのか今後も注目です。


🍳グラブ、キッチンサービスの試験展開を開始―まずはホーチミン

シンガポールを本拠地として東南アジア各国でタクシー配車・予約サービスを展開するグラブ(Grab)は11日、ホーチミン市トゥードゥック区で、アプリ経由でのデリバリーのみを目的とするキッチンサービス「グラブキッチン(GrabKitchen)」を試験的に開始した。これはベトナムで初めて登場する新しいサービスモデル。

いわゆるゴーストレストラン/シェアリングキッチン/クラウドキッチンと言われているスタイルですね。レストランや飲食店側は本サービスで遠方に小さな「キッチン」を設けることで、新規顧客の開拓が可能となるほか、配達時間が短縮でき、ビジネス効率の改善にもつながると見込まれる、とのことで、競合であるGo-jekはGoFood Festivalというフードコートイベントを展開して顧客を広げていっていますので、このあたり両社の競争が今後も見ものですね。



🌎海外サイトの記事

🍳マクドナルドがAPPRENTEを買収

マクドナルドは、複数の言語で音声ベースの注文を自動化できる会話型エージェントを構築するスタートアップであるApprenteを買収すると発表。このテクノロジーにより、「ドライブスルーでより速く、より簡単に、より正確に注文ができるようになり、モバイル注文やキオスク端末に組み込む可能性が高まる」と述べている。

今週、海外のニュースで一番大きかったのはこれですね。今年初めにモバイルアプリベンダーのPlexureに投資、4月にもAI技術によるパーソナライゼーション体験を目的としてDynamic Yieldというスタートアップを3億ドル以上で買収しており、顧客体験と省人化への積極的な投資が伺えます。
すでに8,000を超える米国のレストランのドライブスルーウィンドウにDynamic Yieldの技術を投入していて、時刻、天気、またはレストランの混雑度に基づいてアイテムを提案することができるとのこと。
やはりこれだけの規模の企業ともなると、提携ではなく買収という手段を取ってしまうところにスケールの違いを感じてしまいますが、その方がよりスピーディーに意思決定&実戦投入できる、ということでしょうか。


🍳コーヒーチェーンの店舗数 ガソリン大手・中国石油化工がluckin coffeeを上回る可能性

中国国有石油企業大手の「中国石油化工集団(シノペック)」傘下の小売り事業「易捷(easy joy)」はコーヒーチェーン「連咖啡(Coffee Box)」と提携し、新しいコーヒー小売りブランド「易捷咖啡(easy joy coffee)」を立ち上げた。

このタイミングでコーヒー事業を立ち上げるということは、市場はまだまだ伸びると見ているのか、奪い取れるという自信があるということなのか。確かに傘下である中国最大手の約28,000店舗もあるコンビニやガソリンスタンドに付設する、というかたちならその余地はありそうです。
提携先が連咖啡(Coffee Box)ということで、こちらは最近大型の資金調達を行っており、ラッキンコーヒーに続く新たなスタバ挑戦者と目されています。また、そもそもスタバ等のコーヒーをオンデマンドでデリバリーをする事業からスタートしており、ラッキンコーヒーのように来店型の店舗を構えるというよりもフードコートの一角やデリバリー専用店舗に強みを持っているので、中国特有の超スピード展開というパターンもあり得そうです。
↓こちらは先日の中国視察時に撮影してきたアリババの新しいコンセプト店「筷马热食」内にあるCoffe Boxです。

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🍳中国スーパー大手「永輝超市」 小型店舗と宅配サービスでライバルに迫る

テンセントが出資する中国小売大手の「永輝超市(Yonghui Superstores)」の業績は、スーパー関連事業を主業務として以降好転している。永輝雲創の現在の業態には、テクノロジーを活用した次世代スーパー「超級物種(Super Species)」のほかに「永輝生活店(生鮮食品+コンビニエンスストア)」と「永輝生活衛星倉(中小配送倉庫からの宅配)」がある。

中国ではリテールの中でも特に生鮮食品分野の競争が激しくなっています。「モバイルオーダー+中小型店舗兼配送倉庫から配送+30分程度の即時配達」というモデルが今は主流のようで、もともと「盒马鲜生」や「超级物种」あたりは店舗としては大型ですが、コンビニやスーパー程度の店舗を密度濃く出店することで、出店スピードを上げつつ配送エリアの効率化やシェアを取りに行く戦法に各社注力しています。


🍳「中国スゴイ!」と持ち上げられた無人コンビニ、バブル崩壊でただの箱に

面積は小さいのでテナント料は安い&無人なので人件費も少ない→だからすぐ儲かる、という論法で小売りの未来を提示して華々しく登場したものの、ビジネスモデルとしては成功しなかったと結論づけられそう。

まさにバブルが弾けたというイメージですが、同じように国内を席捲したシェアサイクルもバブル後業界再編に動いています。

「便利蜂」や「猩便利」という無人コンビニが元気、と記事にはありますが、買い物という主導線では店員を介さないという意味で「無人」でありつつも、何か困ったことや聞きたいこと等があった場合はすぐに店員に聞くことができる、というデジタルの強みと人にしかできないケアの部分を両立させることがサービスとしての本質であり、店舗型の未来だと思います。


🍳ドイツ食材宅配サービスのHelloFresh、スウェーデンに進出

ドイツのミールキット宅配サービスHelloFreshは、スウェーデンでもサービス提供を開始、約470万世帯の人々が暮らすスウェーデンには、ミールキットサービスを提供するのにふさわしい大きな可能性を秘めていると考えている。

日本でミールキットと言えばOisix、パルシステム、ヨシケイあたりが有名でまさに食品通販市場を支えておりますが、今後もこの市場はゆるやかに伸びていきそうです。

海外ではHelloFreshBlueApronが最大手として君臨しており、お互いにしのぎを削っています。両社は何かと比較されることが多くサービス全般においての比較サイトはなかなか面白く、消費者にサービスが広く受け入れられていることがわかります。


🍳Uber Eats、厳しい競争の中で韓国から撤退

世界第4位のオンライン食品配送市場での激しい競争に直面していたUber Eatsは、韓国でのサービスを終了すると発表した。

韓国や全国でも有数なデリバリー文化国であり、Woowa Brothersが運営する配達の民族というサービスが最大手です。そのWoowa BrothersもLINEと組んで2014年に日本でデリバリーサービスを開始しましたが撤退しており、すでに自国サービスが展開されている中でのシェア争いの難しさを感じますね。こちらもフードデリバリーが活況なインドにおいても撤退の噂がありますが今後どうなっていくのか、まだまだ戦いは続きますね。



以上。

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