今週は台風の影響が大きく、宅配サービスについても多くの方が関心を持つようになりましたね。

🗾国内サイトの記事

🍳食品宅配市場／2018年度2兆1399億円「ミールキット」好調

矢野経済研究所は国内食品宅配市場の業態別8分野の動向・参入企業動向・将来展望を明らかにした。2018年度の食品宅配市場規模（主要8分野合計値）は前年度比2.8％増の2兆1399億円と推計。2016年度に2兆円の大台に乗り、少子高齢化の進行で国内の食関連市場が縮小傾向にあるなか、堅調な伸びを示している。

引き続き宅配市場は微増を続けていますが、特にミールキットの分野が伸びているとのこと。2023年にはここからさらに3000億程度増える見込みですが、外食チェーン・ファストフード宅配（グラフの紫色）が倍程度に増えていますね。今後もUberEatsのようなプラットフォームやブランドそれぞれのサービス拡大が続きそうです。

🍳吉野家、スマホで注文・決済導入　店では商品を受け取るだけ

吉野家は、スマホで事前に注文・決済を済ませ、店に着いたら即商品を受け取れる「モバイルオーダー」を年度内に導入。テイクアウト限定で、軽減税率の対象となる点もアピール。

驚きました。松屋やすき家のようにオリジナルアプリで実施するのではなく、「ｄ払い」内でミニアプリとして展開されるとのこと。ローソンも年度内導入予定とのことですが、そもそもｄ払いでミニアプリを展開するんですね。

LINEが今年のカンファレンス（LC19）にて発表しましたが、今後はプラットフォーム系サービスのミニアプリ（ミニプログラム）展開によるさらなるスーパーアプリ化が促進されていきそうです。

🍳【モバイルオーダー】、需要と供給にアンバランス！大人気ファストフード店も情報弱者？

ファストフード店からレストランまで外食でもネット注文となるモバイルオーダーが拡大している。外食店がモバイル・オーダーを導入すると、レジ待ち行列を緩和し、注文の聞き取りミスや勘違いによるヒューマンエラーを回避できる。その結果クレームが減少、顧客ロイヤリティが高まる効果がある。

記事には「モバイルオーダーにおいて消費者は好意的だが事業者側の提供が遅れている」とありますが、大手のように自社開発で構築するか、配達プラットフォームに乗るかで、今後は何かしらの手段を作っていかないと顧客の不満に繋がってくる、ということですね。

先日マクドナルドのモバイルオーダーを体験してきましたが、注文体験が一新され、非常に便利でした。

🍳ウェンディーズがオリジナルの無料TRPG「Feast Of Legends」を公開

ウェンディーズが、「Feast of Legends（伝説のごちそう）」という名のTRPGを発表。League of Legendsを思わせるタイトルや、洋ゲー風のモンスターとキャラクターが戦う壮大なイラスト、そして約100ページにもおよぶ公式ルールブックと、あまりにも本気すぎる内容が話題を呼んでいる。

ルールブックのPDFファイルは97ページ・約15MBと、その容量からでも本気度が伝わってきます。「Frozen Beef（冷凍牛肉）」が敵ということは、ハンバーガーチェーンの最大手を暗に示していると思いますが、プロモーションの一環にしては相当な力の入れようですね。実際にプレイしているシーンを見てみたいです。

🍳社員の不調は企業の損失･･･ヤフー社食で「揚げ物税」導入

体調やメンタル不調でパフォーマンスが低調なのは欠勤より損失大とし、揚げ物は100円値上げ、魚は150円値下げで販売。初日は魚が初めて200食超えて売り切れ、揚げ物は前回の約6割にとどまる。

社員の生産性やモチベーションを上げる方法は様々ありますが、健康という観点で「揚げ物税」とは面白い取り組みですね。揚げ物等の販売量を減らす・無くすという方法だと単純に社食の不満に直結してしまいますが、「揚げ物税」という文脈と共に価格差を付けて（魚系は値下げ）提供することで、「だったらこっちでいいか」という方向に導くやり方はうまいと思います。

🍳ガチャ好き、コーヒー好きは六本木へ急げ！nendoがデザインした期間限定の新コンセプトカフェ「GACHA GACHA COFFEE」が面白い

東京・六本木ヒルズ展望台の東京シティビューに、本格的なコーヒーが飲める名所が生まれた。とてもシックなガチャガチャで豆を買う、その名もGACHA GACHA COFFEE。11月中旬までの期間限定。

