先週はDoorDushの個人情報流出というバッドニュースもありましたが、個人的にはユーグレナ社のプロモーションがとても印象に残った週でした。

🗾国内サイトの記事

🍳日清「ラーメン店」開業へ　安藤社長「会社ごとぶっ潰すような挑戦」

日清食品が2020年度に食のイノベーションをテーマにした「ラーメン店」に乗り出す。安藤徳隆社長は、19年10月に設立する予定の社内組織「Nissin Innovation Lab.」（仮称）による新事業の一環として取り組むと言う。

昨今、メーカーの直販はさして珍しいことではなくなりましたが、さすがに実店舗となるとなかなか思い切った施策ですね。目的は売上というよりも顧客体験やデータ収集になると思いますが、飲料メーカー等が実施する期間限定のポップアップストアのような形態では無いとするともっと別の目的があるのかもしれませんね。

🍳米出前サービスDoorDash、470万人の個人情報流出

米出前サービスのDoorDashは9月26日、470万人の顧客、配達員、パートナーの個人情報が何者かによって盗まれたと発表。住所氏名、電話番号、メールアドレス、一部のDasherの運転免許証番号が含まれる。

「クレジットカードや銀行口座の不正利用に必要なデータは盗まれていない」とのことですが、デリバリーという特性上、正確な住所情報が登録されているので、そのあたりが不安です。今回のケースでは不正アクセスでの流出とのことですが、先月Amazonの配送業者が不正に個人情報を利用していたとのことで、外側と内側両面での対策が必要ですね…。

🍳900店舗以上の飲食店と消費者をつなぐスウェーデンのフードデリバリーサービス

スウェーデン南部ルンドで2013年に創設された「Hungrig」は、首都ストックホルムやヨーテボリ、マルメなど、スウェーデン国内の23都市を対象エリアとし、900店舗以上の飲食店のフードメニューをオンデマンドで配達するフードデリバリーサービス。

今年の５月にDelivery Heroに買収されたとのことですが、傘下でブランドは維持していく方針のようですね。以前の記事でコロンビアを中心に展開しているサービスを取り上げましたが、オンデマンドのレストランデリバリーと言えばUberEtatsやDoorDush、Grubhubが有名ですが、まだまだ各国それぞれで独自に展開しているサービスはありそうですね。

🍳FOODIT TOKYO 2019総まとめ～発想の転換が、外食産業の10年を創る

9月25日に開催された、外食産業の未来を考えるカンファレンス『FOODIT TOKYO 2019』。外食やIT関連の豪華な顔ぶれの登壇者たちが一同に集結し、これからの飲食業界への提言を行った。会場は約1,000人の来場者が集まり、立ち見も出る盛況ぶりな当日の模様をダイジェストでお届けする。

テーマは持続可能性（サステナビリティ）ですね。SDGsという文脈での食材という視点や昨今問題になっている人財の問題、またインバウンド含めた顧客との継続的な接点等、「FoodとITの融合」を起点として、産業としての発展は目指しつつも売上至上主義にとらわれない価値感の転換が必要になってくるということですね。

また、ユーグレナが銀座久兵衛と共に、寿司ネタの消滅が起こる可能性を伝える「寿司が消える日」を企画しています。

自社のSDGsへの取り組みを寿司ネタの消滅と共に告知をするPRのようですが、（その真偽は別としても）CSR的な側面として積極的な姿勢を見せていく企業は今後も増えていきそうです。

🍳Uberアプリ、「Uber Eats」や乗り換え案内も統合するオールインワンアプリへ

米Uberは9月26日、次世代のUberアプリのビジョンを発表。具体的なタイミングは不明だが、将来的にはUber Eatsも統合し、公共機関の乗り換え案内機能も搭載する生活のためのOSにアップデートするとしている。

これは中国の美団や東南アジアのGrabやGo-jek等、世界的に見ても生活プラットフォームアプリへの流れが来ています。そうなると、ライドシェアやフードデリバリーを起点としつつも、他にもサービスを開発してこのプラットフォームに乗せてくる可能性は十分にありそうですね。

