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私の独り言⑦施設実習

まだ我が家の子供達が小さかった頃。

約20年前、知人からヘルパー2級養成講座の受講に誘われ受けてみた。今はその講座の名称ではない。(2013年4月から「ホームヘルパー2級」が「介護職員初任者研修」へ変わった)


それから介護との関わりが始まった。

子供達が小学校に上がり時間の余裕が出来たので仕事をすると考えた時に訪問ヘルパーとしてやってみるという事は必然だったのかもしれない。

最初に仕事として登録したのは受講元の事業所。訪問ヘルパー派遣を中心に動いている地域密着型の所だった。受講中に訪問ヘルパー同行実習でお世話になったヘルパーさんもおられ心強く感じていた。

ヘルパー養成講座では訪問ヘルパー同行実習の他に施設実習もあった。

今回はその時の印象を記しておきたい。


施設実習は2ヵ所。


今思っても複雑な気持ちになる。

1ヵ所は老人保健施設、もう1ヵ所は特別養護老人ホーム施設内のデイサービス。

1ヵ所目の老人保健施設では1人の介護者について回り、各部屋にいる利用者様のお世話の様子の見学をした。

そこでの利用者様の表情がとてもとても暗く、悲しみが深い印象が感じられてしまい苦しくなって、実習の1日がとてもつらかった。

白い壁が冷たく感じられ、介護者もバタバタと忙しく施設内が閑散としていた。

何となくだがここでは働きたくないなぁとまず感じてしまった。

実際きちんとしている介護者もいるはずなのだろうが…言葉が出ない利用者様が「あーぁ~あーぁ~」と呻き声の様な訴えをずっとしていたが対応せずに聞こえていない様に仕事をこなしていた。

「いいの、ほっといて。いつもの事だから!」

何だか…物凄く悲しい。

自分の知人、親がこの状態であれば…悲しすぎる。

もしかすると今考えるに施設内の職員が少なく余裕の無い状態だったのかもしれない。

もしかするとスタッフが入って来ては辞め入って来ては辞め引き継ぎや研修などどころではなく日々の業務をこなすだけでくたくたになるような所だったのかもしれない。

今もその施設は運営が続いているようだ。少しでも改善されていると良いのだけれど…

胸が苦しくなるような何もしていないのにくたくたになった1日をやっと終え翌日は次の特別養護老人ホーム内のデイサービスでの実習。

ここでは思った以上に活気があり介護者も利用者様も和気あいあいとしていて楽しくなって、緊張していた私まで笑顔になっていた。

ボードゲーム、折り紙、おしゃべりなど各自自由な時間だったのか笑顔が溢れ明るい印象。全員で歌唱する時間もありほとんどのそこにいる人皆が歌う事を楽しんでいた。

やっぱり楽しい方がいいに決まっている。その施設の老人ホームの見学は出来なかったがおそらく穏やかな時間が流れているだろうと想像できた。

介護には色々な施設、事業所がありスタッフにも利用者様にも色々な人がいる。全てが上手くいくことはまず無い。

しかし人は変化する。

自分自身の気持ち次第で…回りの環境で…温かい応援で…

素晴らしい職業だからこそ少しでも介護業界が働きやすい環境、収入になればいいなと思っている。

読んで頂きありがとうございます。

今日も明日も良い事がありますように。