この週はニュースが豊富で、特にフードテック（代替肉関連）の記事が多かったので、特集として別枠を設けてみました。

🗾国内サイトの記事

🍳「年収が上がる食事」を教えてくれるAI登場　3500人の食生活と稼ぎをディープラーニング

ソフトウェアメーカーのシグナルトークは11月13日、AIが食生活を分析し、仕事のパフォーマンス向上に効果的な食事を提案するサービス「Work UP」を発表。AIには、約3500人の食生活と年収に関するデータをディープラーニングで学習させ、食べると年収アップにつながるメニューを紹介する。

年収が上がる食事とはまた思い切ったキャッチコピーですね。一応その定義が↓コチラのようです。

「生涯収入を上げる食事」とは？
食習慣と年収に関するアンケート調査をディープラーニングし、各食習慣が年収に与えうる影響をスコア化。年収にプラスの影響を与えるスコアを示す各食習慣につき、「生涯収入を上げる食事」としています。

今ブームになっているスコアリングという観点で様々な質問に答えるようですが、「性格、健康状態、食生活、仕事の状況に関する質問約130個全てに回答すると、AIが内容を分析し、生涯収入、健康労働年数、余命などを算出。食生活に関する細かい質問を追加で約800問用意し、答えるごとに分析の正確性がアップ。」と、開始までのハードルはそれなりに高そうです。（現在βテスト中なので実際にやってみようと思いましたが、途中で挫折しちゃいました…）
とはいえ、予防医療研究協会に所属する医師や管理栄養士が監修しているということで、サービスとしての信頼度は高そうです。

🍳テークアウト特化型「食べログ」登場　持ち帰り可能な店のみ表示、アプリで注文・事前決済

カカクコムは11月12日、持ち帰りが可能な飲食店の情報のみ取り扱う新アプリ「食べログ テイクアウト」をリリース。現在地周辺のテークアウトできる飲食店を探せる他、アプリ内で注文と事前決済を完了できるのが特徴。東京都渋谷区の一部で先行スタートし、今後は東京23区や全国主要都市に対応エリアの拡大を進める計画。

前々回の記事でテイクアウトサービスを取り上げましたが、また新たなサービスがまさかの大手から登場ということで、これはテイクアウトサービスの勢力図が一気に変わりそうです。
何と言っても食べログというグルメサービスからの派生なので、親和性は断トツ、中国で言うと美団が大衆点評を吸収→フード要素を加えて爆進した流れと全く一緒なので、今後はテイクアウトだけでなくデリバリーの要素も入れてくる可能性はあると思います。

🍳フードデリバリーのDeliverooが客によるピックアップも選択肢として提供

英国拠点のオンデマンドフードデリバリーサービスのDeliverooは、注文のフード配達以外のサービスに乗り出す。「Pickup」というピックアップオプションを顧客に提供する。この新たな「クリック＆ピックアップ」サービスは、開始にあたって英国内13の都市にある700軒超のレストランで展開される。

今度はDeliverooでテイクアウトの導入ですね。テイクアウトは比較的導入コストが低く、既存プラットフォームを使う＝事前決済のためレストラン側のリスクも低いので、ある程度のトライアルが済めば一気に店舗は拡大していきそうですね。

🍳受け取り専用！ マンハッタンにオープンしたスターバックス・ピックアップに行ってみた

スターバックスは新しいタイプの店｢スターバックス・ピックアップ｣をオープン。持ち帰り専用の店舗で、客はアプリを通じて事前にドリンクを注文してから、店に受け取りに行くことができる。

こちらは体験記事ですが、店内の様子は今までのスタバとはかなり違って、シンプルな内装になっていますね。特にオフィス街では、店内でゆっくりよりもサッとピックアップする需要の方が大きく、そのようなエリアは地価も高いため、比較的低コストで出店できるという強みがありそうです。

🍳出前館「アリーナデリバリー」本格展開へ、ハーフタイムに素早く受け取り、客席への出前も

宅配ポータルサイト「出前館」を運営する夢の街創造委員会は、今年1月から展開する、スポーツイベントなどへのデリバリーサービス「アリーナデリバリー」を、11月から本格的に展開。「アリーナデリバリー」は出前館のスマートフォン向けアプリから、スポーツの試合会場などに料理や飲料の配達を注文できるサービス。対象席では注文者まで直接商品を届け、対象席以外からの注文は、会場内の出前館ブースで受け渡しを行う。

本マガジンでも何度か取り上げているアリーナデリバリーですが、本格展開ということで個人的には素晴らしいサービスだと思っています。（特に最近はバスケの試合を見に行くことがあり、ハーフタイム中のフード混雑は身をもって体感しているので…）
「客単価は約1,000円と決して高くはない。」とのことですが、「こうした文化が根付けばいいなと思い取り組んでいる。」この想いは非常に共感します。
出前館はさらにアレクサスキルのアップデートを行うなど、利便性向上に積極的に取り組んでいますね。

🍳レジなし店舗「ローソンゴー」20年オープン　商品持ち出すだけで自動決済

ローソンは11月12日、客が店から商品を持ち出すだけで自動決済できる実験店舗「ローソンゴー」を2020年中に出店する方針を示した。従業員を省人化できる仕組みを整え、加盟店の負担を減らす狙い。

ついに完全無人化に本格的に取り組むんですね。深夜無人は実験中ですが、うまくいっているということでしょうか。

最近のコンビニはホットスナックやコーヒーの需要が高いので、このあたりの商品も買うことができるのか、省人化だけでなく、顧客体験を損ねないような店舗づくりも期待したいですね。