🍳生鮮食品デリバリー「Milkbasket」、過熱するインドのE-グロサリー市場で躍進

牛乳・生鮮食品のマイクロデリバリー「Milkbasket」が、private equity fundsとシリーズCで5000万ドル規模の投資交渉に入ったことが明らかになった。交渉は2ヵ月以内にまとまる可能性が高いという。

以前の記事でも取り上げましたが、インドは生鮮デリバリーが本当に活況ですね。今年６月にも1050万ドル（約11億円）を調達しているということで、この分野にはまだまだお金が集まりそうですが、生鮮のオンデマンドデリバリーかと思いきや「Milkbasket」の特徴としてその名が示す通り、ミルクの配達からサービスが始まりその後生鮮に裾野を広げたということで、毎日定刻に届けるルート配送なんですね。記事内では定刻配送が成功の一因と書かれていますが、今後ユーザのニーズが拡大していくにつれて、パーソナライズなサービスの対応力が問われていくと思われます。

🍳飲食のミライ変える…客のいない「ゴーストレストラン」とは

開業コストはこれまでの20分の1程度 驚きのビジネスモデル、デリバリー専門のシェアキッチンを1人で店を切り盛りし、注文は「Uber Eats」などネットで。宣伝も運営会社にお任せ。

ゴーストレストランもテレビで取り上げられるようになりましたね。記事には「ユニークな価値を持つ専門店が増える」とありますが、ゴーストレストランの先駆けである6curry然り、料理はとても魅力的です。

店舗を持たないというメリットはあるものの、デリバリーという特性上、配達エリア内でなければ食べる機会を持ちにくいというのもまた事実なので、どのような規模でどんなエリアでどんな人をターゲットにしているかという具体的なイメージと、業態のステージによって売り方は変わってくるということになると思います。

🍳クローガー、食品スーパーにフードホール・コンセプト！グローサラントの次の展開？

スーパーマーケットチェーン最大手のクローガーは25日、オハイオ州シンシナティのダウンタウンにフードホール・コンセプトを持つスーパーをオープン。ニューヨーク・マンハッタンなどのビジネス街で増殖しているフードホールは広義としてショッピングセンター内にあるフードコートのこと。

フードコートとの違いは、
フードコート：テナントの多くがファストフードチェーン
フードホール：地元の素材や新鮮さにこだわったレストランや有名シェフがプロデュースするグルメ飲食店、人気フードトラックのベンダー等、コンセプトがはっきりした外食店
とのことですが、明確な定義は無いとのこと。記事内にはテレビで紹介された動画も載っていますが、盒馬鮮生にかなり近い印象を持ちました。また、日本でも流行りを見せてきていますが、こちらはまだスーパーと併設されているものではなく飲食単体のみですね。

🍳具合が悪いなら、ウォルマートに行く？　地域医療に進出する米国の大手スーパー

ウォルマートがジョージア州のダラスにある大型店舗のウォルマート・スーパーセンターに併設する形で、本格的な「ヘルス・センター」を開設。血液検査やレントゲン、心電図などの検査設備も備えている。

「これまでも看護師が健康診断や日常的な疾患や軽度の怪我の初期診療や予防接種などを行うケア・クリニックと呼ばれるコーナーを、ジョージア州、サウスカロライナ州、テキサス州の19店舗内に設置してきた」とのことですが、今回は、「一般診療から、メンタルヘルス、歯科のほか、視覚、聴覚、さらに禁煙、栄養指導やフィットネスまで、健康にかかわる様々なサービスを提供、このヘルス・センターには80人から100人が従事する。」とあるとおり、もはや中型の病院が併設されるイメージですね…。とはいえ、ウォルマートならではの明朗会計や従業員をヘルスケア関連のスキルが身につけられるよう支援するなど、需要と雇用をうまく生み出しながら拡大していってますね。

🍳マクドナルド、カナダで代替肉バーガーを試験販売

米マクドナルドは26日、北米市場で初めて植物由来の材料で作るハンバーガーを投入すると発表。代替肉製造のビヨンド・ミートと提携し、まず30日からカナダの28店舗で試験販売する。