企画・デザインしたのは佐藤オオキ氏のデザインオフィスnendoということですが、目的は会社のプロモーションということになるのでしょうか。人手不足→無人化が着想の起点となっているようですが、それに対するアプローチがガチャガチャ（＝究極の自動販売機）とはまたユニークですね。六本木ヒルズの地上52階、海抜250ｍの展望台の、吹き抜け11ｍのフロア、一度は行ってみたい…。

🍳キッチン×飲食×不動産テックの新潮流がやってきた！

古くからある飲食業や不動産業、さらに、そこに“キッチン業界”などが加わって、いま新しい動きを見せている。その1つが「ゴーストキッチン」であり、「クラウドキッチン」と呼ばれる事業。日本においてその先頭を走る４人の経営者が集まり、新しいキッチンビジネスの動向や課題、方向性などを語った。

ゴーストキッチンを運営する側の視点で語られているのは面白いですね。食品衛生法・衛生管理におけるリスク対策はもちろんのこと、賃貸不動産業の契約に盛り込まれている転貸禁止条項（又貸しNG）というのも大きなネックになるとのこと。また、キッチン利用者の販売方法にまで考慮する必要があるということで、ゴーストキッチンを運営する側としてはまだハードルは高めだと思います。

ちなみに出店する側（レストラン側）のコストについてはこちらの記事が参考になります。

🍳日本でも食べれる! シリコンバレー発の「シェアキッチン」が食のイノベーションを狙う

スタートアップの聖地・シリコンバレーでは、シェアオフィスやコワーキングスペースのコンセプトが食の世界にも広がってる。その一例が「Kitchen Town」。同社は、IT業界ではよく見られるスタートアップの支援をするインキュベーターモデルを本格的に食領域に適用したことで知られており、スタートアップと国内外の企業を繋ぐ提携事業でも実績を上げている。

こちらはKitchen Townのレポート記事で、ゴーストレストランのようなキッチンのレンタルだけでなく、IT×食というフードイノベーションを促進するための様々な取り組みが行われているようです。「Base Food」や「Ramen Hero」等日本の企業も参加しており、食にターゲットを絞ってキッチンやコワーキングスペースを作るインキュベーション施設は今後増えていきそうです。

🍳昆虫食で食料危機の解決を目指すスタートアップのまとめ「昆虫食カオスマップ2019」が公開

クリエイティブエージェンシーのワンパクは10月10日、昆虫食に関する情報を発信するウェブマガジン「BUGS GROOVE」を創刊し、食料危機の解決を目指す世界のスタートアップをまとめた「昆虫食カオスマップ2019」を公開した。

国別でみると一番多いのはアメリカですが、なんと２位は日本ということで、BugMoのような昆虫食からムスカのような飼料活用まで５つのカテゴリに分けてマップ化してあります。昆虫食に関する情報を発信するウェブマガジン「BUGS GROOVE」を創刊とのことですが、代替肉同様、昆虫活用の意識がどこまで広がっていくのか、社会課題の解決だけではない別のアプローチも必要ですね。

🍳｢ウーバーイーツの配達員｣下請け横行の実態

フランスでは料理のデリバリーは大きな市場となっており、各企業が競い合っている。しかし、こうした競争によって配達員への支払額は絞られることとなり、その結果、もっと切実に仕事が欲しい人たちを、配達員の一部が利用するようになっている。アカウントをつくった配達員が、自分のアカウントを貸し出して、下請けの配達員に実際の配達をさせている。

移民や貧困層など労働許可証を発行できない人へ、許可証等一式を貸し出し売上の一部を徴収する、ということで、まさに海外ならではの問題ですが…驚きました。もちろんこれは不正なので見つかれば相当の処分を受けることになりますが、水面下で行われるこれらの行為をどう取り締まっていくのか、新たな仕組みが生まれる分、相応の問題も生まれてくるということですね。

🍳データの主導権は誰の手に？Uber Eatsの急速な拡大によって外食産業が失うもの

日本でも広がりつつある「デリバリー」において、主にファストフード業界のモバイルの取り組みに着目し、同業界の今後のマーケティングに迫る危機について考察する。

このコラム記事の結論は、飲食企業は長期的視点でプラットフォーマーと接しないと、ビジネスの主導権を握られてしまいデータや利益が残らなくなる可能性がある、と伝えています。
商品力は言わずもがなですが、飲食と言えども商品だけでなく、その上流（ニーズを把握しブランドを強化する活動）や下流（ユーザとのコミュニケーション）にも注力する必要があり、製造業でいうところのスマイルカーブが飲食業にも当てはまると思います。