🍳オイシックス・ラ・大地　フードイノベーション領域のCVC「Future Food Fund」にモスフードサービスが参画へ

ミールキットなどの食品宅配を展開するオイシックス・ラ・大地株式会社の投資子会社がゼネラルパートナーとして設立した、フードイノベーション領域に特化したCVCファンド「Future Food Fund」に、リミテッドパートナーの一つとして、株式会社モスフードサービスが参画。

ファンドが８月に設立されてからの大きなニュースですね。「Oisix」と「モスバーガー」ブランドとのコラボレーションについての協議を開始→2020年春の商品展開を目指す、とのことで、特にモスの店舗に商品が並ぶのかどうか楽しみです。

🍳激化する「 フードデリバリー 」の覇権争い：ブランドではなく、利便性が勝敗を分ける

フードデリバリー市場は、圧倒的な勝ち組からもっと雑然として混み合った領域へと変容しつつある。その中心にあるのは、利便性はブランドロイヤルティを凌駕するかという論争だ。

ここは本当に難しい問題ですね。これまではGrubHubが市場をけん引してきましたが、今やDoorDashにその座を明け渡しています。
それでもディスカウントやプロモーションによってこじ開けてきているので、「顧客の目当てがもっとも安い宅配料金であることはますます明らか。結局のところ、価格がもっとも低い宅配サービスが勝利することを意味しており、それはレストランや顧客の利益にはなっても、宅配事業者側の利益にはならない。」という話はごもっともですね。（宅配事業者側の利益にならなければ最終的にはサービスが閉じられ、レストランや顧客の利益もなくなる。）
競争はもちろん必要ですが、顧客の奪い合いというよりも、独自のサービス展開や体験等で、健全に市場を拡大していくようなスパイラルが生まれるといいですね。

🍳アマゾン、新たな食品スーパー展開を計画--2020年にカリフォルニアで1号店開店へ

食料品関連分野での市場シェア拡大を目指すAmazonが、新ブランドの食品スーパーの1号店を2020年にカリフォルニア州に出店する計画であることを米国時間11月11日に明らかにした。

Amazon初の食品スーパーとしてAmazon Goの技術を採用しないということで、それならばなぜ傘下に入れたWholeFoodsを使わないのか、気になりますね。もしかしてこれは今後WholeFoodsというブランド名をAmazonに変えていくための布石なのでは…と勘ぐってしまいます。

🍳ソフトバンク1000億投資の宅配アプリRappiが凄すぎ。オンラインとオフラインが融合するOMOの時代到来

これからのマーケティングを語るのに欠かせないOMOだが、南米・コロンビアにソフトバンクグループファンド「ソフトバンク・イノベーション・ファンド」が、最初の投資先として10億ドル（約1,080億円）を投資した、OMO宅配アプリがある。

Rappiについては以前取り上げたのですが、新たな記事があったので改めて取り上げてみました。この中でもすごいのが「CajeroATM」というサービス。
「Rappi宅配員が顧客に代わってATMで出金し最大で40万ペソ（約1万5000円）まで届けてくれる。その代金はRappiアプリ上でクレジット決済する。」というもので、クレジットの現金化というちょっとグレーなサービスまであります。とにかく考えられる様々なサービスが詰め込まれているので、いつか実際に体験してみたいですね。

🍳luckin coffee2019年第3Qの売上高は前年同期比540％増の240億円　店舗事業は初黒字達成

中国の新興コーヒーチェーン「瑞幸咖啡（luckin coffee）」が今年第3四半期の決算報告を発表。売上高は前年同期比539％増、前期比69％増の約240億円。調整後純損失は前年同期比18％増、前期比16％減の約90億円でアナリスト予想を超えた。

年末までに総店舗数を4500店とする計画で、現在の総店舗数は3680店。第4四半期には約1000店を開業する予定で、現在のペースからみると目標達成は可能とのこと。また、お茶の「小鹿茶（luckin tea）」だけでなく、ナッツ類に特化した新ブランド「瑞幸堅果（luckin Nuts）」もローンチしたということで、まだまだこの勢いは衰えてませんね。

🥩フードテック（代替肉）特集

今週は特にフードテック文脈での代替肉記事が多かったので、特集として設けてみました。

🥩沸騰　フードテック［有料会員限定］

日経の有料会員の方は日経ヴェリタストークという10分強の動画が閲覧できます。

🥩肉そのものの味・香りなのに牛肉不使用の「Impossible Burger」を製造する工場に潜入したムービー

Impossible Burgerの製造工場に潜入したこちらも10分強の動画が閲覧できますが、動画自体は英語なので、記事内のキャプチャと解説の方がより理解しやすいと思います。

🥩代替肉業界がマックに照準　試験販売の「P.L.T.」はビヨンド・ミート供給

マクドナルドもカナダの28店舗で代替肉を使ったバーガーを三か月の試験販売をするとのこと。

🥩【革新】肉を作るのは牛ではない、マシンだ。［有料会員限定］

こちらはNEWSPICKSの有料記事ですが、代替肉ではなく培養肉についての記事です。バイオリアクターという、動物の体内環境を再現して、細胞を育てるマシンについて、５つの方式を開設しているかなりマニアックな内容です。

🍨牛乳のタンパク質構造を再現した植物由来の人工アイスクリームが登場、「本物そっくりの味わい」と話題に

（もはや肉ではありませんが…）アメリカのスタートアップ企業が100％植物由来の人工アイスクリームの提供を開始したとのこと。同社曰くその味わいは、「アイスクリームよりもクリーミーかつチーズよりもチーズで、ミルクよりもミルキーで、牛も嫉妬するほどクリーミー」とのこと。もはや乳製品の代替品ではなく『乳製品の続編』ということで俄然興味が湧きますね。

以上。

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