8月末にKFCが代替肉のフライドチキンを販売し話題になりましたが（以前の記事）、早速マクドナルドでも試験導入してきましたね。ビヨンド・ミートはKFC然り今回の提携で相当その名前が知れ渡ったと思いますが、「今後の展開は市場反応を見て決める」と記事にあるように、ファストフードチェーンを媒介として代替肉というものが受け入れられるのか否か、今年は大きな分岐点となりそうです。
※B.L.T.ならぬP.L.T.（P=Plant）と表現しちゃう遊び心がステキです。

また、コストコでも販売が開始になるということで、各社積極的に取り扱いを増やしていっています。

🍳OYOもコーヒービジネスに参入　luckin coffeeとスタバが育てたコーヒー市場に食い込めるか

ホテル業界のLuckin Coffeeと言われているOYOが、陝西省西安市に自社のコーヒーブランド「芬然咖啡（フェンランカフェ）」1号店をオープン。本格的にコーヒービジネスに参入し、Luckinとスターバックスの2強に迫っている。

OYOについての概要を知るには以下の記事が参考になります。

これだけホテル業界に旋風を巻き起こしてきたOYOですが、中国でもその勢いは同様で、且つホテル内に展開をしていくとなるとFC化や収益という面においてもスピードが速く、カフェ業界も何か変動が起こるかもしれません。

🍳中国無人コンビニの「便利蜂」、1000店舗を突破　3年以内に1万店舗を目指す

北京、上海、南京など複数都市で展開する中国の無人スマートコンビニ「便利蜂」は、過去31か月で店舗数1000を突破。また、今後3年間で1万店舗をオープンさせる予定だと発表した。

相変わらず中国企業は言うことが大きいですね。1万店舗を実現するとなると国内でもトップ３くらいにはランクインしてくると思いますが、中国ではいわゆる「無人コンビニ」という業態はその勢いを失いつつあるのもまた事実です。

とはいえ、それは上の記事にもあるように、完全無人型（自動販売機の上位型のような）と半無人型（通常の購買では人を介さないが店舗に従業員はいる）とでは出店するエリアや環境によってそのニーズが異なるということで、この便利蜂はそのあたりをうまく使い分けている印象です。

↑こちらは以前視察に行った際に撮ったものですが、店構えや店内の様子は普通のコンビニと変わりませんが、レジだけが全てセルフ型となっています。従業員は品出しやホットスナックの提供等を行いますが、レジ業務からは解放されているため、店内人員は削減しつつ、デリバリー等別の部分にリソースを割くことができます。
また、公式サイトを見ると、600のような自動販売機型やシェアサイクルまで（これは何とも言えませんが…）行っているようなので、各ニーズに即して形を変えながらうまく消費者の生活に入り込もうとしていますね。

🌎海外サイトの記事

🍳Deliverooがスターバックス製品の提供を開始

スターバックスとデリバーチェーンは、スペインでブランドの配送サービスを提供する契約に署名。今週からスターバックスのユーザは、アプリをクリックするだけで、いつでもどこでも最高のアラビアコーヒー、象徴的なフラペチーノ、甘いものやおいしい食べ物を楽しむことができる。

アメリカや日本でもUberEatsと提携したり、中国では餓了么と提携したりと、積極的にオンデマンドデリバリープラットフォームを活用していってますね。
↓の記事には「従来型の"コーヒーショップ体験"以外の売り上げに目を向けている」とありますが、銀座でのリザーブストアオープン等店内も引き続き強化しつつも、タッチポイントの幅を増やしたと解釈した方が良さそうです。

🍳マクドナルドがターコイズアーチを使用した驚くべき１つの理由

アリゾナの中心に位置するセドナの街は、その驚くべき自然の美しさ、赤い岩の山岳風景で有名。このため、セドナの建物には周囲の自然の風景に構造物が過度に侵入しないようにするためのルールがある。

（駐車場に立っている旗はいいんだ…と思いましたが）とっても新鮮ですね！やむを得ず変更するにしても暖色系から寒色系にしたのは飲食業界では結構勇気のいることだと思いますが、結果的にはそれが新鮮になり、観光名所にまでなっているのは、さすがです。
以前、川越のスタバにいきましたが、ここも小江戸という街並みにマッチした店舗作りをしていて、とても雰囲気が良かったです。こういった取り組みを行ってくれるとよりそのブランドが好きになりますね。

以上。

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