いつのまにか顧客と関わる機会も減り、ただプラットフォーマーから言われるがままに料理を作るだけの工場のようになってしまう…という未来だけは避けねばなりません。

🍳Amazon India、12月にフードデリバリー・プラットフォームを始動か

Amazonは、同社のフードデリバリー・プラットフォームに登録するようバンガロールのレストランや軽飲食店にアプローチしており、今年末までのローンチを目指しているという。

12月のローンチを目標としているとのことで、インドはすでにフード・生鮮デリバリーが活況で多くの競合がいますが、低い手数料率でレストランを引き抜こうとしているとのこと。受注プラットフォームのみの利用で6～10%、配達プラットフォームも利用すると18～22%とのことで、SwiggyやZomato等の既存サービスの18～25%とは若干低いということでしょうか。上の記事でもありましたが、飲食業は利幅が少ない中でこの手数料率で本当に継続した運営を行っていけるのか、あくまでもプラットフォームに依存するのではなく、うまく使いこなしていく気概が必要ですね。

とはいえ、Zomatoもまた資金調達をする予定とのニュースもあります。

Zomatoはアリババ系列からSwiggyはテンセント系列から多額の資本が投入されており、さながら中国で起こったような値引合戦による市場の奪い合いが今後繰り広げられるのかもしれません。

さらにさらにGoogle等が支援するDunzoというサービスも資金を調達してきており、インドは今圧倒的に宅配・デリバリーサービスが活況な国になっていますね。

🍳中国のLuckin Coffee（瑞幸咖啡）、欧州の食品加工大手ルイ・ドレフュスとジュース事業をローンチへ

中国のコーヒーチェーンスタートアップ Luckin Coffee（瑞幸咖啡）は、ヨーロッパの食品加工業 Louis Dreyfus（LDC）と提携し、中国で合弁会社（JV）を通じ Luckin Juice を販売する契約に合意した。

お茶事業（小鹿茶：Luckin Tea）を立ち上げ先月分社化しましたが、今度はジュースですか。この規模だとLuckin Coffee内で販売というよりも、あらたにLuckin Juice的なものを立ち上げそうな気もします。とはいえ、事業を立ち上げる毎にその市場を拡大していく必要があるため、まだ当分は赤字の経営が続きそうですね。

🌎海外サイトの記事

🍳ドミノは、第3四半期にサードパーティの食品配達からの熱を感じている

DoorDashやUber Eatsのようなサードパーティの食品配達ベンダーの影響により、Dominoの売上成長と収益が削減しつつあり、2019年の第3四半期の予測が下回った。

単体企業 v.s. デリバリープラットフォームはどの国でも起こっていて、プラットフォーム懐疑派だったドミノピザの成長率（2018年第3四半期：6.3％増、2019年第3四半期：2.4％増）が鈍化しているという記事です。

効果が見込めるエリアに積極的に出店し、配達効率を上げる要塞化戦略だけではプラットフォームの勢いに押され気味…のですが、その中でもプラットフォームから学びを得て、いろいろな施策も行っています。

プラットフォームでは配達員の力量にバラツキがあったり、システムによっては注文と配達員のミスマッチが起こったりと、配達時間が前後する場合が多くありますが、そこを「配達保険」として確実に時間通りに届けるというサービスを、また、プラットフォームに学び「深夜営業」を行っている、という内容です。

さらにプラットフォーマーとの戦いは顧客だけでなく、従業員にまで及んでいます。

以前、重慶の記事をとりあげましたが、配達員にも技能の高低があり、1分2分を争う世界ではその地域毎に地理や交通状況を熟知した配達員はとても貴重で、今後も配達員に対しても熾烈な獲得合戦が繰り広げられていきそうです。

🍳中東の電子商取引会社Noonは、中国の新興企業Neolixから5,000台の自動運転バンを購入して食料品を配達している

ドバイに本社を置く電子商取引サイトNoon.comは、北京に本拠を置くNeolix Technologiesに5,000台の自動運転車を注文。今年の第4四半期から、これらの車両の一部は、アラブ首長国連邦のドバイとアブダビで最初に使用され、正午の顧客が注文した荷物を配達。また、移動する小売り車としても使用される。

Neolixを調べてみると自動運転ロボットメーカーとして中国国内を主軸として結構顧客を抱えてそうです。

プロモーション動画を見ると、ただ配達するだけでなく移動販売車両としても活躍するとのことで、様々な場所で使われれば使われるほど多様なデータが溜まりそれを元にサービスを改善していく流れが今後も加速していきそうです。

以上。

============================
この記事があるマガジンはこちら

============================
こちらも是非。
様々な体験をまとめたマガジンはこちら
販促考察のマガジンはこちら
雑記のマガジンはこちら

============================
twitterはこちら